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後輩が見たウンナン不仲説の真相…南原「ネタの正解は相方を笑わせること」

後輩が見たウンナン不仲説の真相…南原「ネタの正解は相方を笑わせること」の画像1
番組公式サイト」より

 みなさんは深夜のラジオ番組を聞いたことはあるだろうか? 受験勉強の合間、長距離ドライブのお供、好きな芸能人の出演、ストレス解消、日々のルーティーンなど様々な理由はあると思うが、誰しも一度は聞いたことがあるだろう。

 その番組を思い出すとあの頃の青春が蘇るという人も多いと思うが、そんな深夜ラジオの代名詞と言えばニッポン放送の「オールナイトニッポン」だ。「オールナイトニッポン」の歴史は古く、1967年10月に放送が開始され、今現在も続いている長寿番組である。月曜から土曜日の深夜帯で曜日ごとのパーソナリティが存在し、2部構成で行われていたのだが、現在は25時から27時の旧1部を「オールナイトニッポン」、27時から29時の旧2部を「オールナイトニッポン0(ZERO)」と称し、別番組となっている。

 さらに、1999年以降「オールナイトニッポン」ブランドで多くの番組が放送されており、深夜帯以外にも「オールナイトニッポン」の看板で放送している番組は多い。

 そんな「オールナイトニッポン」の強みはパーソナリティの顔ぶれだ。その時代に合った人から、長年やり続けている人、歌手や芸人、そして放送作家など、多種多様な著名人がいて、その人たちが毎週生の声を届けるのだ。面白くないわけがない。

 さらに、芸人のようにトークをするイメージがない人が意外とトークが上手く、人気パーソナリティになるのも醍醐味の一つだ。1992年から98年まで放送されていた「福山雅治」さんの放送なんて、“下ネタ”満載のコーナーだったり、“ダジャレ”をメインとしたコーナーがあったりと福山さんのイメージにはない内容で、スペシャルウィーク時には聴取率1位を獲得するほどの大人気番組となったのが良い例だ。

 今でも多ジャンルで幅広い年代のパーソナリティが揃っており、「オールナイトニッポン」というブランドが聴取者に愛されているだけではなく、パーソナリティ側のタレントや歌手、著名人たちがその価値を認めているということだろう。

 そんな「オールナイトニッポン」が放送開始55周年を記念して、2月17日の18時から2月19日の25時までの55時間ぶっ通しの特別番組「オールナイトニッポン55時間スペシャル」を放送したのだ。

 ナインティナインさんから始まり、現役パーソナリティはもちろんのこと、オールナイトニッポン初代パーソナリティの1人である斎藤安弘さんとディレクター亀渕昭信さんのコンビで爆発的人気を誇った「カメ&アンコー」の復活や、76年から83年までレギュラーでパーソナリティをしていた「タモリ」さん、今回の特番のエグゼクティブプロデューサーを務める「秋元康」さんと現役パーソナリティであり今や活躍の場を広げまくっている佐久間宜行さんがタッグを組んだり、ある意味「オールナイトニッポン」の代名詞と言っても過言ではない笑福亭鶴光師匠の番組が早朝に復活し、さんまさんの番組のゲストに笑福亭鶴瓶師匠が登場、そして最後は大人気伝説番組の「福山雅治のオールナイトニッポン」が8年ぶりに戻ってくるなど、全てを書ききるのは不可能だが、とにかく見逃せない番組が55時間目白押しであった。

 今回は、「オールナイトニッポン55時間スペシャル」で放送された番組の中から、僕が芸人時代に所属していた『マセキ芸能社』の先輩であり、大変お世話になった「ウッチャンナンチャン」さんの番組「ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン」に着目しコラムを書いていく。

 「ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン」は89年から95年までレギュラーで放送されおり、一度40周年で復活、そして今回15年ぶりに再度復活。ゲストには同じマセキ芸能社の芸人であり、旧友でもある「出川哲郎」さん、そして「ウッチャンナンチャン」のお二人からすればマセキ芸能社の後輩であり、僕からすれば直属の先輩であった「バカリズム 升野英知」さんの2人が出演した。

 みなさんは「ウッチャンナンチャン」お二人でのフリートークはイメージあるだろうか? 今や番組もバラバラに出演することが多くなってしまったので、お二人だけでフリートークするのが想像出来ない方もいるだろう。しかし、過去にTBSでやっていた「気分は上々」をはじめとする多くの冠番組で二人きりのフリートークを披露していたのだ。漫才師でも関西の人でもない「ウッチャンナンチャン」さんのフリートークは独特の面白みと漫才師に負けない小気味よいテンポ感で、我々関東の芸人にはとても勉強になっていた。しかし、ここ最近はめっきり見る機会が減ってしまったので、今回聞ける二人きりのフリートークは楽しみでしかない。

