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世界進出する韓国製化粧品“K-ビューティー”、国内のパクリ合戦激化で自滅へ!?

amorepac.jpgAMOREPACIFIC公式サイトより

 “K-ビューティー”という言葉をご存じだろうか? 特に男性には聞き慣れない単語だと思われるが、韓国産の化粧品を表している。韓国産の化粧品は、中国や日本をはじめとしたアジアで非常に人気が高く、2014年は輸出額2兆ウォン(約2,000億円)を突破。史上初めて貿易収支で黒字を記録した。ひと昔前まで日本人観光客が多く訪れていたソウル・明洞では、化粧品小売店が5年前に比べて4倍にも増加したそうだ。世界に韓国文化を拡散させる“韓流”の中で、化粧品が一つの柱としての地位を確立したと言ってもいいだろう。

 しかし、そこは韓国。化粧品業界では売り上げが増加する一方で、“パクリ合戦”が熱を帯びているという。韓国の化粧品会社や業者同士で、商品の主要成分や容器デザインをパクリ合っているのだ。

 例えば、韓国の2大化粧品企業、アモーレパシフィックとLG生活健康は、“エアクッション化粧品”について法廷で争っている。エアクッション化粧品とはファンデーションのことで、従来の塗るタイプではなく、ハンコを押すように使うという。アモーレパシフィックが開発した、同社のエアクッション化粧品の売り上げは、昨年は6,000億ウォン台にまで上るとみられている。そんな大ヒット商品をパクッたLG生活健康に対して、アモーレパシフィックが特許侵害と訴訟を起こしたというわけだ。LG生活健康側は、「誰もが作れる製品の特許は無効」と真っ向から対立。現在も決着がついていない。

 大手ばかりではない。去る2月4日には、ある国内ブランドが販売していたマスクパックのデザインや成分をパクり、偽物を中国に輸出していた4人が立件されている。パクられた側の被害は甚大で、動物性クリームで有名な韓国のある化粧品会社などは300億ウォンの損失を出しているとも。国内関連企業のパクリ合いという“内戦”によって、「K-ビューティーが自滅しかねない」という危惧の声も出てきた。

 もちろん、日本の化粧品もパクられている。例えば、「一心堂本舗」が販売している「動物フェイスパック」。上野動物園のジャイアントパンダとスマトラトラの顔をフェイスパックにデザインした商品なのだが、韓国の2つのメーカーが類似商品を発売していることがわかった。フェイスパックにデザインされた動物も、そのままパンダとトラだ。

 現在アジアを超えて、アメリカへと勢力を拡大しているK-ビューティー。世界中の女性を虜にする魅力の裏側には、パクリ合戦という醜さも出てきた。お金のためなら手段を選ばない商法を改めない限り、せっかく人気に火がついた韓国産化粧品ブームも、すぐに鎮火してしまいそうだ。

最終更新:2015/03/04 11:53
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