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“性都”崩壊の危機

経済破綻の引き金に? 売春一斉取り締まりの広東省東莞市で、失業者と人手不足が同時に進行中!

china026.jpgイメージ画像 photo by Chris from flickr.

 2月9日、広東省東莞市で、警察当局によるまれに見る規模の売春一斉取り締まりが行われた。同市では、香港や台湾系工場の単身赴任者や出張者向けに、性産業が発展。「性都」または「性事の中心」などと呼ばれ、その経済規模は、同市の総生産の7分の1を占める、8,500億円にも上るといわれている。


 動員された警察官は6,000人以上、摘発された売春業者は300以上に上った。また、地元メディアによると、この大捕り物から10日余りの間に、数十万人ともいわれる風俗嬢が同市から転出したとされる。

 この街の“主役”を失った同市は、文字通りの閑古鳥。経済的ダメージも大きく、失業者が続出しているという。

「洋服店やネイルサロン、美容院など、風俗嬢の御用達だった店は、顧客を失って軒並み閉店しています。また、売春目当ての男性旅行者もいなくなり、彼らをターゲットにしていたホテルや飲食店、バーもリストラを進めている。こうした中、うちの工場が外壁に張り出す求人広告に群がる求職者が、以前より増えています」(日系工場駐在員)

 しかしその一方では、人手不足も同時進行しているという。

「一斉摘発直後、うちの若い女性のワーカーさんが何人も突然行方不明になった。実は彼女たちは、風俗嬢やホステスなど、夜のバイトを掛け持ちしていたようなんです。正直、うちの給与だけでは仕送りにも事欠くでしょうから、気持ちは分かります。工場勤務と夜の仕事を掛け持ちする女の子は意外に多く、同様の現象はほかの工場でも起きているよう。かといって、昨日まで飲食店やバーで働いていたような人材を採用してトレーニングするのにもコストと時間がかかるので、頭の痛い問題です」(同)

 売春取り締まりに起因する失業率上昇と人手不足のダブルパンチで、同市の経済は破綻する!?
(文=牧野源)

最終更新:2014/02/26 18:00
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