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『覆面D』放送スタート記念ロングインタビュー

関口メンディー×武知海青×上野勇希(DDTプロレス)──アーティストとプロレスの化学反応

関口メンディー×武知海青×上野勇希──アーティストとプロレスの化学反応の画像1
写真=石田寛(以下同)/インタビュー=森野広明

 本日10月15日22時からスタートするABEMAオリジナル連続ドラマ『覆面D』は、関口メンディー(GENERATIONS)の初主演かつ、武知海青(THE RAMPAGE)のドラマ初出演作になる。

 高校の教師があることをきっかけに覆面レスラーとしてプロレスのリングに上がることになり──そんな“プロレス×学園モノ”という一風変わったテーマの作品に挑んだ二人は、撮影前から実際にDDTプロレスリングの道場で訓練を積み、文字通り体当たりでプロレスラー役に挑んだという。

 プロレス指導にあたったのは、本編に俳優としても出演する上野勇希選手をはじめとした同世代のレスラーたち。「アーティスト」と「プロレスラー」という、普段はめったに交わることのない世界の次世代スターたちの邂逅は、彼らにどのような刺激を与えたのか。

関口と武知はプロレスとどう出会ったか

関口メンディー×武知海青×上野勇希──アーティストとプロレスの化学反応の画像2
関口メンディーー(せきぐち・めんでぃー)1991年1月25日生まれ、東京都出身。2012年、GENERATIONSのパフォーマーとしてメジャーデビュー。14年「EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION」で合格しEXILEに加入。俳優としても映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』、ドラマ・映画『PRINCE OF LEGEND』などに出演。

──関口さんと武知さんは「プロレス」というドラマの題材を聞いたとき、どのような感想を抱かれましたか?

関口 最初に聞いたのが、1年半か2年前くらいなんです。プロレスはまったくやったことがなかったけど、面白そうだなとワクワクしたので「ぜひ、やらせてください」とすぐにお返事しました。プロレスのドラマと聞いてなんとなくコメディ路線なのかと思っていたんですが、上がってきた台本を読んだら社会派の学園ドラマで、これは世の中に届ける意味があるなと思いました。男同士の戦いという部分にはLDH的な要素も感じますし、今回、プロレスに触れることができてすごくうれしいです。 

武知 僕の出演が決まったのは、クランクインの数カ月前くらいなんです。メンディーさんのライバル役探しに難航していたみたいで、ちょうどそのタイミングで僕が『最強スポーツ男子頂上決戦2022』(TBS・3月22日放送)で優勝をさせていただいて。それをきっかけにお声掛けいただきました。あそこで優勝していなかったら、もしかしたら今回のドラマのお話もなかったかもしれません(笑)。去年はCL(編註:LDH所属アーティストの動画・試聴サービス)の「黒帯への道」という企画で柔道に挑戦して、黒帯を取得することができたんですけど、今年は本気でプロレスに挑もうと。毎年挑戦できることがあってうれしいですね。

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武知海青(たけち・かいせい)1998年2月4日生まれ、兵庫県出身。2017年、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのパフォーマーとしてメジャーデビュー。小学5年の時に水泳バタフライ種目でジュニアオリンピックに出場するなど、高い身体能力を誇る。俳優としても舞台『REAL RPG STAGE「ETERNAL2」-荒野に燃ゆる正義-』に出演。

──お二人はこれまでプロレスに触れてきたことはありましたか? 

関口 会場に見に行ったことはありませんが、学生の頃にめちゃめちゃプロレスのゲームをやっていました。

上野 ゲームはやっぱりすごいなぁ。 

関口 アメリカのプロレス団体「WWE」のゲームなんですけど、ラダーマッチ(ハシゴ戦)とか金網に登ったり、ハードコアな試合があるんですよ。だから、プロレスはそのイメージがありました(笑)。で、一緒に遊んでいた友達からプロレスにはドラマやストーリーがあってすごく面白いと力説されていたので、プロレスに興味は持っていましたね。 

武知 僕は昔、親がテレビで見ているのを横で何度か見た記憶がありました。でも、やっぱりテレビで観るのとやってみるのでは、まあ違いましたね。今回はその衝撃も大きかったです。

上野 いや~、この二人は天才ですよ! 本当に天才!

