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『M-1グランプリ』漫才頂上決戦を彩ってきた歴代事件簿【2008-2010】

M-1グランプリ2008完全版 ストリートから涙の全国制覇!!

【2001-2004】【2005-2007】

■2008年 第8回大会

前年、スタイリッシュ&スマートなキングコングとトータルテンボスがヤカラに蹴散らされた反動か、この年はスタイリッシュなNON STYLEが栄冠を勝ち取った。敗者復活からはオードリー。ナイツの台頭もあって、ボケの手数がどうこう競技漫才が云々とみんな言い始めるようになったのも、このころだった。この年は名言が多かったので、言葉でまとめてみる。

・「お口チャックマンか!」

前年に続いてファイナルに進出したキングコングだが、どこか浮き足立っていた印象。特に「優勝できなかったら離婚」というわけのわからない公約を掲げた梶原雄太の様子が完全におかしい。その梶原につられたか、西野亮廣が唐突に「お口チャックマンか!」と叫び、8位で大会を終えた。

だが、7回出場してすべて準決勝以上、決勝3回はM-1戦士の中でも極めて優秀なもの。漫才師としての実力は間違いないコンビだった。

・「思てたんと違ぁ~う!」

7年連続7回目のファイナルとなった笑い飯。最終の敗者復活オードリーを残して暫定席3位に陣取っていたが、そのオードリーがトップに躍り出てファーストステージ敗退という結果に。

これを受けて西田幸司がカメラを見据え、「思てたんと違ぁ~う!」と絶叫。この年、笑い飯は優勝のみならず、翌年に向けて連覇を誓っていただけに、この一言はウケにウケた。

・「(自信が)なきゃ立ってないですよ、ここに」

長く不遇の時代を過ごしてきたオードリーが、ついに敗者復活からファイナルのステージに。審査員席には恩人である渡辺正行リーダーも待っている。スーパースター誕生のお膳立ては整っていた。

キレにキレるズレ漫才でファーストステージをトップ通過して最終決戦に臨んだが、なんかちょっと違う感じのネタを選んで、3組終了時には微妙な空気に。これはNON STYLEなんじゃないかな? と若林正恭と春日俊彰を含む国民全員が感じていたタイミングで、MCの今田耕司が春日に「自信は?」と振る。

「なきゃ立ってないですよ、ここに」

重ねて言うが、おそらく春日もこのとき、敗色濃厚であることを感じていたはずだ。この翌日から今日まで、春日はスーパースターであり続けている。

■2009年 第9回大会

8年連続8回目の笑い飯がついに頂点に立つ日が来た、と誰もが思ったファーストステージだったが、結果は競技漫才の権化のようなスタイルを持ってきたパンクブーブーが「7-0」で優勝を飾った。大ブレークを経て戻ってきた南海キャンディーズが8位に沈むなど、『M-1』の厳しさを垣間見る年になった。

・史上初の連覇ならず

前年の優勝コンビ・NON STYLEが連覇を目指したが、準決勝敗退。敗者復活で9番手に登場し、最終決戦まで残ったが、優勝どころか存在感を示すことができなかった。開催前は明らかに優勝候補筆頭、NON STYLEの大会になると思われていたが、やはり『M-1』は厳しい。

・出た! 100点!

「僕も98にしようと思ったんですよ、あと困るから。でも困ってもええわってくらい感動しました」

 5番手に登場した笑い飯は「鳥人」を披露。審査員全員がこの日の最高得点を付け、島田紳助は『M-1』史上唯一となる100点を献上した。

トップバッターのナイツが634点の高得点で、しょっぱなからテンションの高い大会ではあったものの、この笑い飯の100点で最高潮に。『M-1』のスタジオは、お祭り気分一色に包まれる。しかし、その直後。

・車にひかれた子犬の話

見知らぬ少年が2人現れ、特に暗い目をした左の少年が、こんな話を始めるのである。

「今日ね……来る途中に……道で……こんくらいの子犬が……車にひかれてて……」

この少年は、明らかにスタジオの空気をリセットしようとしている。意図的に大きく間を取って、残酷極まりないエピソードを披露する。初出場、23歳、ハライチ・岩井勇気の全国デビューだった。

・チンポジ伝説 2本目の悪夢

前年、オードリーが2本目のネタ選びに失敗し、優勝を逃した。それよりさらに大きな失敗として歴史に残っているのが、笑い飯の2本目「チンポジ」である。「チンポジ」で覚えているが、見直してみたら野球のキャッチャーと審判がモメてるシーンっておもしろいよねというネタだった。途中からラグビーのゴールキックで互いにボケるネタに変わり、チンポジは最後の西田の1ボケのみだった。

優勝を告げられたパンクブーブーは茫然自失。黒瀬純は「ぜんぜん意味がわかんない」と声を絞り出し、佐藤哲夫は首を横に振り続けていた。

■2010年 第10回大会

この大会をもって、『M-1グランプリ』が終了すると告知されていた大会。9年連続9回目のファイナル出場となった笑い飯が優勝するか否か、その一点に注目が集まっていた。ファーストステージは笑い飯と、連覇を狙って敗者復活から上がってきたパンクブーブーが668点で並ぶ激戦。笑い飯が最後の『M-1』でついに優勝を果たし、有終の美を飾った。

・沖縄からすごいのが来た

沖縄出身者として初のファイナリストとなったスリムクラブ。ここ数年、4分間にいくつのボケを詰め込めるかという勝負になりつつあった『M-1』に湿った南風で風穴を開けた。

どこか悲劇を連想させる独特のワードセンスと、徹底的なスローテンポ、そして沈黙。誰も見たことのない漫才がそこにあった。そうして最終決戦に進んだスリムクラブは、もう誰もが真栄田賢のワードを待っているという確変状態に。ネタ序盤から全弾が当たる当たる。

・14本目の笑い飯

9年間で5回目の最終決戦に進んだ笑い飯。初出場から数えて、『M-1』で14本目のネタとなる。そのすべてがWボケのスタイル。第2回には1,756組だったエントリー数は、4,835組にまで膨れ上がっていた。笑い飯のネタとして特別な出来ではなかったように見えたが、ネタ後の「もう頼むわぁ~」という西田のコメントがすべてを現していた。

・4本目のパンクブーブー

このリズムでこの言葉をハメれば人は笑う、というどこか正解じみた漫才で前年優勝を果たし、この年もファーストステージでは笑い飯と並ぶトップ通過。後に『THE MANZAI』(フジテレビ系)も制したパンクブーブーの安定感は群を抜いている。だが、その不安のなさが裏目に出た。スリムクラブの何を言い出すかわからない不安感、笑い飯の2本目がややコケで今年も優勝を逃してしまうのかという不安感、その後に登場した「いつもの」パンクブーブーに票は入らず、笑い飯4票、スリムクラブ3票という結果に終わった。

結局、笑い飯が優勝したから後味がいいのか、スリムクラブという新風を勝ち切らせることができなかったから後味が悪いのか、ともあれ、『M-1』は終わりを告げる。

(文=新越谷ノリヲ/【2015-2018】へ続く

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2023/12/22 20:30
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