日刊サイゾー トップ > 社会  > 【論点整理】2013年児童ポルノ法改定案は、何が問題なのか

【論点整理】2013年児童ポルノ法改定案は、何が問題なのか

jipoposter0621.jpg

 「表現の自由」をめぐって注目された、児童ポルノ法改定問題。今年4月から自民党を中心に進められた規制を強化する形での改定案は、多くの人々の働きかけによって、どうにか国会会期末まで審議されることもないまま終わりを迎えそうだ。

 だが、夏の参院選で与党優勢が伝えられる中、再び改定案が浮上すれば、あっという間に成立してしまう可能性もある。

 そこで、今回はあらためて改定案の問題点を整理してみたい。

 今回の改定案は、2009年に自民・公明両党が提出したものと大差はない。そこで挙げられる問題点は、大きく3つに分かれる。

1:単純所持の禁止

第六条二項を新設
何人も、みだりに、児童ポルノを所持し、又は第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管してはならない。(罰則なし)

 単純所持を禁止する国では、冤罪の発生が相次いでいる。アメリカのコネチカット州では、離婚裁判中の妻が夫のノートPCに児童ポルノを仕込むという事件が発生(アクセス時間に夫が旅行中だったため、すぐに冤罪が発覚)。また、家族の写真を現像に出した際に、自分の娘の裸が写っていたため通報されるという、冗談のような事件は無数に発生している。イギリスでは、反戦運動のシンボル的存在だったロックバンド「Massive Attack」のメンバー・3Dが、イラク戦争の直前に児童ポルノ閲覧の容疑で逮捕され、後に証拠不十分で釈放という事件もあり、新たな予防拘禁の手段としても使われている可能性が高い。

 日本でも児童ポルノ法第二条のあいまいな定義が覆されない以上は、同様の事例が起こることが懸念される。

123
ページ上部へ戻る
トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

水原解雇に間に合わなかった週刊誌スクープ

今週の注目記事・1「水原一平“賭博解雇”『疑...…
写真
イチオシ記事

さや香、今年の『M-1』への出場を示唆

 21日、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「賞レース2本目やっちまった芸人」の完結編が放送された。この企画は、『M-1グランプリ』(同)、『キ...…
写真