三者三様の高校生時代

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上野勇希(うえの・ゆうき)1995年9月1日生まれ、大阪府出身。DDTプロレスリング所属。2016年プロレスラーデビュー。現在は所属ユニット「The37KAMIINA」の一員として活動。第8代DDT UNIVERSAL王者。プロレスラーの傍ら俳優としても活躍。10月25日スタートの新ドラマ『信長未満-転生光秀が倒せない-』(テレビ神奈川)では勝家を演じる。

──お二人がすごかったというお話はのちほどたっぷり聞かせていただきます! その前に、メンディーさんや武知さんと世代的に近い上野選手がプロレスラーを志したきっかけはなんだったんですか?

上野 この話って、みなさんにしたことありましたっけ? 

関口 いや、聞いたことないです。

上野 僕は、いまアメリカのAEWという団体に行っている竹下幸之介というDDTのレスラーと高校の同級生なんですけど、高校2年生のときに彼のデビュー戦を応援しに行ってプロレスが大好きになったんですよ。 

武知 えぇ~! 

上野 それまでプロレスは見たこともなかったし、ゲームもしたことなかったけど「こんな面白いものがあるんだ!」と衝撃を受けて。それまでは器械体操をやってたんですけど、こんな人たちがいるなら自分ももっと鍛えないといけないと思ってトレーニングをしているうちに、「自分もプロレスをやってみたい」と思うようになって今に至ってます。だから、きっかけは高校の同級生の応援。おふたりがドラマでプロレスに出会ったのと同じぐらい特殊な状況かもしれないです。

関口 確かに、そのエピソード自体がドラマになりそうです。

──関口さんと武知さんも、高校生ぐらいの頃には今のお仕事につながる出会いがありましたか?

関口 僕の場合は、母がブラックミュージックが好きで、その流れでK-POPにもはまっていて、家で歌って踊る人のPVがずっと流れていたんですよ。僕が高校生くらいのときには母がRAIN(ピ)さんにドハマりしていて、「メンディーもダンス踊れればいいのに」みたいなことは言われていました。

上野 おおお!

関口 野球をやっていて運動神経に自信があったから、「こんなのやったらすぐできるし」って調子に乗ってたんですよね。でも、実際にダンスに触れる機会はなくて、野球を諦めて体育の先生になろうと日体大に入ったときに、何か始めたいなと思ってダンスのサークルに入ったのがきっかけです。

武知 僕は高校生のときにはもう覚悟は決まっていました。母がダンススタジオのオーナーだったので、2歳から踊っていましたし、スタジオを継ぐのか、もっと修行をしていくのかって話は、高校のときには家族としていた記憶があります。 

どの練習生よりもすぐにできるようになったメンディー&武知のすごさ

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──今回はそんなおふたりの才能がプロレスで開花したわけですが、指導をするにあたって上野選手はプレッシャーや難しさを感じましたか?

上野 僕が練習に合流する前に、すでに二人に教えていた別の選手から「すごいんだよ!」って聞かされてたんです。前にもドラマ『俺の家の話』(編註:TBS・2021年放送/DDT系列団体「ガンバレ☆プロレス」が監修に入った)で長瀬智也さんがプロレスに挑戦したんですが、そのときも「どの分野でもトップを取ってる人はすごいんだな~」ってみんなで言っていたから、今回も「どんなもんなんやろうなぁ」と道場に行ったら、マジですごかった。正直、二人に関しては経験がない人に教える感じがまったくなかったですね。受け身でもロープワークでも「こういうふうにしたらやりやすいですよ」と少しアドバイスするだけで、すぐにできちゃうんですよ。ただ、やっぱりよりレスラーに近いレベルまでやっていけば、ケガなどのリスクも上がってしまうので、どこまでやってもらうかは悩みどころでした。一緒に指導をしていた大石さん(真翔・DDT所属レスラー)がすぐにレベル上げようとするんですよね(笑)。

