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『ザ・インタビュー』を見たら厳罰、流布させたら銃殺!? 北朝鮮人民を震え上がらせる「DVD検閲の死神」とは

e10763c027951e285f5d9adfeed.jpg映画『ザ・インタビュー』海賊版DVD

 北朝鮮当局が、金正恩氏暗殺を描いたコメディ米映画『ザ・インタビュー』の自国への流入を懸命に防ごうとしていることがわかった。わざわざ同作を見てはならないと人民に伝えるための講演会も行われているという。

 咸鏡北道の内部情報筋は、次のように語る。


「今年の初めに講演会があった。『今まで韓流ドラマを見ていたことは水に流してやるから、今後外国から入ってきた映像は絶対に見ないこと』『特に米国の映像を見た者は絶対に許さない』との内容だった。また、『今までは賄賂を受け取って見逃したりしていたが、今後はいくら賄賂を渡しても無駄だ』「『最高尊厳(金正恩氏)をけなす映像は絶対に見るな』とも言われた」

 さらに、今後米国の映像を見ていることが発覚したら見せしめのために収容所送りにしたり、映像の持ち込みや流布を行った者は銃殺に処すと伝えている。

 一部では「DVDプレーヤーのバッテリーも充電するな」と言われるほど、取り締まりは強化されている。

 北朝鮮当局は、韓流をはじめとする海外コンテンツを集中的に取り締まる「109常務」という特別部隊を組織している。この部隊は保衛部、検察所、保安署、党機関合同の組織であり、「DVD検閲の死神」と恐れられている。

 彼らは真夜中でも構わず家に押し入って捜査し、VCD(映像を記録したCD)とプレーヤーを見つけ出す。また、バッテリーが少しでも残っていたら、プレーヤーごと没収されるという。

 さらに国内への流入を遮断するため、国交があるミャンマーやカンボジア政府に対して同作の上映禁止を求めているが、内部情報筋は当局の統制は失敗に終わるとみている。

 なぜなら、北朝鮮に映像ソフトが持ち込まれるルートは非常に多様で、すべてを防ぐのは事実上不可能。さらに、講演会で「米国の映像」と言及したことが、逆に人民の好奇心を煽る逆効果を生み出しているという。

「処罰が怖いのであからさまには話せないが、外国が最高尊厳をどうやって誹謗するのか見たがっている人もいる。中国の貿易業者にコネがある人民は、早速取り寄せようとしている」(内部情報筋)

 当局と人民のイタチごっことなりそうな様相だが、果たして冒涜されている金正恩本人は『ザ・インタビュー』をすでに見たのだろうか? 気になるところだ。
(「デイリーNKジャパン」<http://dailynk.jp>より)

最終更新:2015/02/06 18:30
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