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ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第16回

情弱ホイホイにご用心! ネット上のウソを見抜くテクニックとは?

zeijyaku0501.jpgくだんのYouTube動画。

 ネット上は欺瞞に満ちている。

 「ウソをウソと見抜けないと(2ちゃんねるを使うのは)難しい」。これは、2ちゃんねるの元管理人・西村博之氏の言葉だが、今の時代、SNSやTwitter、ブログにまで当てはまる箴言(しんげん)と言える。単に間違った情報を得てしまうだけならともかく、シェアして拡散したり、偏った意見に同調して知人に迷惑をかけるという実害も出る。ネットのウソを見抜き、正確な情報だけを効率よく得ることは、意外と難しい。


 ネット上のウソは、ありとあらゆるところで問題を引き起こす。例えば、先日アメリカのボストンでテロが起きた際、とんでもない動画がYouTubeに投稿された。「テロを祝福する在日米軍は不要」といった内容の英語のメッセージで、プロフィールには「I am JAPANESE」と書かれていた。テロで死傷者が出ているところに、政治を絡めてあおり立てるのは最悪だ。これを日本人の投稿と受け取ったアメリカ人がいるなら、ひどい反感を持つに違いない。しかし、うかつに真に受けず、ちょっと調べると何か変だということがわかる。投稿者のアイコンは韓国国旗にも使われている太極マークで、過去の投稿はすさまじい反日コメントだらけ。突如として日本人を装った投稿を行ったのは、動画を見た人に日本を攻撃させることが目的だとわかる。当然のように炎上したので動画は削除されたが、著作権侵害の申し立てをしたのは「kim min songさん」。ここまでくれば、日本に反感を持つことはないだろう。

 これは日本人にとってはわかりやすい事例だが、通常はブログやTwitter、SNSなどで目にした情報が自分の琴線に触れると、真実かどうかのジャッジを行わず、良かれ悪かれ過剰反応してしまう。「イイ話をシェアする情弱が急増中 SNSで感動話を創作して「いいね!」を稼ぐ輩たち」(https://www.cyzo.com/2013/04/post_12968.html)でも触れたように、創作話に飛びついて、このいい話をシェアする自分ってなんてセンスがいいのでしょう、と情弱ぶりを晒している人たちも増えている。URLの転送先がアフィブログで、金儲けのコマにされているのに気がつかないのだ。「いいね!」やフォロワーを集めてから、突然内容を変えて怪しい商材を売ったり、偏向メッセージの発信をし始めるケースもある。

 自分が共感できる意見だとしても、他人に発信する前には真偽を確認すること。ものすごく反感を覚える意見だとしても、すぐには反論しないこと。その人を貶めるために、逆の立場の人が偽装している可能性も高いのだ。耳に優しい情報だけを流動食のように摂取するのではなく、検索してウラを取り、正確な情報を得るようにしたい。Googleで検索するテクニックはみんな持っているはずだし、ネットにはすべての情報がある。ウソをウソと見抜くのは技術の有無ではなく、心がけの問題。とはいえ、すべてを疑って陰謀論にハマってしまうのもまた情弱。情報の流れの中道に立ち、真実を手にしてほしい。
(文=柳谷智宣)

最終更新:2013/05/05 11:00
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