関口 急にスパルタになるんですよ、大石さん。 

上野 二人がなんでもできるから、「これやって! あれやって!」って楽しくなっちゃってるんですよ。そんな技、撮影でやるかどうかもわからへんのに(笑)。でも、本当にどの練習生よりもすぐにできるようになりましたよ。たぶんずっとダンスや運動をしてきたから、“体を動かす”ということをすごく理解してるんですよね。僕は日頃から若手の指導もするんですけど、「自分の教え方が悪いんかなぁ」と悩むこともあったんです。でも、お二人の指導をさせてもらって「教え方が悪いんやないんや!」と思えました(笑)。それくらいすごかったんです。

関口 うれしいです! 上野先生の教え方はめちゃめちゃわかりやすかったですよ。でも、第一印象はちょっと怖かったです(笑)。

武知 わかります!

上野 え~?

関口 だよね? それこそ事前に「(僕らが)上手い」と聞かされて来てたから「どんなもんじゃい」みたいなのがあったのかな……。大石さんは優しい人だからそういう雰囲気を出さない分、上野さんがいてくれることでちょっと緊張感が出るというか、場が締まるんですよ。 

上野 そうやったんや! 逆に、なんかちょっと申し訳ないな……。

関口 いやいや、そのおかげで早朝の練習でも眠いけどがんばろうって思えました(笑)。 

武知 僕も、はじめましてのときに「おっ、ちょっと怖い人かも」「怒られるかも」って思いました。 

上野 えー、そんなん言われたことない! でもそれって、大石さんと小嶋(編註:斗偉・DDT所属レスラー。上野と同じユニット「The37KAMIINA」所属)を見てるからですよ。あの二人はDDTのゆるキャラだから(笑)。 

武知 それはあるかもしれないです(笑)。でも、上野さんもしゃべったらめちゃめちゃ優しい方で、すごい安心しました。 

上野 僕は二人が準備でマット運動してる段階から、心で拍手してましたよ。「もうこんなにできんのや~」ってメロメロでした。 

関口 本当っすか!? 

上野 はい。でも、逆に喜んだらダメって思ってたのかもしれないです。今となっては覚えてないですけど(笑)。

ストーリーに沿ったフィニッシュホールド

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──ドラマでお二人が演じている役柄について教えてください。

関口 僕は大地大輔という役を演じていて、覆面レスラー・覆面Dでもあるんですが、本業は高校教師です。もともと陸上をやっていて、実家が引っ越し屋さんということもあり足腰や力に自信があるタイプ。役としてもプロレスは初めてなんですが、その身体能力を活かして技を仕掛けていくキャラクターです。 

 得意技は「ヤシの実ドロップキック」といって、かなりの高さを要求されました。脚本家の鈴木おさむさんからオカダカズチカさんのドロップキックの動画を見せられて「うぉ、これか……」と思ったんですけど、おさむさんをビビらせたいと思って、めっちゃ練習しましたね。あとは、「冷蔵庫スープレックス」といって、冷蔵庫のドアをバタンバタンと閉めてそのまま投げるような必殺技があるんですが、それは大地大輔の過去のエピソードと関連した動きになっていて、そのスープレックスに込める想いやどうやってその技が生まれたのか物語でも描かれているので楽しんでもらえると思います。

上野 この2つは完全にオリジナル技だと思います。名前だけじゃなくて、飛び方とかも、たぶん今のプロレスでやってる人はいないですね。

武知 僕の演じたハオウは、団体のトップレスラーなんですけど、実はとある過去があって……この先は本編をお楽しみにしていただければ!

