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【論点整理】2013年児童ポルノ法改定案は、何が問題なのか

2:漫画・アニメ規制のための調査研究

附則の第二条の新設
政府は、漫画、アニメーション、コンピュータを利用して作成された映像、外見上児童の姿態であると認められる児童以外の者の姿態を描写した写真等であって児童ポルノに類するもの(次項において「児童ポルノに類する漫画等」という)と児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を推進するとともに、インターネットを利用した児童ポルノに係る情報の閲覧等を制限するための措置(次項において「インターネットによる閲覧の制限」という)に関する技術の開発促進について十分な配慮をするものとする。

2 児童ポルノに類する漫画等の規制及びインターネットによる閲覧の制限については、この法律の施行後三年を目途として、前項に規定する調査研究及び技術の開発の状況等を勘案しつつ検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

 一部の国では漫画・アニメも「児童ポルノ」と判断され、有罪判決を受ける事例がある。代表的な事例は、スウェーデンの漫画翻訳家であるシモン・ルンドストローム氏の事件である。

 ルンドストローム氏は、離婚した元妻と親権を争う裁判を行っていたのだが、その過程で元妻が裁判を有利に進めるためか、彼を「幼児性愛者である」と警察に通報。家宅捜索の結果、パソコンに保存されていたネットから拾った日本人が作成したとおぼしきイラストが「児童ポルノ」であるとされ、逮捕。一審・二審では有罪を宣告され罰金刑となったが昨年、スウェーデン最高裁は「(問題となった39点のイラストのうち)1枚はリアルに描かれているため、有罪になる可能性も考えられる」としながらも、「犯罪として成立し得るものではない」と、無罪判決を下した。この過程では、スウェーデン警察の児童ポルノ担当者が同地の新聞に「実際に性的虐待などの被害を受けている児童がいる中で、漫画を取り締まっている場合でない」と発言するなど、スウェーデン国内では大きな議論を呼び起こした。

 また、裁判の過程でルンドストローム氏は出版社から仕事を切られるなど、実害も受けている。

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