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“北海道が生んだ大スター”大泉洋のハマリ役『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』

tantei.jpg(C)2013『探偵はBARにいる2』製作委員会

 今週紹介する新作映画は、難事件を追う探偵が主人公の邦画と、詐欺を仕掛ける即席コンビを描く洋画、共に犯罪にからむ筋立てだが、コミカルなタッチで気軽に鑑賞できる娯楽作2本だ。

 5月11日公開の『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』は、東直己の小説『ススキノ探偵シリーズ』を原作とし、大泉洋主演で映画化した『探偵はBARにいる』(11)のシリーズ第2作。札幌の歓楽街ススキノを拠点とする探偵(大泉)は、友人だったオカマのマサコちゃん(ゴリ)を殺人事件で失い、相棒兼運転手の高田(松田龍平)と共に調査に乗り出す。警察の捜査がはかどらないのは、カリスマ政治家・橡脇(渡部篤郎)の力が働いているせいらしい。調査の途上、マサコちゃんと交流があった美人バイオリニストの弓子(尾野真千子)が現れ、探偵に犯人を捕まえるよう依頼する。

 いまや北海道出身のスターとしてすっかり認知された大泉洋にとって、『ススキノ探偵』はまさにハマリ役。札幌のススキノをはじめ大通公園や大倉山ジャンプ競技場、室蘭の鉄鋼工場群やさびれた商店街など、北海道の現状が刻まれたロケーションを背景に、トボけたキャラを保ちつつカーチェイスや銃撃戦といった派手なアクションも熱く演じきった。マイペースだが頼れる相棒役、松田龍平とのコンビネーションも健在で、尾野真千子を交えたオンボロ車での珍道中もいい。意外な事件の真相や、切なくもスリリングなクライマックスなど、最後までしっかり楽しませてくれる充実の内容だ。

 5月17日に封切られる『モネ・ゲーム』は、コリン・ファースとキャメロン・ディアスが初共演した犯罪コメディ。美術鑑定士のハリー(ファース)は、モネの名画「積みわら」の贋作を用意し、詐欺をもくろむ。テキサスのカウガールPJ(ディアス)を絵画の所有者に仕立て、英国のメディア王シャバンダー(アラン・リックマン)から15億円をだまし取ろうとするが、天然なPJのせいで計画は思いもよらぬ方向へ。果たしてハリーは大金を手にすることができるのか……。

 67年に公開された『泥棒貴族』を元に、『ノーカントリー』(07)のジョエル&イーサン・コーエン兄弟が脚本を担当した。監督は『終着駅 トルストイ最後の旅』(10)のマイケル・ホフマン。『英国王のスピーチ』(10)でアカデミー主演男優賞を受賞した名優ファースが、ある事情でスーツのズボンを失いパンツ姿で名門ホテルをうろつくほか、ディアス、リックマンら共演スターたちも文字通り“一肌脱いで”笑いを誘う。英国紳士とテキサス娘の迷コンビをはじめ、文化的・経済的ギャップのネタが要所でアクセントになり、軽妙なストーリーにシニカルな視点を添えている。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』作品情報
<http://eiga.com/movie/77702/>

『モネ・ゲーム』作品情報
<http://eiga.com/movie/58010/>

最終更新:2013/05/11 18:00
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