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私人逮捕系YouTuber逮捕で予測される冤罪だった被疑者たちからの集団訴訟

私人逮捕系YouTuber逮捕で予測される冤罪だった被疑者たちからの集団訴訟の画像1
「ガッツch」公式YouTubeチャンネルより

 私人逮捕の様子を動画撮影して公開するため、他人に覚醒剤の所持をそそのかしたとして、警視庁薬物銃器対策課が20日、覚醒剤取締法違反(所持)の教唆疑いで、YouTuberの中島蓮こと今野蓮容疑者と、動画の共同制作者とみられるみっちーこと奥村路丈容疑者を逮捕したことを、各メディアが報じた。

 逮捕容疑は8月11~15日、ネット掲示板などでやりとりしていた、すでに同法違反容疑で逮捕、起訴されている男にJR新宿駅前の路上に覚醒剤を持ってくるようそそのかしたとしている。

 今野容疑者らは『ガッツch(チャンネル)』と称し、いわゆる〝私人逮捕系YouTuber〟として動画投稿により広告収入を得ていたが、私人逮捕をうたうYouTuberを巡っては、『煉獄コロアキ』として活動していた杉田一明容疑者が13日、名誉毀損容疑で警視庁に逮捕されていた。

「杉田容疑者の逮捕を受けてか、数日前、『ガッツch』はすでにYouTube側から広告収益が停止されたことを動画で明らかにしている。しかし、それには懲りず、中島容疑者は活動資金を募るためにクラウドファンディングを行うことを動画で告知。すでに、過激な活動が知れ渡っていただけに、批判が殺到していた」(全国紙社会部記者)

 今回、逮捕されたような覚醒剤所持をめぐる動画はかなり異例で、中島容疑者たちが活動のテーマとして掲げていたのは「痴漢撲滅」。これまで同チャンネルには320本以上の動画がアップされているが、その大半は埼京線内で痴漢している男性を私人逮捕し警察に引き渡す動画だった。

 そして徐々に登録者が増え、逮捕時は26万人を突破。しかし、視聴回数が増え、私人逮捕が問題になり始めた先月末、駅のホームで追いかけた男性が階段から転落した動画をアップしたため、批判が殺到していた。

「捕まえた男性を恫喝しながら連行するのはまだしも、執拗に追いかけ回したり、格闘技のジムに通っているという中島容疑者が相手を投げたりマウントを取るなど、過剰な“攻撃”を加えることもあった」(同)

 ニュースサイト「FRIDAYデジタル」は、10月3日に中島容疑者のインタビュー記事を配信。中島容疑者は、《私が痴漢や盗撮犯の身柄を拘束するときは、犯罪にならないように厳密なルールを作っています》、《この活動を始める前に、法律もきちんと調べていて、違法な行為はしていないつもりです》と語っていたが、想定外の容疑で逮捕されてしまったようだ。

 とはいえ、今後、痴漢で私人逮捕した被疑者たちから“逆襲”される可能性もありそうだというのだ。

「中島容疑者たちは被疑者を警察に引き渡すところまでが仕事。そのため、被疑者が立件されて起訴されるかどうかまでは気にしていない様子だった。不起訴や処分保留になった被疑者にとっては冤罪による逮捕で少なからず生活に支障をきたす損害が出た人もいるはず。泣き寝入りしていた逮捕者たちが集まって集団訴訟を起こすことになるのでは」(全国紙司法担当記者)

 いずれにせよ、私人逮捕系YouTuberは収益の道を絶たれて撲滅されることになりそうだ。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2023/11/27 08:00
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