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マーベルから世界最小のヒーローが登場! 今週末公開の映画『アントマン』『恋人まで1%』

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 今週取り上げる最新映画は、主人公が蟻サイズに小型化して悪と戦うヒーローアクションと、恋人同士になりきれないアラサー男女が織りなす恋愛模様を描くラブコメ。どちらも魅力的なキャストと、ふんだんに盛り込まれた笑いで気軽に観賞できる娯楽作だ(いずれも9月19日公開)。

 『アントマン』は、『アベンジャーズ』シリーズなどでスーパーヒーローを輩出するマーベルスタジオ作品の中でも、体長1.5センチという極小のヒーローが活躍する異色のアクション大作。前科者のスコット(ポール・ラッド)は、仕事が長続きせず前妻から非難され、養育費が払えないため最愛の娘にも会わせてもらえない。かつての刑務所仲間にそそのかされ、豪邸に盗みに入るも、手にしたのは奇妙なスーツとヘルメットだけ。だがそのスーツを着込むと、体がわずか1.5センチに縮んでしまう。さらにスコットは、豪邸の主で特殊スーツを開発した天才科学者ピム(マイケル・ダグラス)から、スーツを着て特殊な能力を駆使する「アントマン」になり世界を救うミッションを託される。

 当初は『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(2014年)のエドガー・ライトによる監督・脚本で進んでいたプロジェクトだが、マーベルとの見解の相違により残念ながら監督は降板。後任を『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(09年)のペイトン・リードが務めた。見慣れた家具やオモチャがアントマン視点で巨大に見えたり、小さな空間でのダイナミックなアクションが人間視点だとショボかったりと、サイズ違いのギャップを巧みにスペクタクルや笑いに転換。ヘタレ感漂うバツイチ男が請われてアントマンになる過程も、従来のマーベルヒーローとは一味違って親近感がわく。ピムの娘ホープに扮するエバンジェリン・リリーは、リブ・タイラー似の美貌とハードなアクションで魅せる。マーベル映画のお約束、エンディング後に次回作の展開をほのめかすシーンまで、どうぞお見逃しなく。

『恋人まで1%』は、のザック・エフロンと『ニード・フォー・スピード』(14年)のイモージェン・プーツ共演でアラサー男女のリアルな恋愛を描くラブコメディ。ニューヨークでデザイナーとして働く青年ジェイソン(エフロン)は、真剣な恋人を作らず、親友らとクラブでナンパしたり、セフレを呼び出したりして気楽に暮らしていた。仲間と「恋人を作らず独身でいよう」と誓い合った矢先、ジェイソンはバーで出会ったエリー(プーツ)と意気投合し、本気で彼女に惹かれてしまう。

 監督・脚本は本作でデビューを飾ったトム・ゴーミカン。脚本に惚れ込んだエフロンが初のプロデュースも務め、全裸で便器の上に横たわるなどノリノリで主人公を演じた。過去の出演作ではシリアスな役が多かったプーツは、キュートでファニーな魅力が全開。都合のいい関係を望む男性陣の恋愛観、結婚観が少々幼稚な感じもするが、そこから失敗や挫折を経て成長する姿は共感を呼びそう。原題『That Awkward Moment』が意味する「気まずい瞬間」を含め、男女の関わりの中で思い当たることの多いさまざまな場面が、高揚感、切なさ、後悔、希望といった感情を喚起し、笑いと涙の先に人生の教訓をさりげなく伝えてくれる。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『アントマン』作品情報
<http://eiga.com/movie/82138/>

『恋人まで1%』作品情報
<http://eiga.com/movie/79887/>

最終更新:2015/09/18 23:00
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