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TPの芸人礼賛

伊集院光を彷彿させる…サツマカワRPGの「一人喋り」ラジオが出色

伊集院光を彷彿させる…サツマカワRPGの「一人喋り」ラジオが出色の画像1
GERA公式サイトより

――お笑い大好きプロデューサー・高橋雄作(TP)が見た、芸人たちの“実像”をつづる。今回は、サツマカワRPGのラジオ『サツマカワRPGの今後いろんなお仕事をやっていく上でトークもできた方がいいと思ったのでラジオも頑張っていこうと思ったので始めることにしたラジオ』について。

 ピン芸人3人によるユニットトリオ「怪奇!YesどんぐりRPG」が勢いに乗っている。もともとはYouTubeなどで3人+ゲストが順番にギャグを披露する「プレイヤーチェンジ」が人気となり注目されたのだが、最近では7月3日放送の『アイ・アム・冒険少年』(TBS系)の人気企画「脱出島」に出演し、お茶の間にも好評を博した。さらに7月17日に行われた単独ライブ『ネタ川する康~ギャグ船来航~』はチケット約500枚が完売するなど絶好調だ。今回はその3人の中でいちばん身長が高い「サツマカワRPG」に注目したい。

 サツマカワさんは芸歴11年目のピン芸人で、『R-1グランプリ』2022・2023の2年連続ファイナリスト、さらにストイックお笑い番組『千原ジュニアの座王』(関西テレビ)で4回優勝するなど実力は折り紙つきだ。そんなサツマカワさんがお笑いラジオアプリ「GERA」でスタートさせた冠ラジオ番組が話題を呼んでいる。

 サツマカワさんは僕の中で「怪奇」や『座王』のイメージで「ギャグ芸人」「大喜利芸人」という印象が強く「一人喋り」の印象がほとんどなかった。ついでにいうとサツマカワさんのネタに「エピソードトーク途中まで」という、その名の通りエピソードトークをするけど途中で急に終了するというものがあるのも一因だと思う。それに終始ふざけていて、あまり素のおしゃべりを聴いたことがなかったし、それはランジャタイ国崎さんのように「ちゃんとすることに拒絶反応を示す人」「本番中はふざけることしかできない人」だと思っていた。

 しかし、このラジオでのサツマカワさんの一人喋りがめちゃくちゃ面白いのだ。「怪奇」や『座王』で見せる瞬発力や大喜利力を存分に発揮しつつ、ピン芸で培ってきた演技力を駆使してフリートークを展開したりリスナーをイジったりしている。僕はこの番組にプロデューサー兼話し相手として関わっているのだが、サツマカワさんのパワフルで斬新な喋り口に終始圧倒されている。

 サツマカワさんのラジオは、サツマカワさん自身がこれまでまったくラジオを聴いて来なかったというのがとんでもなくプラスに作用していて、あらゆることが常識外れで面白い。番組タイトルからして『サツマカワRPGの今後いろんなお仕事をやっていく上でトークもできた方がいいと思ったのでラジオも頑張っていこうと思ったので始めることにしたラジオ』と長すぎるし、これ自体もコロコロと変わる。番組タイトルの長さはラジオを聴いてる聴いてない以前に適切な長さがわかりそうなものだが。

 そして番組中とにかくサツマカワさんのテンションが高い。リスナーからメールで「こんにちは」ときたら120%の「こんにちは」で返すし、各コーナーのタイトルコールをするたびにお笑いライブばりに拍手をして盛り上げる。さらに番組中になんの脈絡もなく意味のないワードをタイトルコールっぽく声を張り上げ、それによって次の回にリスナーからそのコーナーのメールが勝手に届くといった具合だ、募集してないのに。

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