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“渡り鳥”ザコシショウに聞く「芸能事務所の違いってナニ?」

taguchi_komine.jpgいまや深夜のカリスマ(?)となったハリウッド
ザコシショウ(撮影/水野嘉之)

 『あらびき団』(TBS)出演を機に、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのハリウッドザコシショウ。彼は、吉本興業、ワタナベエンターテインメント、そして現在のソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)と、3つのお笑い事務所を渡り歩いてきた苦労人だという。そこで、これまでの経験を元に、お笑い事務所のそれぞれの特色を語ってもらった。

──92年にG☆MENS(お笑いコンビ)としてデビューして以来、吉本興業に8年間在籍。その後、ワタナベエンターテインメント(以下、ナベプロ)に移籍してますよね。まず吉本をやめた理由は?

【ハリウッドザコシショウ(以下、ハ)】 当時、僕らが出ていた「心斎橋二丁目劇場」が閉鎖して、新設された「baseよしもと」が若手芸人の拠点となったんです。そこは出演する芸人を4段階にランク分けていたんですが、なんと僕らは最下位になってしまったんです(笑)。それで、自分たちのようなハミ出し者はオーディションから出なくてはいけなくて……。大阪でまたイチからスタートするのなら、東京で再出発しようと決心して、吉本をやめて東京に行くことにしたんです。
 とりあえず、ナベプロのオーディションを受けたら、たまたま受かったので、そのまま移籍という形になりました。

──実際に移籍してみて、かなり”社風”の違いがあったのでは?

【ハ】 ナベプロは、芸人といえど、服装がちゃんとしてなきゃいけない。「お前ら、顔が汚いんだから、服ぐらいきれいにしろ!」って、まずはそこから注意されましたね。

──「吉本は野放し」で「ナベプロは管理型」という感じですね。

【ハ】 さらにカルチャーショックだったのは、ナベプロは事務所内でのネタ見せがあったこと。吉本では新ネタは舞台でお客さんに初披露するんですが、ナベプロでは未完成の状態でまず事務所の人間に見てもらって、アドバイスを受けて練り上げるんです。しっかりとネタを作れるという半面、自分らしい芸風が薄れた部分もありましたね。

──ナベプロには何年在籍ですか?

【ハ】 1年8カ月くらいですね。その間にG☆MENSも解散してしまい、ピン芸人になりました。

──ナベプロをやめた理由は?

【ハ】 コンビを解散してからピン芸人として活動をし始めたわけなんですが、芸風は変えなかったんです。ところが、会社の人に「変えたほうがいい」と言われまして……。僕も若かったので「これでやっていくんだ」って感じで突っぱねたんですよ。そんなやり取りを繰り返すうちに、ちょっとお笑いから離れたいなと思って。

──一度、お笑いをやめたんですか?

【ハ】 はい、3年間ぐらい、何もしていなかったですね。芸人の道も諦めようと思って、マンガ家を目指してました(笑)。それで、描き上げた4コママンガをいくつかの出版社に持っていったんですけど、「面白くない」とか「マンガをなめんな」とか厳しいことを言われまして。それで、あらためて自分にはお笑いしかないと思ったんです。

──そこでもう一度、芸人として再出発するわけですね。

【ハ】 最初は東京吉本に入ろうと思ったんですけど、ネタ見せオーディションのときにアホみたいに人が殺到していて、すぐにあきらめました。で、ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)がお笑い部門を立ち上げたという話を聞いたので行ってみたら、僕みたいに事務所を辞めてきたという同じ境遇の芸人もいて、「これは居心地がいい(笑)」ということで決めたんです。

──SMAに入って、今までの芸風にエンジンがかかったのでは?

【ハ】 いや、逆にイチから勉強をし直したんですよ。毎週まじめにネタを作ったし、周囲のアドバイスも聞きましたね。ドサ回りのようにインディーズのライブにも出て、勉強をしました。そこで、「僕の芸風は、若い女のコ向けではなくて、サブカル的な人間だったり男臭い人たちに求められているんだな」と、やっと気づいた(笑)。吉本やナベプロ時代は、そういったインディーズのライブには出られなかったですから、SMAに移籍してそういうことがわかるようになりましたね。

──芸人が事務所を移籍することのメリット・デメリットは?

【ハ】 本来は、ずっと同じ事務所で成長していくのがベストだとは思いますけど、芸風や方向性によって、事務所に”合う・合わない”が当然ある。行き詰まったときは環境を変えることで、うまくいく場合もあると思いますね。その分、失うものも大きいですけど。

──移籍を繰り返しても芸人であろうとする姿勢が素敵です。

【ハ】 ほかの仕事でバカなことを言ったら、ただのバカでしょう。バカなことを言ってチヤホヤされるのはお笑いだけなんですよ。僕はバカなことが好きなので、好きなことをやりたいと思います。芸人を辞めようと思ったこともありますが、あきらめなくてよかったと思いますね。

──最後にあらためて、吉本、ナベプロ、SMAを一言で言い表すと?

【ハ】 吉本は「修業」、ナベプロは「調整」、SMAで「飛躍」と言わせてもらえればありがたいです!
(構成/佐藤拓也)

●ハリウッドザコシショウ
1974年、静岡県生まれ。大阪NSC11期生。陣内智則、中川家、ケンドーコバヤシらと同期。モビルスーツを着用した「ガンダム漫談」、アシュラマンに扮した「アシュラマン漫談」など、男の魂をくすぐる芸風で人気を博す。芸名は、プロレスラーの”ハリウッド”ハルク・ホーガンに由来している。

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最終更新:2018/12/10 19:26
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