日刊サイゾー トップ > 社会  > 熊害の牧場閉鎖、クマ安楽死へ

ずさん管理で死亡事故の秋田八幡平クマ牧場閉鎖 飢えたクマ30頭は結局安楽死か──?

kumaarashi0501.jpg『羆嵐』新潮文庫

 30頭近くのクマが安楽死を迎えることになるのか。あまりに惨い状況には全国から怒りの声も響いている。

 鹿角市の「秋田八幡平クマ牧場」で女性従業員がクマに襲われて死亡した事故で、経営者は牧場の閉鎖を決めた。しかし、脱走して射殺された6頭を除く27頭のクマは、今も牧場内にとどまっており、このままでは安楽死という最悪の選択もありえると牧場関係者が漏らしている。

「クマの引き取り先がなく、これまで残飯をエサとして提供していた大館市立総合病院からも5月末で打ち切りが通達されました。このままでは安楽死以外に手段がない」(同関係者)

 これには市役所などに「どうにかしてやってくれ!」と抗議の声が相次いでいるが、役所の職員も「市で引き取るわけにもいかない」と無視したままだという。

 エサを提供してきた病院関係者によると、これまで提供してきたエサは「入院患者の食事の残飯を週3回、約50キロずつ無償で渡していた」が「それでも足りているようには見えなかった」という。

「テレビや動物園で見るクマより明らかに細い。栄養失調からか、爪や歯がボロボロのクマもいた。腹が減って相当に気が立っていた感じで、あれでは人を襲っても仕方ない。もともと飼い方がずさんで以前、専門家が“無神経な飼育が原因で、冬眠できなくてノイローゼになっているクマもいる”と言ってきたこともあった。左右にずっとウロウロする行動を繰り返している変なクマもいて、本当にかわいそう」(同)

 かねてから劣悪な飼育環境が指摘されていた同牧場、周辺住民からは「仔クマの死体が無造作に捨てられたのを見た」「視察に訪れた愛護団体の関係者を追い返していた」という話も聞こえている。

 実は、こうしたクマ飼育の失敗は前例がある。

 札幌市の「定山渓クマ牧場」は2004年に閉鎖したが、いまだに引き取り手のいない10頭のクマが飼われている状態だ。

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