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山田涼介『親愛なる僕へ殺意をこめて』初回4%台…グロ表現と原作“大幅”改変に賛否?

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ドラマ公式サイトより

 Hey! Say! JUMP・山田涼介主演のフジテレビ系水曜ドラマ『親愛なる僕へ殺意をこめて』が10月5日に放送をスタートしたが、厳しい発進となってしまったようだ。

 2020年に完結した同名マンガ(原作:井龍一/作画:伊藤翔太)の実写化となる本作は、大学生の主人公・浦島エイジ(山田涼介)が知らぬ間に殺人事件に巻き込まれていく中で、自身が二重人格であることに気づき、また、凶悪な連続殺人を犯した「殺人鬼LL」の正体とされる八野衣真(早乙女太一)の実の息子であるという運命に翻弄されていく「予測不能の二重人格サスペンス」作品だ。

 5日に初回放送を迎え、民放ゴールデン・プライム帯では秋ドラマの先陣を切る形となったが、初回の世帯平均視聴率は4.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、いきなり5%を下回る低発進となってしまった。

「この水曜22時のドラマ枠は今年4月より6年ぶりに復活したものの、間宮祥太朗の『ナンバMG5』、町田啓太主演の『テッパチ!』といずれも視聴率的には苦戦。しかしそれはフジテレビ側も折り込み済のはず。というのも、この時間帯はテレ朝の『報道ステーション』が強く、さらにTBSではネットで話題になりやすい『水曜日のダウンタウン』が、日テレでは昭和から続く連ドラ枠があり、ここで視聴率で勝っていくのは難しい。実際、同日にスタートした日テレの『ファーストペンギン!』は初回8.9%スタートと、『しんぼく』の倍近い数字でしたからね」(テレビ誌記者)

 それでも『ナンバMG5』の初回は6.6%、『テッパチ!』の初回は7.6%だったことを考えると、『親愛なる僕へ殺意をこめて』の4.5%はかなり見劣りするスタートと言えそうだが、同情できる部分もあるという。

「もともと『ナンバMG5』はあまり期待されていなかったのですが、蓋を開けてみると笑って泣ける名作として非常に評価が高く、視聴率では全話平均5.4%と厳しい結果だったものの、見逃し配信のTVerでは好調で、オリコンによる上半期ドラマ満足度ランキング2022でも3位となりました。『テッパチ!』の初回好発進は『ナンバMG5』の好評価の影響でもあるはずです。

 しかし、続く『テッパチ!』は、初回から連発されたイケメン俳優たちの上裸サービスショットに、同局の『週刊テレビ批評』を始めとして批判が殺到。陸上自衛隊を舞台としながらも、とても防衛省全面協力とは思えないほど“ぼくのかんがえたじえいたい”色が強く、脚本もツッコミどころだらけで、俳優たちの熱演も虚しく第3話以降は最後まで4%台が続き、全話平均では結局『ナンバMG5』よりも低い4.8%という結果に。『しんぼく』の初回が悪かったのも、『テッパチ!』があまりに駄作だった悪影響もあったのでは」(同)

 今後の巻き返しに期待したい『親愛なる僕へ殺意をこめて』だが、初回放送で早くも賛否が巻き起こっているという。

「やはりグロ表現がキツいという意見が多い。『原作知らずに見たら、グロすぎた』『怖すぎて無理』など、山田ファンを中心に、ドラマは見たいがグロいシーンがちょっと……という声が上がっています。これでも原作よりかなり抑え目なんですけどね。ストーリーのカギとなる殺人鬼LLは残虐な拷問をするという設定で、物語上も“拷問”は避けて通れない要素だけに、今後もギリギリを攻めていくことになるのでは。真似しやすい危険な拷問も原作には出てくるので、さすがにドラマでは手を変え品を変えてソフトにしていくとは思いますが、それでも山田ファンがどこまで付いていけるか……」(ドラマ・映画ライター)

 それ以上の不安要素が原作改変だ。初回放送を見るかぎり、ドラマは原作から大幅に内容が変わっているという。

「原作はグロだけじゃなく、セクシー要素も強い。原作では、主人公のエイジは登場時はまだ童貞で、なんとか初体験を済ませたいと思っていたものの、別人格のうちに初体験も終えていた……という展開があり、そもそも目が覚めると隣にかわいい女の子・雪村京花が寝ていたことが二重人格であることに気づくきっかけにもなるのですが、さすがに山田にそういう演技をさせられなかったのか、このあたりの過程はすっ飛ばされて、ドラマでは最初から京花がカノジョという設定に。

 これぐらいならまだしも、原作は京花のほかに真明寺麗という女性がもうひとりのヒロインとして登場し、重要な役割を担っているのですが、ドラマ版ではなぜか真明寺を抹消。原作ではわずかしか出番のないナミをWヒロインの1人に立てています。ナミは『原作に登場する真明寺麗の要素を内包した、ドラマならではのキャラクター』ということで、大幅に改変されるのでしょう。実際、第1話だけでもかなりストーリー展開が違っていました。しかし、ナミがエイジを拷問するシーンには笑ってしまいましたよ。スタンガンでエイジを気絶させた後、ベッドに縛り上げてエイジにスタンガンを連発。最初は一撃で気絶していたのに、なぜか拷問シーンではエイジは気を失うことなくスタンガン攻撃に苦しむという展開に、視聴者からも『あんなに食らって気絶しないの強すぎ』『急にスタンガン耐性ついたの?』などとツッコミが殺到してましたね(苦笑)。もちろんこんな場面は原作にはありません。一部御用メディアでは『初回から原作を可能な限り再現した過激な描写が連発』と持ち上げてましたが、思わず首をひねってしまいましたよ」(同)

 さまざまな謎が渦巻き、続きが気になるサスペンス作品だけに、原作と大きく変わっているからこそ先が読めないというメリットもあるとも考えられるだろう。

 今年1月期に放送され、非常に好評だった月9『ミステリと言う勿れ』のプロデューサーと総合演出が再タッグを組み、脚本も大ヒット映画『マスカレード・ホテル』『マスカレード・ナイト』を手がけた岡田道尚氏ということで、フジテレビの並々ならぬ気合が感じられる『親愛なる僕へ殺意をこめて』の実写化は、はたして成功となるだろうか。

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2022/10/07 19:14
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