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「エログロ」をキーワードにたどり着こう! 国立国会図書館のデジタル化資料にはエロ本がいっぱい!

iaqgfrl.jpg「国立国会図書館―National Diet Library」

 国がエッチな本を無料配布してくれた? 文化庁が2月1日~3月3日まで行った電子書籍の無料配信実験「文化庁eBooksプロジェクト」で配信された13の電子書籍の中で、ダントツのダウンロード数を記録したのが、酒井潔の『エロエロ草子』だったのだ。総ダウンロード数は1万1,749。

 この本、1930年に出版が予定されるも、検閲のあった当時、発禁とされてしまったエロ本。もちろん、今の感覚からすれば艶笑話のレベルなのだが、タイトルのインパクトが強すぎる! この効果で話題にもなり、文化庁としてはホクホクだ。しかし、今回の配信の元データとなった国立国会図書館のデジタル化資料には、もっとエロエロ風味な本があるのを、ご存じだろうか……。

 建前上は、日本国内で発行されたすべての出版物を蔵書とする国立国会図書館。多くの貴重な本や新聞が閲覧できる図書館である。ただ、年月を経たものは紙が劣化して、ページをめくるだけでも傷んでしまうものも……。そこで、利用と保存の両立を図るために、多くの資料は媒体変換した上で提供されている。かつては、マイクロフィルム化が行われていたが、2009年以降はデジタル化が実施されている。これに伴って、一部の資料はインターネットで、誰でもいつでも閲覧できるようになったのだ。

 インターネットで閲覧可能なのは、1968年までに受け入れた戦前・戦後期に刊行された図書などのうち、著作権処理済みの約34万点だ。当然『エロエロ草子』ほど露骨ではないにしても、まだまだエッチな本は山のようにあるに違いない! というわけで、検索キーワードを打ち込んでエッチな本を探してみることに。

 ……出るわ出るわ。戦前期の表現である「エログロ」をキーワードに絞り込んでいったら、次々と扇情的なタイトルの本が出てくるではないか。

 まず、おおっ! と思ったのは、尖端軟派文学研究会編『エロ戦線異状あり : 女給の内幕バクロ』。1930(昭和5)年に出版された「尖端エロ叢書」の一冊だ。ううむ「尖端」の語が既に扇情的な匂いをさせているではないか。

「絹子は、かう言って、○○○○○○○○○○なるものの、説明を加へた」

 とか、エロ用語に対する検閲の後も見え隠れする本書で描かれるのは、女給と客の駆け引きの話。「内幕バクロ」とタイトルに記しているくらいだから、実話をもとにした小説なのか。ただ、ハァハァできるかといえば、まったく興奮できない……。

「じや、頭を下げなさい」
「これでいいかい」
「次にキツスして頂戴」
「とても急テンポだね」
「あたり前だわ」

 といった具合なんだから。エロ以前に、なんだかライトノベルを読んでいるような気分に。

 続いて読んでみたのは、赤木妖三著『エロ・グロ・表現考』1931年の本である。この本は、巻頭に当時としてはギリギリなヌード写真もあって、かなり期待できそうな本。

 著者の赤木氏は、冒頭で「如何なる時代に於ても、人間の生活にはエロなりグロなりの趣味傾向が何れかの形式に依って必ず表現されているものである」と語り、様々な文化に潜むエログロについて語り尽くしていくのである。芸術とか、映画演劇にエログロの要素が潜んでいると語る本かと思っていたら、それだけじゃなかった。赤木氏はバナナやアスパラガスにタマゴや、チョコレートなど「近代人の食物は性欲増進が先づ第一の条件」となっていると語るのだ。

 さらに、野球やラグビー、ゴルフに至るまでスポーツにも「多少のエロ感を認めぬものはない」と主張するのである。この赤木妖三という人物は、ほかにも『性画の研究』という本が国会図書館所蔵になっているのだが、いったい、どんな人物だったんだろうか……謎だ。

 1933年発行の武内真澄著『実話ビルディング : 猟奇近代相』という本は強烈だ。恋愛絡みのスキャンダルとか心中事件やグロ犯罪をまとめた本なのだが、各章のタイトルがいちいち強烈である。

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