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“俳優兼社長”元・光GENJI大沢樹生が語る芸能プロ経営の難しさ

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 ”目殺師”と異名をとるほどの鋭い目つきには、いささかの疲れの色が窺える。94年にジャニーズ事務所をやめて以来、大沢樹生は、試行錯誤の末、自ら芸能事務所を立ち上げ、俳優業と社長業を兼務している。現在、所属タレントは大沢自身を含め7名。ここまでの道のりには、いかなる試練、困難、苦悩があったのだろうか?

──まずは、大沢さんが社長を務めている株式会社ドリームフォープロモーションを、06年に立ち上げたきっかけについて教えてください。

【大沢樹生(以下、大沢)】 それまで大きな俳優事務所に所属していたんですが、大所帯の事務所の、いち所属俳優という立ち位置に違和感を覚えるようになったんです。やっぱり有名球団のいちプレーヤーよりも、弱小チームでもいいから自分は4番打者でいたいと思っていますので。

──事務所設立の準備には、手続きや金銭面など、どれくらいの期間・費用がかかりましたか?

【大沢】 みなさんが想像するほど大げさな準備は必要なかったですよ。とりあえずオフィスの場所を押さえて、あとはスタッフに声をかけたくらいです。スタートはワンルームマンションの一室からでしたね。

──設立から2年たちましたが、現在の売り上げと支出は?

【大沢】 ……それを言うんですか?(笑)支出は事務所の家賃とスタッフの人件費、あとは光熱費などの雑費で、それを僕の売り上げで回してる、という感じです。

──勤務するスタッフは現在何人いるんですか?

【大沢】 デスクの女性と僕の二人三脚でやっています。彼女とは、僕が12歳の頃からの長い付き合いなんです。前の前の事務所(ジャニーズ事務所)にいたときから、ずっとお世話になっています。

──芸能プロダクションに必要とされるのは、どのような人材なんでしょうか?

【大沢】 敏腕マネージャー、経理面の管理をするデスク、あとは優秀な営業ですね。

──どういったタイプのマネージャーが”敏腕”と呼ばれるようになるんですか?

【大沢】 タレントの管理が完璧であること、プロデューサー的な視点を持っていること、タレントの右腕になってくれること……いろいろですね。

──大沢さんの27年間の芸能人生の中で、そんな人を何人くらい見てきましたか?

【大沢】 ズバ抜けてすごかったのは、やっぱりジャニーさん(ジャニー喜多川氏)ですね。もちろん、メリーさん(ジャニー氏の姉である藤島メリー泰子氏)や、前の事務所でお世話になった小口さん(フロム・ファーストプロダクション初代社長の故・小口健二氏。同プロダクションには、竹中直人氏、本木雅弘氏などが所属)もすごい方でした。そのお三方は、圧倒的にすごいと思います。

●ジャニーさんとメリーさん 2人のコンビは完璧です

──その「すごさ」を具体的に教えてください。

【大沢】 ジャニーさんは、もう天才的なプロデューサーだと思います。はたから見て「こんな子が売れるのか!?」っていう子が次々と売れていく。グループに付けるネーミングセンスも独特ですしね。光GENJIだって、出たての頃は「なんだそりゃ?」ってよく言われましたよ(笑)。でも時間がたつと、その名前が必ず世間に定着するわけですから、あれはすごい。メリーさんのすごさは営業面でしょうね。とにかく、あのお2人のコンビは完璧ですよ。小口さんは役者を伸ばすことに関して妥協のない、厳しい方でした。「プロダクションというのは、あなたに対してひとつのチャンスを与えるだけで、あとはあなた次第」と、よく言われました。たくさんの俳優が小口さんを慕って、小口さんのもとに集まってきた、というのは、そういうところにも理由があると思います。僕もそのひとりでしたし。

──大沢さんご自身は、所属している後輩の若い俳優さんたちに、どういった指導をされているんですか?

【大沢】 うちに所属している役者は、僕が事務所を立ち上げるということを聞きつけて、「入れてください」と志願して来た子たちばかりなんですよ。僕がスカウトした子、発掘した子というわけではないので、「育てたい、指導したい」というよりも、「今はまず仕事をどんどん入れてあげたい」という気持ちのほうが強くあります。彼らのモチベーションを保ってあげるのも、事務所の重要な仕事のひとつですから。マネージメント料を抜けるほど、彼らの出演料も高くないですしね。だから、今は僕の売り上げで事務所経営を回さざるを得ないという状況です。いつまで続くことやら、って感じですよ(笑)。ただ37歳で事務所を立ち上げたときから、そんな1年や2年で順風満帆にいくとは思ってなかったし、今の試練は覚悟の上ですよ。

──最後にドリームフォープロモーションの、ごく近い将来の目標を教えてください。

【大沢】 会社的には、人数は少なくてもいいですから、営業、マネージメント、経理など、それぞれのセクションに担当者を割り当てられるくらいの規模にしたいですね。あとは業務内容を芸能界、芸能活動だけに依存することなく、もう少し多角的な方向に広げていきたい。去年も1本、『怪談 牡丹灯篭 もっともっと愛されたかった』という映画をプロデュース兼主演したんですけど、今は2本目のプロデュース作品を準備しています。それと、この7月からストリートスタージャパンというアパレルブランドも立ち上げました。そうやって、あちこちにいろんな種をまいて、さまざまな業界の方たちとコミュニケーションを取ることで、自分としても何かを学んでいければ、と思っています。数年後、今味わっている苦労を笑って話せるようになっていたいですね。

──それにしても、こんなにぶっちゃけて語っていただけるとは思ってもいませんでした。

【大沢】 ええ。雑誌には「大沢樹生が、のたうちまわってる」と書いておいてください(笑)。
(構成・島田文昭/写真・水野嘉之/「サイゾー」10月号より)

●おおさわ・みきお
1969年、東京都生まれ。82年、ジャニーズ事務所に入所。光GENJIのリーダーとして活躍した後、独立し、現在に至る。俳優として、数多くの映画・ドラマに出演。11月5日放送の『ケータイ捜査官7』(テレビ東京)の第30話にゲスト出演予定。ドリームフォープロモーション公式サイト<http://www.d4p.jp/>。大沢自身がプロデュースするブランドのSTREET STAR JAPAN公式サイト<http://www.d4p.jp/ssj-top.html/

日本製少年

この作品、印象深いです。

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最終更新:2008/10/18 08:00
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