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ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第8回

エロサイトの「いいね!」を全世界に大公開 自分の性的嗜好がダダ漏れに!?

facebookiine.jpgFacebook

 アダルトサイトを閲覧していたら、上司から電話がかかってくる。仕事で使っているアカウントなのに、エロ動画の「いいね!」をバンバン投稿しているとのこと。そんなことをした覚えはないが、念のためFacebookを開いてみると、先ほど見ていた動画に片っ端から「いいね!」が付いている。顔面蒼白になりながら削除したものの、時すでに遅し……

 こんな戦慄の事件が起きている。想像だにしたくないが、これはFacebookのお話。アダルトサイトの動画再生ボタンが、Facebookの「いいね!」と連動しているのが原因だ。悪質なことに、この「いいね!」ボタンは透明化されており、ユーザーには見えない。次々とお気に入りの動画を再生したら、そのたびに自分の性的嗜好が、彼女、友人、上司、家族などに筒抜けになってしまうのだ。

 これはクリックジャギングと呼ばれる行為で、アダルトサイト側にとっては「いいね!」を集めることによって、さらにユーザーを集めてページビューを伸ばすことができる。この問題が怖いのは、実際にアダルトコンテンツを見ていなくても引っ掛かりかねない、ということ。「いいね!」ボタンのリンク先URLは指定できるため、一見関係ないサイトからアダルトサイトへ「いいね!」させることもできるのだ。

 一度ウォールに投稿されたら一巻の終わり。Facebookで釈明しようと、本当に仲のよい一部の人たちしか信じてくれないだろう。特に変わった嗜好の場合は、女性から総スカンを食らいかねない。海外サイトからその手のページを見つけてきて友人にメールし、罠を仕掛けるといったいたずらも可能なわけだ。

 痴漢えん罪と同様、自分の身は自分で守るしかない。そのような事態に遭わないように対策を立てることが重要なのだ。まず、「いいね!」をクリックしても、そのブラウザでFacebookにログインしていなければ自動投稿はされない。そのため、Facebookを利用したら、必ずログオフするクセを付けると効果的だ。「いいね!」をつけたページを公開せず、自分のみが閲覧できるようにしてもいいだろう。実にいやらしいことに、この設定がとても深いところに隠されており、通常は見つけられないのだ。

 まず、Facebookにログインしたら、自分のユーザー名をクリック。「基本データを編集」をクリックし、画面が切り替わったらもう一度「基本データ」をクリックする。「いいね!」を開き、「お気に入り」の横にある「編集」をクリック。下の方にスクロールし、「あなたが「いいね!」しているほかのFacebookページ」の横にある▼マークをクリック。ここで「自分のみ」を選択すればいい。

 しかし今後、Google+やTwitterなどで同様の行為が行われるかもしれない。とはいえ、すべてのSNSをいちいちログオフするのは手間がかかるので、できれば閲覧するブラウザを分けたいところだ。ビジネスやSNSではInternetExplorer、怪しいサイトはFirefoxといった具合だ。そうすれば、万一偽の「いいね!」をクリックしても被害はない。今後は、ブラウザの二刀流が常識となるだろう。
(文=柳谷智宣)

「賢いネットの歩き方」過去記事はこちらから

最終更新:2013/01/04 12:24
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