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ケータイ"マンガ"ビジネスの裏【1】

市場規模500億円までに急成長中! ケータイコミックがマンガを救う?

1005_ketaicomic.jpg携帯電話の画面は、まだまだ小さいため、
作品のアイコンやマンガのタイトルも直接
的な表現のものがダウンロードされやすい
という。

 2007年頃からダウンロード数を稼ぎ始め、着実にユーザー層を獲得、一般的な認知も高まってきている携帯マンガ。急成長を遂げた09年を境に、やや成長が鈍化傾向にあるというこのジャンルだが、今でも出版界の救世主とまで言われているが――。

 読者の雑誌離れ、不況のあおりを受けての広告出稿量の減少などさまざまな要因により、近年ますます悪化の一途をたどる出版不況。特に、2月23日に発表された講談社の過去最大の赤字という決算概要は業界内外に衝撃をもたらし、出版不況がより深刻なものとなっていることを印象づけた。

 また出版科学研究所の統計によると、コミック誌は1995年を、またコミック単行本は06年をピークにそれぞれの販売額は減少傾向にある。合計販売額についても、09年は18年ぶりに2000億円を下回る1913億円にとどまり、過去最大の落ち込みを記録。これまで出版業界を牽引してきたコミック市場も縮小傾向にあることが明らかとなった。

 このようにどこを向いても悲観的なニュースばかりの出版業界だが、そんな中で唯一右肩上がり急成長を見せているのが、「ケータイコミック市場」である。


不況の中、唯一気を吐く「ケータイコミック」とは?

「ケータイコミック」とは、読んで字の通り「携帯電話で読むコミック」のことで、一般的には大容量のデータ通信が可能な第三世代以降の携帯電話にコミックの画像データをダウンロードし、1コマ単位で読み進めるというスタイルが主流である。

 携帯電話の小さな画面での表示に対する拒否反応や、すでに書店に並んでいる作品の再録ものが多いという印象から、一般的な漫画ファンにとっては手を出しづらい印象があるかもしれないが、実際には03年の登場以来急速な勢いで市場が拡大しており、世間でも徐々に認知されつつある。インプレスR&Dがまとめた「コミックビジネス調査報告書2008」によると、その市場規模は07年度でおよそ229億円ほどで、その後も成長を続けているという。また、「日経BPコンサルティング」の調査では、電子書籍市場の中で、PC向けコンテンツ市場が14%と減少している一方、携帯電話向けのコンテンツが86%と、圧倒的なシェアを保持していると指摘。日本で初めてケータイコミック事業を開始した、ビットウェイ社電子書籍本部の河田洋次郎氏は語る。

「携帯電子書籍市場の8割以上を占めるのがケータイコミック(残りの2割は、写真集や小説などのよみもの)なので、日本の電子書籍市場=ケータイコミックであるといえます。おそらく09年の時点では500億円ほどの市場に成長したのではないでしょうか。ただ09年後半頃からCPA(顧客獲得単価)の悪化からやや成長は鈍化傾向にあり、ケータイコミック市場は安定期に入り始めたともいえます。とはいえ、あと4〜5年のうちには600億円規模まで市場は成長するのではないかと予測しています」

 およそ4700億円程度ともいわれる紙媒体のコミック市場規模から考えると、すでにケータイコミック市場はその10%相当の規模にまで達している。ビットウェイ社が運営する「Handyコミック」をはじめ、「ケータイ★まんが王国」、「コミックi」など人気のサイトが次々と誕生し、新たなメディアの出現ということで、ケータイコミック市場は出版業界から高い注目を集めている。

最終更新:2010/04/18 21:00
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