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TVerドラマ人気ランキング

『silent』勢い止まらず、2位争いは『PICU』が制覇! TVerドラマ人気ランキング

『silent』勢い止まらず、2位争いは『PICU』が制覇! TVerドラマ人気ランキングの画像1
フジテレビ総合エンタメメディア「フジテレビュー!!」より

 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2022年3月には月間動画再生数が歴代最高となる2.5億回を突破し、2022年7月にはアプリ累計ダウンロード数が5000万を超えるなど、もはや定番のサービスとなった。今や「見逃し配信」は当たり前となったが、やはりTVerではドラマが圧倒的に見られており、ドラマの見逃し配信需要がこのサービスを牽引していると言えるだろう。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVerの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングでの順位に対しポイントを付け、合計した結果から日刊サイゾー独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は10月15日(土)~10月21日(金)までを観測(1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェック)した結果をお伝えする。

『silent』圧倒的強さ、『親愛なる僕へ殺意をこめて』は息切れ気味か

 今回の結果は以下のとおり。

『silent』勢い止まらず、2位争いは『PICU』が制覇! TVerドラマ人気ランキングの画像2

 日曜劇場『アトムの童』を筆頭にTBSドラマもようやくスタートし始め、またランキングの顔ぶれが大きく様変わりしたが、川口春奈×目黒蓮『silent』の強さは変わらず。秋ドラマが出揃い始めたことで先週からポイントを少々落としたが、それでも2位に100ポイント以上の差を付けるという独走ぶりは変わらなかった。21日からはいよいよ令和版『クロサギ』、そして24日から長澤まさみ主演の『エルピス』が始まるのでまだ予断は許さないが、『silent』は今週もTVer総合ランキングで3位より下に下がることのない強さを見せており、お気に入り登録者数の伸びは止まらず、まもなく150万人に届きそうなところだけに、秋ドラマの『silent』天下の構図はおそらく動かないだろう。

 そして続く2位は、10月10日スタートの月9『PICU 小児集中治療室』がランクイン。土曜から集計している本ランキングの性質上、前週は途中からの集計だったために5位に留まったが、今回初の7日間フルの集計で2位に躍り出た。「次週からもっと順位を上げていくはず」と予想していたが、やはりという感じだ。『PICU』は先週も指摘したとおり、TVer総合ランキングで『silent』から首位を奪う場面もあり、トップ5滞在期間も長く、2位となったのもうなずける。

 一方、3位にランクダウンとなった『親愛なる僕へ殺意をこめて』は伸び悩みが見え始めた。先週はTVer総合ランキングで常にトップ5内にいたが、今週は10位以下に落ちる日もあったのだ。秋ドラマが続々とスタートした影響もあるだろうが、初回放送の拷問シーンのインパクトが強すぎ、視聴継続を諦めた人も少なからずいるのかもしれない。実際には第2話からはかなり穏当にはなったのだが、第3話には山田涼介演じるエイジが拷問を受けるシーンもあったので厳しいか。物語的には(原作どおりであれば)第4話以降が盛り上がりどころのはずだが……。

 なお、世帯視聴率とTVerでの動きはある程度相関関係があるものと見られ、視聴率が厳しい作品はTVerでも往々にしてそれほど回っていない傾向にある。TVerが絶好調な『silent』は世帯視聴率もわずかながら上昇傾向にあるのに対し(6.4→6.9→7.1)、TVerで息切れ気味の『しんぼく』は第2話で1ポイントも落として3.5%となっているのも留意しておきたい(4.5→3.5→3.7)。それにしても、『silent』『PICU』『しんぼく』でトップ3を占める今期のフジは強い。

 『しんぼく』同様に他の作品が始まった影響で順位を落としているのが今週5位の『ファーストペンギン!』。前週比で87ポイントも下がっている。Kis-My-Ft2・玉森裕太主演の『祈りのカルテ~研修医の謎解き診察記録~』は堅調で、ポイントもさほど下がらず4位をキープしているが、17日にスタートしたばかりの清原果耶主演『霊媒探偵・城塚翡翠』の動きも鈍く、今期も日テレドラマは苦戦を強いられる状況にあるかもしれない。

 新エントリー作品は基本的に途中からの集計となるため、本領を発揮するのは次週以降となるが、注目はTBS火曜ドラマ『君の花になる』。初回視聴率6.5%とやや厳しい出だしだったが、TVer総合ランキングでは首位も獲得しており、Twitterの世界トレンド1位となるなどネットとの相性の良さは抜群のようだ。主演の演技が悪い意味で話題になってしまったが、高橋文哉らイケメンたちがどこまで引っ張っていけるか注目だ。

 逆に配信との相性が悪いテレ朝ドラマは、岡田将生主演の『ザ・トラベルナース』がどこまで勢いを伸ばせるかがポイントになりそうだ。現時点では『相棒 season21』がまずまず健闘している印象で、『科捜研の女 2022』は厳しめの状況。TVerでは、もともと配信を意識した枠である深夜のオシドラサタデー『ボーイフレンド降臨!』のほうが上を行く可能性もありそうだ。

 次週でついに秋ドラマが出揃う。さすがに『silent』の牙城を崩す作品は現れなさそうだが、2位以下の争いは激化しそうだ。

〈前回のランキングはこちら〉

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きの男性ライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

しんじょうゆうせい

最終更新:2022/12/16 17:02
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