『VIVANT』圧勝で有終の美、『最高の教師』勢い増す…TVerドラマ人気ランキング

2023/09/23 11:00

最高の教師 VIVANT トリリオンゲーム TVer 真夏のシンデレラ

『VIVANT』圧勝で有終の美、『最高の教師』勢い増す…TVerドラマ人気ランキングの画像 — ドラマ公式サイトより

　在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2023年5月には月間動画再生数が3億5877回と過去最高を更新し、7月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数（MAU）も2830万の過去最高記録に達するなど、もはや定番のサービスとなった。今や「見逃し配信」は当たり前となったが、やはりTVerではドラマが圧倒的に見られており、ドラマの見逃し配信需要がこのサービスを牽引していると言えるだろう。

　しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

　そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングでの順位に対しポイントを付け、合計した結果から日刊サイゾー独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は9月16日（土）～9月22日（金）までを観測（1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェック）した結果をお伝えする。

『VIVANT』圧勝で9連覇、『となヒミ』は7位へ上昇

　今回の結果は以下のとおり。

　すでに最終回を迎えた『CODE－願いの代償－』『シッコウ!!～犬と私と執行官～』『18／40～ふたりなら夢も恋も～』は圏外となり、大きく順位に変動がある中、不動の首位をキープしたのがTBS系日曜劇場『VIVANT（ヴィヴァン）』。17日放送の最終回視聴率は世帯19.6％、個人12.9％とさすがの反響だったが、その強さはTVerでも変わらず。今週のTVer再生数ランキング総合の推移を見ても、最低順位は6位、ほぼ常にトップ5内にいるという状態で、4日にわたってトップ3内をキープというこれまで以上の勢いを見せ、『VIVANT』は同ドラマ過去最高のポイント数で有終の美を飾った。お気に入り登録者数は、さすがに200万の大台には乗らなかったものの、最終的に190万近くにまで伸び、2位以下に大差をつけており、視聴率でも配信でも他を圧勝という、文句なき覇権ドラマとなった。

　今週2位は変わらず日本テレビ系土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』。いよいよ23日に最終回となり、第9話では鵜久森（芦田愛菜）の2度目の死の真相が明かされ、残すところは主人公である九条（松岡茉優）が「2周目」の人生を送ることになった卒業式の転落の真相のみ。競合作品が最終回を迎えた影響も大きいだろうが、盛り上がりどころできっちり好調な推移を見せ、前週より32ポイントアップ。3位の『真夏のシンデレラ』との差を広げた。このあたりはTVerお気に入り登録者数で今期ドラマ2位（131.2万／23日0時時点）の強さも発揮された形か。

　3位は先述のとおりフジ月9『真夏のシンデレラ』で、これも先週同様。視聴率的には18日放送の最終回でも世帯6.3％、全話平均5.59％で、平成以降のフジテレビ月9ドラマで歴代最低記録をたたき出してしまったが、今期の民放GP帯ドラマは全話平均6％以上の作品が5作しかなく、順位的には真ん中ぐらいに位置しており、配信が好調だったことを考えると、一部で言われるような「爆死ドラマ」ではなかったと言えるだろう。TVerお気に入り登録者数も今期ドラマ3位（116.5万／16日0時時点）だった。内容は賛否あったが、テラハ騒動をきっかけに地上波から姿を消した恋愛リアリティショー（また形を変えて地上波でも復活しつつあるが）の代替としてこの手のツッコミ系恋愛ドラマは今後増えていきそうだ。

　今週4位はTBS系金曜ドラマ『トリリオンゲーム』。当初はトップ3争いの常連だったものの、徐々に失速が目立ち始め、テレビ朝日系木曜ドラマ『ハヤブサ消防団』にその座を奪われる形でこのところは5位～7位が定位置になっていたが、14日に最終回を迎えた『ハヤブサ消防団』が伸び悩んで6位にダウンしたこともあって、久々に4位に返り咲いた。今期は『こっち向いてよ向井くん』もまだ完結していないマンガの実写化作品だったが、『向井くん』の最終回が紛糾したのに比べ、『トリリオンゲーム』はきれいにまとまった印象だ。一方、『ハヤブサ消防団』は池井戸潤の同名小説の映像化だが、原作とは違うラストにしたのに加え、カルト宗教との対立という難しい問題をあっさり解決させた展開もあって盛り上がりに欠ける最終回に。全9話という短さが惜しかった印象だった。

　『ウソ婚』やTVerオリジナルドラマ『潜入捜査官松下洸平』が先週とさほど変わらないポイントながら（最終回を迎えた競合が順位を落としたために）順位を上げた一方で、前週比43ポイントアップと大幅に勢いを取り戻したのが、今週7位の日本テレビ系金曜ドラマDEEP『癒やしのお隣さんには秘密がある』。一時的に200ポイント台に乗せたことはあったものの、基本的に150ポイント前後にとどまっていた同ドラマだが、クライマックスに近づいて盛り上がりを見せてきた。隣の部屋に越してきたハイスペックイケメンに惹かれたら、実は自分のストーカーだった……という設定の本ドラマ、15日放送の第11話では仁科（小関裕太）がストーカーになった理由がついに明かされ、ラブストーリーとしてクライマックスへと近づいている。おそらく29日放送の第13話が最終回になると見られ、ここからどこまで勢いを伸ばせるか。同枠ではすでに次回作『秘密を持った少年たち』（10月6日深夜スタート）が控えており、その宣伝番組『「秘密を持った少年たち」の秘密、お見せします－第1夜－』がTVer再生数ランキング総合トップ30に早くも入るなど、次回作の動きにも注目したい。

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