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山本由伸と松井裕樹に注目――サイ・ヤング賞ほかメジャータイトル、コンプリートの期待

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山本由伸(写真/Getty Imagesより)

 昨年の野球界の話題を独占したのが大谷翔平。ドジャースとの巨額契約は世界を驚かせたが、目の肥えた野球ファンが大興奮したのはホームラン王の獲得だ。すでにイチロー、松井秀喜、田中将大など、多くの日本人選手がメジャーで活躍してきたが、「日本人がパワーで戦うのは無理」というのが野球ファンの共通認識。ところが“二刀流”で全米を驚愕(きょうがく)させた男は、パワーでも頂点に立った。

「日本人がパワーで劣るのは、日本にやって来る助っ人外国人が放つホームランの飛距離を見れば一目瞭然。アレックス・カブレラ(01年より西武ほか)、タイロン・ウッズ(03年より横浜~中日)、トニ・ブランコ(09年より中日ほか)といった往年の外国人スラッガーのスイングや打球を見た野球ファンは、驚きを通り越して呆れた表情になったものでした。また、松井秀喜のメジャーの成績も日本の野球ファンはショック受けましたね。松井は2002年にシーズン50本塁打を達成し、脂が乗り切った状態でアメリカに渡ったにもかかわらず、メジャー初年度のホームラン数はわずか16本。これはフル出場した上での数字です。松井でも30本打つのがやっと(自己最多は31本)という状況に、誰もが“日本人がメジャーでHR王を取るのは無理”と思っていたのに、大谷がそれをあっさり覆したのですから、野球ファンは大いに驚いたものです」(ベテランスポーツ記者)

 日本人選手のメジャーの奮闘を振り返れば、1995年に野茂英雄が最多奪三振のタイトルを獲得したのを皮切りに、イチローがMVP(01年)、首位打者(01年、04年)、盗塁王(01年)、ダルビッシュ有が最多勝(20年)を取り、大谷はMVP(21年、23年)、本塁打王(23年)他、数々のタイトルを取った。

 こうなると、日本人が取っていないめぼしいタイトルは、最優秀防御率、サイ・ヤング賞、セーブ王、打点王などだが、今季はこれらを一気に“コンプリート”する可能性がある。投手部門の期待の星は、先日ドジャーズと12年総額3億2500万ドル(≒465億円)で契約した山本由伸と、日本を代表するクローザーで、パドレスと契約した松井裕樹だ。

「まず最優秀防御率ですが、こちらに最も近づいたのが田中将大。2016年はシーズン終盤までリーグトップでしたが、最後は0.07差でタイトルに届きませんでした。しかし今季は、ダルビッシュ、前田健太、千賀滉大、菊池雄星に加え、日本最強ピッチャーの山本、WBC戦士の今永昇太も加わります。注目はやはり山本でしょう。松坂大輔はメジャー1年目で15勝しましたし、昨年の千賀も12勝を上げているので、山本がいきなりタイトル争いに絡んでくる可能性は高い。ドジャースタジアムは投手有利の球場で知られていますし、中5日か中6日で回すプランも山本はアジャストしやすい。3年連続防御率1点台という実績を引っ提げて渡米した日本球界のエースが、最優秀防御率とサイ・ヤング賞を初年度でつかんでも何ら不思議ではありません。一方、松井裕樹にはセーブ王の期待が掛かります。日本人クローザーは過去、佐々木主浩、大塚晶文、斎藤隆、上原浩治らが活躍しましたが、いずれも最多セーブには届かずじまい。しかし松井は楽天時代、外国人選手との対戦を得意にしており、同僚にはダルビッシュもいて、いろいろとアドバイスを受けられます。松井は身長が174cmですが、最速150km/h超を誇る豪腕。メジャーで170cm台の投手は珍しく、左投げでそこまでの球威を持つ選手は他に見当たりません。さらに縦に大きく割れるスライダーもメジャーでは珍しく、1年目から十分に活躍できるはず。松井はセットアッパーでの起用になるという説もありますが、抑え続けていればチャンスはいつでも回ってくるでしょう」(週刊誌スポーツ担当記者)

 WBC戦士が次々と海を渡る事実には一抹の寂しさも感じるが、日本人がメジャーを席巻する姿は誇らしくもある。打者部門の最後の砦となる「打点王」を狙うのは、もちろんあの男だ。

「大谷は昨年、打点王争いでも好位置につけていましたが、欠場が続いたこともあり、タイトルは取り逃しました。しかし移籍したドジャーズには、メジャー最強の1・2番コンビと言われるベッツとフリーマンがおり、大谷は3番を打つ予定。打点を上げるチャンスはエンゼルスよりもはるかに高く、これはチャンスです。常勝軍団のドジャーズはポストシーズンも視野に入れて戦うため、プレーオフ進出が決まると出場機会は減るでしょうが、昨年の成績を見れば、10試合や20試合程度は休んでもタイトルを取ってしまうのが大谷の力。本人は“チームの優勝が最優先”と言うでしょうが、タイトル獲得を期待しても良いでしょう」(同上)

 そのうちメジャーで、“日本人は各球団で1人まで”というルールができる日が来るかも!?

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2024/01/10 09:00
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