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今夜W杯ヨルダン戦のカギは、本田と香川の”暴走”?

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今夜W杯ヨルダン戦のカギは、本田と香川の”暴走”? – Business Journal(6月7日)

post_214_20120602.jpg「日本サッカー協会公式ウェブサイト」より

 ザッケが指示した左トライアングルの動きが的中した。

 6月3日、2014年ワールドカップ・アジア最終予選の日本対オマーン戦が埼玉スタジアム(埼玉)で行われ、日本は3対0で快勝した。

 長友(佑都、DF)がよく前へ上がって、ほとんど「3-4-3システム」のMFのポジションで攻めていたが、長友が前線まで上がった際は、ほかの選手がDFの位置まで下がって、相手のカウンターをカンペキに防いだのが大きな勝因のひとつだ。

 この試合で、ザッケローニ監督が出した強い指示は、以下のようなものであった。

「長友・香川(真司)・本田(圭佑)と、海外で名の通っている選手の左のトライアングルが、相手選手たちをうんと引きつけて、左サイドから右サイドへボールを突きさし、それを右の前田(遼一)・岡崎(慎司)という点取り屋が打て。ただし、本田はトライアングルから外れて、右で前田・岡崎とともに狙い撃ちしてもよい」

 オマーン戦で取った3点はすべてこの戦術によるもので、これだけ監督の采配が命中するのも珍しい。ザッケが、点が入るたびに大喜びしていた気持ちもわかる。

「コアな絆」が勝負を決める!

 それにつけても、思い起こすのは、前回ワールドカップ(南アフリカ大会)のカメルーン戦だ。前哨戦で2連敗していた日本が、この1勝で大きく生まれ変わった。その時の本田の1点を生みだしたのは、本田(トップ)、遠藤(保仁)・長谷部(誠。ともにトップ下)、阿部(勇樹)(アンカー)の4角形だった。

 この時は、監督の指示でなく、選手たちのアイデアと打ち合わせによるものだったらしい。これで選手も監督も自信を取り戻し、マスコミも手のひらを返したように批判をやめ、国民の期待も急上昇したのだ。

 今回のオマーン戦も、2年前のカメルーン戦も、確実に結果を出す「コアな絆」の存在が重要なことを示している。

 ビジネスにおいても、販売アップやコストダウンといった、日常業務の延長線上のようなことなら、「全員総ぐるみ」で取り組むかたちでもよいだろう。しかし、組織改革やシステム変更によって、社員全体の意識を変え、局面を打開しなければならない場合は、まずは一部の社員の間だけでも「コアな絆」をつくって、一点突破→全面展開しなければならない。

 全体が沈滞している危機の中でも、「コアな絆」さえあれば、それは乗り超えることができる。渦は一点からしか起こらないし、必ず全体に波及するからだ。

香川の後悔と反省

 今回のオマーン戦では、もうひとつ、香川のプレイと心理が注目に値する。

 ご承知のように、オマーン戦で香川は「ラストパス」「アシスト」「起点」というかたちで、全3得点に絡んでいる。監督はじめ周りがみんな褒めているのだから、胸を張ってよいのだが、彼は違う。

「ぼくの本職はそんなことでなく、点を取ること。こんな大事なゲームで1点も取れなかったことが悔しい」
「位置取りが悪い。もっとペナルティエリアに入り込まなければならない」
「積極性が足りない。もっとみんなからボールを呼び込まなければならない」

 しかし、香川が今回の得点チャンスで「ラストパス」「アシスト」「起点」ではなく、「オレが、オレが」と自分がシュートすることにこだわっていたら、3得点はなかったのかもしれない。だから、香川が抱く後悔は、「あの場合はあれでよかったとしても、あと1点、2点を自分の位置取りや呼び込みで、取るべきだった」と解釈するのが一番無難だ。

 しかし、これだけ後悔する香川の心理は、そうではなく、日頃の彼の口ぶりから推測するに以下のようなものではないかと思う。

「点取り屋は『エゴイスト』でなければならない。味方にアシストするほうが安全だが、リスクを取ってでも自分がシュートを打つ。それで嫌われてもかまわない、というくらいエゴイスティックでなければ、たくさんの点など取れるものではない。オマーン戦の3点が2点に減ってでも、自分が2点入れれば4点になった。そうでなければ、僕が僕でなくなる」
 
自己主張と協調のジレンマをどう解消するか?

 もし、香川が点取りに徹すれば、敵の守備も香川にもっと群がることになる。香川はそんな局面でもドリブルやシュートができる。一方で、香川が敵を引き付けた分、ほかのところにスペースができる。味方選手は、そのスペースを活用してシュートを打てばよいのだ。

 これをビジネスに置き換えて考えてみよう。日本のビジネスでは、協調が強調されすぎる。だから突っ張ったアイデアが出ず、アメリカのように革命的な新製品や事業分野が出てこない。もっと香川のように「位置取り」や「呼び込み」をして、「ホンネで意見を言い合う」べきだ。そのようにして個性と創造性を発揮すべきである。そのほうが周りのチャンスも増えるし、全体の成果が上がる。

 香川のように、「協調は自己主張のためにある」というくらいに考えなければ、日本のビジネスマンと企業に明日はない。彼が世界に雄飛するのは、優しさとともに持つ、強烈な個性なのだ。

ヨルダン戦、監督の采配からどれだけはみ出るか?
 
 さあ、8日(金)のヨルダン戦――長友・香川・本田の左トライアングルが、ヨルダンに研究され尽くしていることが予想されるが、どうするか? いずれにせよ、彼らのフォーメーションを3角形で見ることから始めたい。しかし、それでも本田が右サイドに開いたままであった時が多かったように、香川がどのようにペナルティエリアに入り込んで粘るかが興味の焦点だろう。

 香川と本田のラインが、香川が所属のドルトムントでは、トップ下(本田のポジション)にいただけに、まだしっかり連結されていない。このコンビがどのように結ばれて、どちらが得点するのか?――これがまたゾクゾクするほどおもしろい。2人とも本性はかなり重症のエゴイストだからだ。

 すべて監督が考えるトライアングルの枠のなかでプレイしていても、おもしろいはずがなく、そこから少しでもはみ出すべきだ。特に香川は、本田をあの傲慢なウェン・ルーニー(イングランド代表選手)に見立てて、駆け引きの練習をすればいい。

 それに、ビジネスでもいえることだが、上司の指示どおりに動くだけではいけない。メンバーと”コアな絆”を築きながら、「ちょっとやりすぎる」「はみ出る」ことが、自分の仕事を面白くし、組織で成果を上げることにつながり、結果として部長を喜ばせることになる。

 遠藤は、香川の上記のような心理を読み切って、おそらくトライアングルを意識するよりも、香川個人に見事なラストパスを供給することに集中するだろう。そのことで、必ず香川が1点はとるというイメージを描いているだろう。
(文=大西 宏/コンサルタント、ビジネス作家)

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最終更新:2012/06/08 07:00
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