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日テレ系列社員によるカネをめぐる不祥事が相次いで明らかになった本当の理由

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日本テレビ

 日本テレビの系列局の日本海テレビジョン放送(鳥取市)は28日、鳥取市内で記者会見を開き、53歳の経営戦略局長が毎年恒例の看板チャリティー番組『24時間テレビ』(日本テレビ系)への寄付金など計約1118万円を着服しており、27日付で局長を懲戒解雇処分にしたことを発表した。

 同局によると、元局長は2014~23年、『24時間テレビ』に寄せられた寄付金のうち、本社内の金庫で保管していた一部を持ち出し、計約265万円を自身の口座へ入金。さらに14~21年、経理処理を偽装するなどし、会社の資金や売上金など計約854万円を着服した。

 金庫の鍵は、元局長を含めた一部の担当者で管理していたが、今月9日、同社が税務調査を受けることを知った元局長は発覚を恐れ、同社に着服を申告。これまでに約448万円を弁済しているという。

「ただでさえ年々募金総額が減り、存在意義が薄れている『24時間テレビ』だが、こんな不祥事が発覚してしまったからには募金額は激減するのではないか。追い打ちをかけるように来年以降、旧ジャニーズ事務所創業者である故ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐり、同社所属タレントをパーソナリティーに起用しない可能性も高く、視聴率も望めない」(テレビ局関係者)

 また、同日、今度は大阪の読売テレビの管理職の40代の男性社員が飲食費など約1400万円を会社に不正に請求し、懲戒解雇されたことが発覚。男性社員は、今年6月まで3年ほどにわたり、飲食費など約1400万円を、「追加演出費」などの名目で番組制作会社を通じて不正請求をしており、そのうち約870万円を現金で受け取っていたという。

 男性社員が担当する音楽番組『カミオト夜』の経費が予算を大きく上回る状態が続いていたことから、社内調査が行われ不正が発覚。これを受け、同番組の年内での休止を発表した。

「『カミオト夜』は昨年6月から放送され、歌手の西川貴教、お笑いコンビ・アキナの山名文和らが「サポーター」として出演していた。出演者たちは、自分の都合ではなく、突然番組の終了が付けられたことに動揺を隠し切れないはずだが、契約上、同局は出演者たちにほかの番組を用意しなければならない可能性もある」(同)

 いずれも、それなりの肩書を持つ男性社員の金銭絡みの不祥事が発覚してしまったが、その背景には、日テレグループの企業体質があるようだ。

「もともと日本テレビは、ここ十数年“視聴率三冠”を独占していた頃は、民放キー局の中で給与が最も高額だと言われていた。しかし、11年に亡くなった親会社的存在の読売新聞の記者出身で、日テレのドンとして君臨していた氏家齊一郎会長の『新聞よりテレビの方が給与が高いのはおかしい』という鶴の一声で大幅に給与が下がってしまった。さらに、19年頃には賞与が見直され、その後、コロナ禍で広告収入が激減。当然、系列局も日テレの影響を受けるので、大幅に給与が削られることになったが、40~50代は給与が良かった時期に入社しているので、何かと金が足りなくなったのだろう。ローカル局は社員数も少ないので、1人ひとりの責任も重くなるが、今回処分された2人は局内での“錬金術”に味をしめてしまったのだろう」(放送担当記者)

 両局が失った視聴者の信用を取り戻すのは至難の業だろう。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2023/12/05 08:00
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