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「嫌韓感情を強調」「日本名詐称はスルー」台湾“ニセAV嬢売春婦”逮捕を、韓国メディアはどう伝えたか

mizusawamaki.jpg「水澤真樹」を名乗り、台湾で荒稼ぎをしていた韓国人売春婦・金貞嘉容疑者(「自由時報」より)

 「韓国女看護士来台売淫」。去る3月17日、こんな見出しが台湾紙「自由時報」を飾った。台湾を訪れていた美容外科看護士の韓国人女性が「売淫」、つまり売春で逮捕されたのだ。報道によると、金貞嘉(キム・ジョンガ/29)容疑者は、韓国の知人から「台湾で売春すると儲かる」という話を聞き、売春斡旋組織と接触。2月末に観光ビザで台湾に入り、逮捕されるまでの18日間で25万台湾ドル(約95万円)、1日当たり5万円以上を稼ぎ出していた。

 台湾の売春の相場は低いほうで、3,000台湾ドル(約1万1,000円)程度。金容疑者は、写真のような韓流女優並みの美貌と豊満な胸を武器に、1回当たり1万5,000台湾ドル(約5万7,000円)と高額にもかかわらず、客が殺到していたという。

 台湾では2011年、各都市に設けられた「風俗エリア」の内部に限って売春が合法化されている。しかし、金容疑者は観光ビザで台湾入りし、違法行為を行ったとされ御用となった。この逮捕を受け、新聞各紙ほか地上波テレビ「CTS(中華電視公司)」などが、事件を繰り返し報道。ニュースは当日のうちに韓国、そして日本へ伝えられた。韓国では「TV朝鮮」「ヘラルド経済」「スポーツソウル」などが「国の恥晒し」という言葉で、母国の名誉を傷つけたという憤りを伝えている。

 ただし、同じ事件を伝えたはずの日韓台の報道は、細部で微妙な食い違いを見せている。ひとつは金容疑者の「源氏名」。金容疑者に仕事を斡旋していた台湾の売春業者は、「日韓の女性モデル」をそろえていることをウリにしていたが、金容疑者は「水澤真樹(みずさわまき)」という日本人AV女優の名前で、業者の広告に登場していたのだ。

 この日本人AV女優なりすましについても、複数の台湾メディアが写真付きで報道し、日本でも一部ニュースサイトやブログなどで話題に上った。ところが韓国メディアだけは、いずれも申し合わせたように総スルー。結果的に、日韓台で源氏名のことを知らないのは韓国人だけとなっている。

 韓国人からすれば、日本人を詐称するのは、報道すらできない売春以上の「恥晒し」なのだろうか。確認できた限り、唯一源氏名を伝えたマイナーな報道メディアも、「みずさわまき」を「みず まき(Ms まき)」と誤表記する始末だった。

 これと対照的に韓国メディアが強調したのは、台湾における「嫌韓感情」だ。メディアでは、「台湾メディアが事件を連日報道して嫌韓感情を煽っている」(「TV朝鮮」)、「事件は嫌韓志向の台湾ネチズン(ネットユーザー)を刺激する要素が多く、台湾メディアは集中して取り上げている」(「国民日報」)などと報じられている。

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