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「最も総理に近い女性議員」だった高市早苗大臣がハマった“罠の戦争”の深い闇

「最も総理に近い女性議員」だった高市早苗大臣がハマった罠の戦争の深い闇の画像1
高市早苗大臣(「gettyimages」より)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 ガーシー氏や高市早苗大臣の進退問題など相変わらずの国会ですが、今、国会女子たちの関心を集めているのは、丸川珠代参議院議員の「義理チョコ」騒動です。

 報道によりますと、丸川議員がバレンタインデーにチョコレートを環境省幹部数十人(!)に贈っていたそうです。環境相を務められたこともあるので「古巣への義理」ということのようですが、現役の東京選挙区の参院議員ですから、「選挙区内での寄付行為を禁じる公職選挙法に違反する恐れ」があるそうです。

 まあ、これですぐに公選法違反で捜査とかはないと思いますが、丸川議員は「反省」されているそうで、これからは「義理チョコ」のハードルが高くなるかもしれませんね。

 何度か書かせていただいていますが、バレンタインデーには、女性議員の事務所の秘書は大きな紙袋や段ボールを抱えて、お付き合いのある男性議員の事務所へプレゼント配りをさせられます。

 呑気な話と思われるかもしれませんが、ものすごく大変です。まず事前に配布先のリストを作り、予算を立ててお店を選びます。ネットでちゃちゃっと注文したのはわかってしまうので、「あの事務所は手抜きした」と陰口を言われないように、レア感のあるお店を選びます。

 当日はお店で受け取って、お渡しする時には「その他大勢のうちの一人」とばれないように、段ボールをいったん事務所から見えない位置に置いて、「一つだけ」を持って訪問します。それだけで1日がつぶれます。

 もちろんホワイトデーのお返しをしないと「あの事務所は、お返しがなかった。ケチだね」と言われてしまうので、苦労するのは女性議員の事務所だけではないです。丸川議員の件も、お返しのための集金担当者が密告したんじゃないかと思ってます(笑)。

 ほとんどの事務所の秘書たちが理不尽な配布作業を経験していますから、廊下で大きな箱を抱えた秘書同士が目で合図して「お互い大変ですね」と頷き合っています。

 国会女子たちは、どこのお店がよかったとかダメだったとか情報交換をするのですが、最悪なのは議員が節約家(ケチともいいますね)の場合です。ある議員事務所は「ホールで買ったパイを切り分けて配る」という荒業に出たことがあります。さすがに切るのはお店に頼んだそうですが、普通は箱で持って行けば箱ごとくれると思いますよね。

 「違うんです。この中から、先生と秘書さんの分の2ピースを取ってもらいたいんです」

 こう言うのはかなり恥ずかしいですよね。パイそのものはおいしいのですが、いただきもののおすそわけじゃないんですから、これはないでしょう。これが定着すると、お皿とフォークを用意して待つ事務所も出てくるかもしれませんが、その前に永田町や霞が関では「義理チョコ文化」はなくなってほしいです。

28万の票がムダに…

 お騒がせのガーシー(本名・東谷義和)参議院議員(政治家女子48党)がついに「除名」になりましたね。議員資格を失う最も重い処分で、実に72年ぶりです。3月14日の参議院懲罰委員会で全会一致、15日の本会議で決定しました。テレビでは連日報道されているようですが、永田町ではすでに話題にもなっていません。

 国会女子たちは「自分たちが秘書をしている間に、こんな歴史的な処分を見るとは思わなかったよね」とか「当たり前の処分を決めるのに、こんなに時間がかかるんだね」とは言っています。もちろん決まるまでには税金もかかっています。

 健康に問題がないのに国会を欠席し続けるというのがどういうことなのか、処分は妥当なのか、有権者のみなさんも気にはなりますよね。そもそもガーシー氏には28万人もの有権者が投票しています。

 投票率の低下を嘆く前に「候補者」について、与野党も考えなくてはならないなとは思いました。有名なら誰でもいいというわけではないのですが、ガーシー氏の出馬も含めて最近は想定外のことが起こっていますね。

高市大臣の『罠の戦争』の結末は?

 永田町ではガーシー氏問題はとっくに終わった話ですが、高市大臣の進退については、与野党も注目しています。「総務省の内部文書は捏造」と証明するために、いろんな話が出てきてますよね。礒崎陽輔首相補佐官(当時)との面識についてもウソをついていたとして、週刊誌で「嘘つき」と大バッシングされたり、泥仕合のようになっています。

 女性議員の中で最も総理大臣に近いポジションにいたはずなのに、なぜこんなことになってしまったのでしょうか。神澤的には、「捏造」と言い切らず、まずは「きちんと調査をした上で回答します」と言うべきだったと思います。

 大先輩たちは「高市さんは放送をめぐる旧郵政省と旧通産省の戦いに巻き込まれているんだ」と言っていますが、そうだとしたら日本はまだまだ国際競争力が低いというか、発展途上国ですよね。

 「モリカケ問題」をめぐる安倍晋三総理(当時)の「私や妻が(不正に)関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」発言も引き合いに出されてしまっています。

 なんでちゃんと確認もしないで「行政文書が捏造でなかったら大臣も議員も辞める」と自ら退路を断ってしまったのか、不思議でしょうがないです。高市大臣はドラマ『罠の戦争』のような不可解な罠にはまってしまったんだと思います。ぜひ罠から抜け出して、今後もがんばっていただきたいですね。

経験20年以上の現役国会議員秘書

かみざわしま

最終更新:2023/03/20 09:00
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