小室圭さんNY司法試験「合格ショック」を週刊誌はどう報じたか？

仲本工事さん、27歳年下“事実婚妻”の証言と晩年の生活

　ところで、「鬼嫁」という言葉を久しぶりに聞いた。

　新潮が報じていた元ドリフの仲本工事（享年81）と事実婚していた三代純歌（54）という女性が、仲本のカネを乱費し、部屋は散らかしっぱなしで家を出てしまって、仲本はゴミ屋敷みたいな家に放置されていると報じた。

　しかも、これが報じられたすぐ後の10月18日の午前9時過ぎに、彼女がやっているカレー屋の近くで、交通事故に遭い、翌19日、急性硬膜下血腫で亡くなってしまった。

　新潮がつけたタイトルが、「モンスター妻」。仲本の最後を看取ったのは、仲本の前妻の間にできた娘と、三代だったという。

　彼女はモンスターで鬼嫁なのか？　文春が彼女にインタビューしているが、新潮の報道を、「事実とは違う」と反論している。

　彼女によれば、新潮の記事で仲本は落ち込む純歌を「気にすることないよ。わかってる人だけがわかってくれりゃいいんだよ」となぐさめていたという。

「だけど、私も仲本さんもさすがに色々嫌になっちゃって。『もうお店も閉じて、芸能活動も辞めて、庭付きの一軒家でも探して新しい生活を2人でしよう』なんて話し合っていた。それで、（仲本の）事務所の社長にも相談に乗ってもらい、あの日も2人で今後のいろんな話を横浜の私の自宅でする予定だったんです」

　仲本は、朝9時に会いに来ることにこだわったという。

「仲本さんとは毎日のように、昼過ぎから麻雀をするために横浜の雀荘で待ち合わせをしていたので、『いつものようにお昼でいい』と言ったんです。だけど『社長からいい報告を受けて、早く会いたいから9時に行くよ』って」

　しかし、当日は仲本がいつも車を停めていた、彼女が住むマンション隣の駐車場がたまたま満車だった。そこで仲本は別の駐車場に車を停めたという。

「それで普段は近寄らないはずの、信号のない交差点を渡ろうとしてしまったんです」

　時間がもう少し遅ければ。いつもの駐車場が満車じゃなければ。私が横浜に住んでいなければ……。悔しそうな表情で純歌が続ける。

「今は寂しくて、辛くて、会いたくて。残念で仕方がないです」

　純歌が仲本と最後に会話をしたのは、事故当日の朝、6時27分にかけた電話だった。

「はいよ、じゃあね」が最後の言葉に。「二度寝しちゃだめだよ」そう語りかける純歌に、そう答えて電話を切った仲本の声は、いつもと変わらず柔らかかったという。そして、仲本は横浜に向かった。

　では、新潮が報じた、犬猫などの糞尿が鼻を衝くゴミ屋敷、彼女には男がいた、金遣いが荒かったというのは、事実なのか。

　まず、居酒屋を開いたのは、「人助けみたいなところがあったんです。会社をクビになった友達とか仕事のない芸人さんとかを集めて『みんな雇ってやるか』みたいな」（三代）

　しかし、初めてみたはいいが赤字続きで、彼女が隣でカラオケスナックを始め、トントンになるようにしていたというのだ。

「当時も今も、仲本さんの仕事はほとんどなかったので、家計は確かに火の車。でも、毎日楽しく笑って暮らしていました」（同）

　彼女は釣りにはまって、海に出るのは一緒にいる目黒より、横浜のほうが便利。そこに偶然、店のできる物件があるというので、カレー屋を開いたというのだ。

　このあたりの話は、私には理解できないのだが、次に行こう。

　彼女がいなくなってしまったことで、飼い猫や犬がオシッコをし、新聞紙を床に敷いたりしていたので、「ゴミ屋敷」のように見えたのではないかともいう。

　結婚はせず事実婚を続けていたのかということについては、仲本が昔、ある会社の社長に騙され、借金の保証人になり2億円もの借金を抱えていたので、その負債が彼女に降りかからないようにと、籍を入れなかったといっている。

　だが、一緒に暮らして10年以上になるのに、まだ事実婚なのは、やや疑問が残る。新潮に対して彼女は、「私は結婚したかった」と語っているのだから、心優しい仲本なら、借金を返済した時点で、結婚してもいいと思うのだが。

　事実婚では、遺言書でもない限り、彼女に相続の権利はない。

「もっとも、仲本には遺産の類はほとんどなく、相続できるものは残っていないようです」（事務所関係者）

　3度離婚しているため、ほとんどを元妻たちに分与したこともあり、遺産と呼べるようなものは残っていないといわれる。

　ビートルズが来日した時、前座としてドリフが出て、仲本がメインボーカルとして『のっぽのサリー』を歌った。夜8時からの全員集合は、日本中がテレビの前に釘付けになった。

　そんなメンバーの1人である仲本が、うらぶれた居酒屋兼住居に住んでいたというのは、なんだか、われわれの世代にはジンとくるものがある。

　有名でも無名でも、老いは必ず来る。古女房に邪険にされ、自分でレトルトのカレーをレンジでチンして食べる孤独めしより、離婚を重ね、最後は27歳年下の女性と暮らした仲本のほうが幸せだったのかもしれない。

　それが、たとえ鬼嫁であったとしても。