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TVerドラマ人気ランキング

『silent』圧勝! 『エルピス』『クロサギ』2位争いを制したのは…TVerドラマ人気ランキング

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『silent』フジテレビ総合エンタメメディア「フジテレビュー!!」より

 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2022年3月には月間動画再生数が歴代最高となる2.5億回を突破し、2022年7月にはアプリ累計ダウンロード数が5000万を超えるなど、もはや定番のサービスとなった。今や「見逃し配信」は当たり前となったが、やはりTVerではドラマが圧倒的に見られており、ドラマの見逃し配信需要がこのサービスを牽引していると言えるだろう。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVerの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングでの順位に対しポイントを付け、合計した結果から日刊サイゾー独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は10月29日(土)~11月4日(金)までを観測(1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェック)した結果をお伝えする。

『silent』ふたたび圧勝、2位は僅差で『エルピス』が『クロサギ』抜く

 今回の結果は以下のとおり。

『silent』圧勝! 『エルピス』『クロサギ』2位争いを制したのは…TVerドラマ人気ランキングの画像2

 独走状態となっている川口春奈×目黒蓮のフジ木曜劇場『silent』が3週間ぶりに500ポイント超えとなり、圧勝。この無双ぶりは先日書いた記事で詳しく触れたが、月曜あさに「第4話エピソード0」という短編をTVer独占で配信した影響で、TVer総合ランキングの首位をほぼ連日していたためだ。第4話そのものが、日本シリーズによる延長で放送開始が90分遅れたため、TVer視聴が増えたという要因もあるだろう。

 計測した範囲では、木曜よるのタイミングは『親愛なる僕へ殺意をこめて』に瞬間的に首位を奪われて2位に落ち込んだが、それ以外は常に1位にいるという状態が続き、本人気ランキングでも、ほぼパーフェクトといえるポイントで2位以下に大差をつけた。

 そして2位争いだが、平野紫耀主演『クロサギ』を抜いて長澤まさみ『エルピス—希望、あるいは災い—』が僅差で2位に躍り出た。『クロサギ』のポイントの落ち込みは、『silent』が前述のとおり月曜あさにTVer独占エピソードを配信したことで、今週は『クロサギ』がTVer総合ランキング首位を一度も獲れなかったことに起因する【*】。そのため次週は『クロサギ』がふたたび本人気ランキングで2位に返り咲く可能性はあるが、一方で『silent』がふたたびTVer独占エピソードの配信に踏み切れば、今回と同じ結果となる未来もあり得る。

※……これは確認するタイミングによると思われるため、「総合1位を取っていない」ことを確認することは難しく、正確性を保証するものではないことをご了承いただきたい

 『エルピス』はTVer総合ランキングで最高3位と、一度も1位・2位は獲れていないが、トップ5滞在期間が5日間あるなど根強い支持があった。第2話ではTVer配信版が、放送版に“修正”を加えられたものだったことが話題を呼び、確認のために観た人も多かったのかもしれない。
(なお、土曜から金曜までを集計している本ランキングの性質上、10月24日月曜スタートの『エルピス』は前週は7日間フルで計測できていないため、前週11位発進となっている)

 今週4位に浮上したのは吉沢亮主演のフジ月9『PICU 小児集中治療室』。先週はやや陰りが見えてきたと指摘したが、今週はTVer総合ランキングで最高2位まで到達した後の下落幅がやや緩やかになり、それでポイントが回復している。加えて、山﨑賢人主演のTBS日曜劇場『アトムの童』と本田翼主演のTBS火曜ドラマ『君の花になる』の落ち込みの影響で、『PICU』は前週7位から4位に浮上できた形だ。同様に、山田涼介主演のフジ水10『親愛なる僕へ殺意をこめて』も、ポイントは前週からまったく変動がなかったが、前週6位から今週5位へとワンランクアップすることになった。

フジドラマ絶好調、TBSは『アトムの童』『君の花になる』に陰り

 ここで明らかになったのは、フジテレビドラマの好調ぶりと、TBSドラマの苦戦だ。本人気ランキングでは今週、フジのGP帯ドラマ4作すべてがトップ5入り。TBSドラマは、3位に入った『クロサギ』のみが気を吐いている印象で、『アトムの童』『君の花になる』は落ち込みが目立つ。『アトムの童』は、前述の『silent』独走によってTVer総合ランキング首位を獲得する機会を奪われたことも大きいが、一方でトップ10滞在期間も短くなっており、息切れが早くなってきた。

 しかし、より落ち込みが顕著なのが、前週5位から今週11位までランクを落とした『君の花になる』だ。『エルピス』の登場によって前週からTVer総合ランキングでの首位が獲れなくなってきていたが、それでもトップ10滞在期間は4日あった。しかし今週は、トップ10滞在期間が2日に半減。前週は、TVer総合ランキングでの最低順位は14位だったが、今週は最低24位と、下げ幅もかなり大きくなっている。視聴率面でも右肩下がりとなっており、『君花』に視聴者離れが起こっていることが示唆される。宮野真守絡みの演出や、INIの出演など、局所的な部分では話題になるが、ストーリーそのもののつまらなさ(と矛盾の多い展開)にそっぽを向かれ始めたのかもしれない。

 苦戦といえば日テレドラマは相変わらずで、玉森裕太主演『祈りのカルテ~研修医の謎解き診察記録~』はポイントにほぼ動きがなく、8位をキープしているが、『ファーストペンギン!』『霊媒探偵・城塚翡翠』はますます低迷。特に、当初はもっとも健闘していはずの『ファーストペンギン!』はどんどんと下落幅が大きくなり、こちらもトップ10滞在期間が前週より半減。これ以上落ち込まないことを期待したいが……。

 また、配信に弱いテレ朝ドラマで唯一健闘していた岡田将生主演『ザ・トラベルナース』は、視聴率では絶好調なものの、TVerでの動きは急速に鈍ってきた。前週はTVer総合ランキングでの最低順位は15位だったが、今週は21位までダウン。トップ10滞在期間も少なくなってきている。同じ脚本家の『ドクターX』シリーズと似た構造に加え、中井貴一らの演技もあって安心して観られる作品だが、「どこかで見たような話」の再生産となっている印象も強く、そこが比較的受動的に視聴するテレビ視聴者層と、能動的に視聴するTVer視聴者層で評価が分かれるのかもしれない。

 さて今週は、一般的なクールから見ると変則的な編成なMBSドラマ特区の新作『恋と弾丸』が9位に初登場。前期の『少年のアビス』は内容の重さからかあまりTVerでも目立たなかったが、今回は人気マンガ原作のラブストーリーということで反応もいい。TVer総合ランキングでの最高位は8位に留まったが、トップ10滞在期間が5日と長く、ポイントでは最高位4位の日テレ深夜ドラマ『Sister』を上回る勢いを見せた。『恋と弾丸』も『Sister』も、『君の花になる』や『ファーストペンギン!』超えの勢いであり、今期の深夜ドラマはこの2作が配信と相性のいい作品と言えそうだ。

〈前回のランキングはこちら〉

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きの男性ライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

しんじょうゆうせい

最終更新:2022/12/16 17:08
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