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『VIVANT』誤送金事件は序章に過ぎない? 乃木の「神田明神詣で」も伏線の可能性

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ドラマ公式サイトより

 堺雅人が主演を務めるTBS系日曜劇場『VIVANT(ヴィヴァン)』の第3話が7月30日に15分拡大版で放送された。誤送金事件の犯人が意外な人物の可能性が浮上するラストシーンが描かれ、さまざまな考察が飛び交っている。

 主人公の乃木憂助(堺雅人)は丸菱商事に勤める商社マン。誤送金問題を発端に砂漠の広がる「バルカ共和国」でテロリストと誤解され現地警察に追われた乃木、その乃木を「日本国のため」保護することになった警視庁公安部の捜査員・野崎守(阿部寛)、数奇な運命で行動を共にする日本人医師・柚木薫(二階堂ふみ)の3人は、バルカから日本に帰国するために「死の砂漠」を横断することに。

 第3話では、砂漠で薫が行方不明になったり、執拗に乃木たちを追う現地警察のチンギス(Barslkhagva Batbold)に追いつかれたりといった絶体絶命のピンチを切り抜け、ようやくバルカを脱出。舞台はふたたび日本へと移った。

 丸菱商事に戻った乃木は、誤送金問題について追及を受ける。社内に真犯人がいるとにらむ野崎は、警視庁サイバー対策班のホワイトハッカー・東条翔太(浜田岳)に協力を要請。東条によれば、丸菱商事の送金システムが何者かによって改ざんされたという。真犯人を暴くため東条の指示のもと、乃木と彼の同期の山本巧(迫田孝也)はサーバールームに忍び込み、データのコピーに成功。改ざんを実行した犯人を特定するため社内の防犯カメラの映像を確認すると、そこには財務部の太田梨歩(飯沼愛)の姿が。野崎は太田の緊急手配をする――というところで第3話は幕を閉じた。

 乃木をハメた“誤送金トラップ”が一般社員である太田の単独犯だったとは考えにくい。専務の長野利彦(小日向文世)、エネルギー事業部部長・宇佐美哲也(市川猿弥)、乃木の部下である水上了(古屋呂敏)の誰が協力者でもおかしくないぐらい怪しい人物だらけの丸菱商事。サーバールーム侵入に協力した山本ですら怪しい。あるいは太田が、野崎が言うところのモニター――テロ組織の協力者であるならば、黒幕は意外なところにいるかもしれない。

 乃木が何者かという最大の謎もまだまだ厚いベールに包まれているが、今回ひとつわかったことがある。中盤で“もうひとりの乃木”が姿を現したところ、乃木が「なぁ、F。この件が収まるまで出てこないでくれ、頼む」と“もうひとりの乃木”のことを「F」と呼んでいたのだ。その「F」もおそらくそのままの名前ではなく、何かの略称だろう。また、Fは「何言ってんだ。いつだって俺を呼んでいるのはお前じゃないか」と乃木の求めに応じて姿を見せていることを示唆していたが、気になるのは、第1回でザイール(Erkhembayar Ganbold)が自爆しようとした時など、乃木の絶体絶命のピンチには意外とFは姿を見せないことだ。今回もサーバールームの特別ルームで警備員に発見されそうになった際、Fがアドバイスをする描写はなく、乃木は自らの知恵で床下に潜り込んで難を逃れた。

 そんな乃木を、野崎も疑っているようだ。改めて乃木の経歴を洗い直しても、怪しいところは見当たらない。だが自衛隊の陰の諜報部隊「別班」の人間は完璧に経歴を消す。野崎は公安部部長の佐野雄太郎(坂東彌十郎)の力まで借りて、乃木と「別班」のつながりを探っていた。そして視聴者は知っている。少なくとも乃木は幼少期に国外でテロリスト絡みの何らかの事件に巻き込まれたであろうことを。「VIVANT」が「別班」を指すかはいまだ定かではないが、やはり乃木の過去は重要な要素となっていそうだ。そしてFもそこにつながるはずだ。そもそも乃木の「憂助」という名前も奇妙で、ひょっとするとFは乃木の本名のイニシャルなのかもしれない。

 第3話ではほかにも気になるシーンがあった。サーバールームでデータをコピーする情報抽出ソフトだが、第1話で乃木がGFL社の社長・アリ(山中崇)の私用携帯によく似たスマートフォンを何かの端末につないでいるような場面があったことを思い出させる。また、信心深いらしい乃木は自宅へ戻る前に「毎日欠かさず行う習慣なので」と神田明神を詣でていたが、その際に乃木が祠に視線をやる場面があり、意味深に祠が映し出されていた。乃木が「冴えない商社マン」の顔の裏で何らかの組織に属している身ならば、連絡手段として祠が使われているのではとの見方も出ている。加えて、『VIVANT』は出雲大社でも撮影が行われたことが明かされているが、謎のテロ組織「テント」が使うマークと、出雲大社の亀甲紋が似ているとの考察もあり、神田明神と出雲大社のご祭神が同一であることから関連性も疑われている。

 謎が深まるばかりの『VIVANT』だが、次回予告では「誤送金事件が完結!」としており、いよいよこの問題の謎が解き明かされることになりそうだ。と同時に「さらなる衝撃の展開」が待ち受ける様子。それはつまり、誤送金事件はほんの序章にすぎないということだろう。野崎の協力者・ドラム(富栄ドラム)が来日するあたりからして、ふたたびアクション活劇が巻き起こる可能性も。新たな章の開幕となりそうな第4話は今夜放送だ。

■番組情報
日曜劇場『VIVANT
TBS系毎週日曜21時~
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、二宮和也、井上順、林遣都、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司 ほか
プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵、橋爪佳織
原作・演出:福澤克雄
演出:宮崎陽平、加藤亜季子
脚本:八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈
音楽:千住明
製作著作:TBS
公式サイト:tbs.co.jp/VIVANT_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/08/06 12:00
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