 番組は内村さんの「こんにちは! どうもお久しぶりです!」と少しワクワクしたような雰囲気の声でスタートし、すぐさま南原さんも「こんにちはお久しぶりでございます」と声を発した。スタジオ内は向かい合ってトークをしているようで、15年ぶりに正面向いて話すという行為にお二人とも照れているようだった。

 15年という月日は内村さんを老眼にしてしまい、台本資料を見るたびに老眼鏡をかけ、その老眼鏡をかけるたびに南原さんが実況するというパターンが何度か繰り返された。

 「ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン」を担当していた当時の話の中で、南原さんが「金曜日だよね? 金曜日はちょうど“やるやら”とかやってたの。で、金曜日は“ナンチャンを探せ”が入ってたの。朝から、3本くらいやって」と懐かしい思い出を話し始めたのだ。僕は元々ウンナンファンだったので、中学生くらいだった当時の記憶が蘇り、番組開始早々センチメンタルな気持ちになってしまった。上記の話に続いて

南「内村さんは何にもない日は休みなんですよ」

内「そんなことないって。俺もやるときはやってたって!」

南「で、生放送で(オールナイトニッポン)。内村さんはたっぷり寝た感じで現れて」

内「そんなことないって」

南「それで(放送している)2時間穏やか~に過ごして」

内・南(爆笑)

南「自分の話はせずに穏やか~に過ごして」

内「ははははは」

南「ははははは」

 と、番組が始まって3分くらいでお二人が楽しそうにトークし爆笑する。そして、それを聞いている僕も自然と笑っていた。いきなり全開でのフリートークが聴けて何と幸せなのだろうか。このたった3分間でお互いが照れているという現状を説明し、雰囲気を変え、さらに番組の振り返りをしながらエンジンの暖気を行い、すぐさまお互いを笑わせにかかる。ウンナンさんのフリートークのスキルの高さと、トークのテクニックを垣間見ることが出来た。

 このまま書いていると番組丸ごとレビューしてしまうので、番組を聴いた感想を書こう。

 最初に感じたのはお二人の仲の良さだ。ダウンタウンさんとは違い、「ウッチャンナンチャ ン」の2人でしている番組はほとんどない為、お二人は“不仲”なのではないかと噂される事が多いが、間違いなくそれはない。今回の番組を通してもそれを感じられるし、僕が芸人時代にお二人と直接接したことにより感じたことでもある。

 芸人時代になぜそう感じたのかは後で書くとして、まずラジオを通して感じたお二人の仲の良さから分析してみよう。他愛もない話を楽しそうに話すあの雰囲気は、まるで学生時代のファミレスのようで、15年ぶりに正面を向いて話した瞬間、お二人の感覚は「横浜放送映画専門学院」の内村光良、南原清隆に戻ったのではないだろうか。

 僕も同じ学校を卒業しているのでわかるのだが、俳優を目指して上京してきた田舎者たちは夢や希望に満ち満ちている。その反面、都会に対してのコンプレックスから、なかなか馴染むことができず孤独感に襲われる。しかし、俳優志望ならではの承認欲求の高さやプライドが邪魔して素直になれず、気が付くと田舎に帰りたいというホームシックにかかってしまう。

 しかし、ホームシックなのは自分一人ではなく周りの連中も一緒だ。芝居の話をしようという建前で夜な夜な集まり、安い酒を飲みながらああでもないこうでもないと、ほとんど経験したこともない演劇について熱く語り、気が付くと自分にとってかけがえのない仲間になっていく。さらに、演劇科は大学のように授業を選択することが出来ず、クラス全員が同じカリキュラムをこなすので、3年間朝から晩まで一緒にいるのだから絆は深まる一方だ。

 ゲストである出川さんも含めて、同じ劇団をやるくらいの深い絆はそう簡単に無くなるものでは無い。番組内で出川さんも仰っていたが、「ウッチャンナンチャン」というコンビを組むことにより、お二人の距離感が近くなりすぎて、二人でいることが気恥ずかしくなってしまい、一人ひとり番組を持っている今、あえて2人の番組を持ちたいとは言わないのだろうが、決して仲が悪くなったわけではなく、売れに売れたコンビならではの距離感なのだ。そんなコンビを組んで一生を共にしようと決意した仲の良い2人が、15年ぶりに2人で話す機会を得られたのだから、楽しくて楽しくて仕方ないはずだ。

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