上野 気になるなぁ~! 僕はプロレスパートだけしか知らないんで。 

武知 すいません(笑)。で、フィニッシュホールドはラリアットというか、レインメーカーですね。これもストーリーに関連した動きが描かれていくので楽しみにしていてください。

上野 ますます気になる!

──ちなみに上野選手はどんな役で出演しているんですか?

上野 僕は、メンディーさんの先輩にあたる中堅レスラー役です。 ハオウほど強いわけじゃないけど、若手の壁みたいな。

関口 ターニングポイントで、大輔が落ち込んでいるときに助けにきてくれたりするんですよ。

──いい人の役なんですね。 

上野 最初は大輔に「プロレス舐めてんの?」みたいな態度の人間だったけど、頑張ってる姿を見て感化されていくんです。そういう意味では初対面のときの僕みたいな感じかも(笑) 。

関口 確かに(笑)。 

プロレスで学んだ「感情の出し方」

──撮影前に2~3カ月ほどみっちり練習をされたと聞きました。初めて挑戦したプロレスの動きはいかがでしたか?

関口 やったことがない動きがほとんどだったので、身体に染み込むまで時間がかかったと思います。ただ「動きを目でみて自分でもやる」みたいなことは普段からやっているので、そこはダンスで学んだことが活きたかなと思います。 

武知 僕は対人での距離感を掴むのに苦労しました。ドロップキックの距離感や、ロープワークの距離感は慣れるのに時間がかかったと思います。基本的に空間のあるところで一人で踊るダンサーと違って、決められた空間で、人を相手にお互いケガをしないように気をつけながら動かなきゃいけないというのは慣れていない感覚でした。

──プロレスの精神性やメンタルはどのように理解していきましたか? 

関口 プロレスは他の格闘技と違って、ただ技を仕掛けて倒せばいいわけじゃないじゃないですか。自分が仕掛けるターンもあれば、相手の技を受けるターンもある。大石さんも上野さんも仰っていたんですが、強い選手やスター選手であればあるほど、相手の技を受けるのが上手くて、ちゃんと受けた上で会場を盛り上げるんですよね。そこに、すごくギバー(GIVER)な精神を感じました。だから「強さとは何か」みたいなことは、すごく考えましたね。ただ力があって、いろんな技ができて、かっこいいだけじゃなく、思いやりがある人が本当に強いんだろうなと思いましたし、その哲学を知って改めてプロレスって素敵だなと思いました。

武知 プロレスは二人で一つのものを作る作業なんですよね。これが、簡単そうに見えてめちゃくちゃ難しい。どっちかがミスをすれば、技の完成度が落ちたり、もちろんケガのリスクも上がるんですけど、ビタ揃えのドンピシャで技が決まると、自然と拍手が沸き起こるんですよ。これができなければプロレスじゃないだろうと僕は思ってたので、一人で走らないように常に気をつけていました。

──そういったプロレスでの経験は、ご自身のパフォーマンスにもフィードバックされそうですか?

関口 パフォーマンスだけでなく、生きていく上でやっぱりリアクションはすごく大事だなと思いましたね。技を受けたときにちゃんと痛さを表現すれば、仕掛けた側もうれしいし、見ている人にも伝わりやすいじゃないですか。会話でも、ちゃんとリアクションをとることで相手ものってきたりするので、そこはすごく勉強になりました。 

武知 僕もそういった感情的な部分で自然と影響されているのかもしれないです。最近、パフォーマンスをするときに自然と笑顔になっていたり、楽しかったら楽しいと素直に表現しているような気がして。当たり前のことですけど、今まではちょっと殻を破れていないところもあったかもなって。思い返してみると、プロレスで気持ちを出し続けていたから、ダンスのときにも素直に気持ちが表に出ちゃう場面があったなと思います。

上野 たぶん、これまでも仕事されていく中で、それぞれに気持ちの持っていき方はしっかりやられてきたと思うんです。ただ、プロレスではより感情を全面に出さないと伝わらないから、その出し方をプロレスで感じてもらえたのならうれしいですね。 

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