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暴力“美化”映画の影響も!? 小規模・若年化が進む、韓国暴力団の最新事情

519dynKA5tL.jpg『悪いやつら』(ファインフィルムズ)

 暴力団組員ら反社会的勢力の影響力を排除することを目的に、2011年から都道府県全域で施行されている暴力団排除条例。日本では年々、暴力団への取り締まりが厳しくなっているが、韓国でも当局がその存在に目を光らせているようだ。


 韓国の刑法(暴力行為処罰法)では、「団体や大勢の威力で、もしくは団体や集団を装って威力を見せながら、暴行、恐喝などの罪を犯す者、もしくは凶器などの危険物を携帯し、そのような罪を犯す者」を暴力団構成員として定義付けているが、歴代政権は暴力団に対してかなり厳しい態度で臨んできた。1999年10月には、当時の大統領だった盧泰愚(ノ・テウ)が“犯罪との戦争”を宣言。全国の地検に暴力団撲滅を使命とする民生特捜部なるものを新設して、有力組織を次々と解体に追い込んでいる。その過程はチェ・ミンシク、ハ・ジョンウか主演した映画『悪いやつら』にも詳しく描かれている。

 そんな成果もあって、2014年時点で韓国の警察庁が把握している暴力団の数は210数派。「派」とは日本の「●×組」「○△会」にあたり、「トゥモク(頭目)=親分」「プトゥモク(副頭目)=副組長」「ヘンドンデジャン(行動隊長)=若頭」「ヘンドンデウォン(行動隊員)=若い衆」が主な階級となるが、構成員の総数は5,300人強になるという。10年前は6,000人を超えていただけに、その数は年々減少傾向にあるともいわれている。

 ただ、それでも検挙される暴力団員は後を絶たない。14年10月に国会・安全行政委員会で明らかになった組織暴力団検挙現況報告によると、10年以降に検挙された暴力団員数は1万5,548名。犯罪の種類としては、暴力行使(8,093名・52%)、風俗店や高級クラブ業者への恐喝(1,620名・10%)、市民相手の恐喝(1,049名・6.7%)、脱税、不法営業、麻薬流通、貸し金業違反(961名・6.2%)などだったという。

 韓国で問題視されているのは、昨今の暴力団構成の傾向だ。前出した報告によると、検挙者の年齢で最も多かったのは20~30代で73%を占める中、10代の検挙者も2%もあったという。過去5年間で10代の検挙者が309名になっており、若年齢化が進んでいることを懸念する声が上がっている。

 また、その所帯が小規模になっていることも見逃せない。11~20名の組織が30%台だが、10名以下の組織が43%を超え、半数の暴力団が20名以下で構成されているという。しかも、活動期間が6カ月に満たない組織の数が42.9%に達した。つまり、少ない人数で簡単に結成され、解散も早い組織が増えており、そのせいで敷居も低くなり10代ら若い世代も増えているのではないかという分析だ。

 『友へ(チング)』『卑劣な街』『新しき世界』など、暴力団を美化する映画も多い韓国。もしかしたら、それも暴力団の小規模化と若年齢化を後押ししているかもしれない。

最終更新:2015/03/10 22:00
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