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Jリーグで再燃した「秋春制」移行議論、デメリット大でも実現しそうなワケ

Getty Images

 昨年のW杯カタール大会でドイツとスペインを下して波に乗る日本サッカー界が、新たな計画を持ち出してきた。Jリーグは4月25日、春秋制(春開幕、秋閉幕)から秋春制(秋開幕、春閉幕)にシーズンを移行するプランを公表。年内にも結論を出す意向だ。

「日本では現在、春秋制ですが、ヨーロッパの主要リーグは秋春制、サッカーカレンダーでは秋春制が世界標準。日本が秋春制に移行すると、国際試合との日程調整がしやすくなること、海外移籍がスムーズになること、真夏の試合が減って選手の負担が減ることなど、さまざまなメリットがあります。

 ただデメリットも多く、積雪、観客動員の減少、暖房設備などスタジアム整備、下部組織や学校との兼ね合いなど、越えるべき課題はいくつもあります。Jリーグはメリットを提示した上で議論を進めていく考えです」(週刊誌スポーツ担当記者)

 Jリーグのプランでは、最速で2026年に秋春制に移行するとのこと。ただ、関係者の中には冷ややかな見方も少なくない。

「この議論は、それこそJリーグが始まった頃から繰り返されてきた議論です。Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏は秋春制に前のめりでしたし、06年から10年までチェアマンを務めた鬼武健二氏も秋春制に賛成派。08年には日本サッカー協会の犬飼基昭会長(当時)が『2010年から秋春制にする』と発言して喧々諤々の大論争になりました。

 コアなサッカーファンは、秋春制は歓迎かもしれません。真夏の試合は選手の足が止まり、ロングボールを蹴り合う大味な試合が多く、目の肥えた層には退屈。選手のベストなパフォーマンスを楽しむには秋春制のほうがベターでしょう。

 ただ、プレーの質が上がるだけでは客は呼べません。移行案では、シーズン開幕は7月最終週か8月第1週を想定していますが、客が一番入る夏休みの試合を減らすのは営業面で自殺行為ですし、気温が下がる冬場は明らかに観戦のハードルは上がる。冬に天気が崩れたら、いったい観客が何人入ることやら……。寒ければスタジアム滞在時間は減りますから、グッズもスタジアムグルメも売上は落ち、冷たいビールなどまったく売れないはず。ライト層はあっという間にそっぽを向くでしょう」(フリーのスポーツライター)

 全国に冷暖房完備のスタジアムはあれば問題は一挙解決だが、それは夢物語。Jリーグは今年30周年を迎え、春秋制が完全に浸透していることも見逃せない。しかし何度も頓挫した秋春制プランがまたまた持ち上がってきたことで、現場では「移行は既定路線だ」という声が飛び交っている。

「ここ10年のJリーグの最大のニュースは、DAZNの襲来。それまでJリーグの放映権は年間数十億円でしたが、DAZNは16年、10年間で2100億円というケタ外れの額で契約を結び、Jリーグに大金が転がり込みました。その後、コロナ禍での契約見直しを経て、今年3月、新たに23年から33年までの11年間で約2400億円という契約を交わしましたが、これと引き換えにDAZNが秋春制への移行を求めたのではないかと囁かれています。

 確かに秋春制を採用すれば、プロ野球との被りが少なくなりますし、冬場にスタジアムに行きたくない人がDAZNに加入する可能性は高い。そもそも日本サッカー協会の田嶋幸三会長は16年、秋春制移行を主張して会長選に出て、当選した経歴の持ち主。移行案は17年に否決されましたが、任期は来年で満了なので、何がなんでも自分が会長の内に悲願を実現させたいのでしょう」(スポーツ紙デスク)

 DAZNマネーで潤ったJリーグが、観客にカイロでも配るしかないか。

 

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

最終更新:2023/04/28 09:00
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