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ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第2回

iPhone 5からGoogleマップがなくなったワケと対処法

iphonemap04.jpgiPhone 5でもGoogleマップが活用できる!?

 先月発売され、大ヒット中のiPhone 5。搭載されているiOS 6では、マップアプリが変更された。従来はGoogleマップだったのだが、Appleのオリジナルマップになったのだ。iPhone 5やiOS 6はすこぶる評判がいいのだが、マップアプリだけは大不評。地図データはすかすかだし、地名や駅名などが変な名称になっていたりと、Googleマップと比べると精度が大幅に劣っているのだ。日本でiPhoneを発売しているauとソフトバンクには苦情が殺到したようだが、これはApple側の問題だ。

 アップルの開発者会議「WWDC 2012」でiPhone 5が発表された時のプレゼンを見ていたのだが、その時はGoogleマップのような画像ではなく、ベクタデータを使った新しいシステムのマップに進化したように聞こえた。3D表示や音声案内が可能なナビ機能など、Googleマップではできない機能を実現したように見えたのだ。

iphonemap.jpgiOS 6のマップアプリ(左)、モバイルGoogleマップ(右)で
JR五反田駅周辺を表示したところ。

 だが、現実は違った。あまりに新しいマップへの苦情が多いため、Appleの最高経営責任者(CEO)であるティム・クックは、ホームページ上に謝罪文を公開。しかも、「地図マピオン」や「地図 Yahoo!ロコ」などのアプリをダウンロードしたり、Googleマップのウェブサイトを利用することを推奨している。これは、Appleに限らず異例のことだ。

 すると、気になるのはAppleがGoogleマップを外した理由だ。公式には一切発表されていないが、バックグラウンドを探ると状況が見えてくる。Appleの時価総額は6,230億ドル(約49兆5000億円)という莫大なものになった。当然、将来のことも考える。今はiPhoneが大ブレイクしているが、近いうちに飽和して頭打ちになることは間違いない。その時、ソフトやサービスで儲けていかなければならない。アプリや音楽の環境はがっちり固めたが、Googleのサービスを使っている限り、地図や動画(YouTube)からは一切収益が上がらないのが悩みどころ。いつかは自前でサービスを持ち、収益につながるようにする必要がある。そこで、3年ほど前からいくつもの地図関連企業を買収し、準備を進めてきた。

 2011年初めに、GoogleはGoogle Maps APIの有料化を発表した。これは、Googleマップのデータを利用するアプリやサービスの提供者に課金するということ。そのため、Foursquareのような有名サービスはGoogleマップを使わなくなった。また、あるニュースサイトでは、AppleがGoogleマップの音声ナビ機能を求めたのに提供してもらえなかったことが原因、という報道もあった。

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