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昼間たかしの100人にしかわからない本千冊 11冊目

グラビアはどうでもいいけど、物の値段の変化にゾクゾクする!「GORO」1984年9月27日号

hiruma1000_11_01.jpg『GORO』1984年8月27日号(小学館)

 本棚を探っていて、「なんでこの号を買ったんだろうか?」と記憶をたどってみて思い出した。戸川純のセクシーショットグラビアが掲載されているからだった。大学生の頃から遅れてきた世代だったことを思い出すと、胸が痛くなるよ……(なお、この号にはデビューしたばかりの故・戸川京子も掲載されておりマス)。
 
 こうした雑誌を書店やヤフオクで買い集めようとすると、ネックになるのはグラビアページである。この号もグラビアの希少性ゆえに、えらい値段がした記憶がある。だが、いまや貴重なのは、グラビアよりもさまざまな広告とモノクロ記事にほかならない。

 まずページをめくっていくと飛び込んでくるのは、パイオニアのCDコンポの広告である。時代的に、ミニコンポと呼ばれるジャンルが流行し始めた頃だが、パイオニアが売り出していたのが。ここに掲載されている「プライベート」シリーズであった。当時のミニコンポは、CDプレイヤー、ダブルカセットデッキ、チューナー、レコードプレイヤーなど、必要なものを予算と相談して購入する構成である。組み合わせの参考例として掲載されているのはアンプとプログラムチューナー、ダブルカセットデッキ、スピーカーシステムの組み合わせ。これでしめて22万9800円である。高い! 高いのだけれど、これだとCDデッキが付属していない。なので、その値段はというと、8万9000円である。さらに、当時誰もが大量に持っていたであろうレコードも再生できるようにしようとすれば、プラスで3万8000円となる。

hiruma1000_11_02.jpg今見ると、一周回ってデザインがカッコイイ!
この後、90年代は金色の製品が流行したの覚えている人はいるかな?
(画像をクリックすると拡大されます)

 CDデッキだけで、パソコンがモニタ付属で購入できる値段である。というか、フルセットと同じカネを出せば、アップルストアでMacBook Airをフルカスタマイズで購入して、iPhoneとかiPadまで買ってもお釣りがくるではないか。物って安くなったんだな……と感じるよりほかない。

 何より注目したいのは、この広告ページの文章である。引用してみよう。

1肩をよせながら、コンパクトディスクプレーヤーを
2手をにぎりながら、ダブルカセットデッキを
3好きだとささやきながら、プログラムチューナーを
4抱きしめながら、フルオートプレーヤーを
5キスしながら、プリメインアンプのボリウムを

……手元の集中ワイヤレスリモコンでできるというのが、ウリなのである。ここで気づかされるのは、まず音楽はカップルで聞くものという概念である。最近、大学生とかに話を聞いてみると、まず家にCDコンポがないのは当たり前。CDはパソコンで再生するもの、音楽はパソコンか携帯プレイヤーで聞くものになっている。“女のコを部屋まで連れ込めたら、まずは音楽スタート!”が、すでに過去のセオリーになってしまっているのだ。最近の若いカップルって、部屋に連れ込めたら、何から始めるのがセオリーなんだろうか……。

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