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「資金力のあるクラブがこのレベル?」浦和レッズ監督がF・マリノスを辛口批判したワケ

mihairo.jpg浦和レッズ公式サイトより

 Jリーグの試合後の監督記者会見は、少し変わったシステムになっている。まず、全試合生中継しているスカパー!がフラッシュインタビュー(監督とインタビュアーが立ったままのインタビュー)を行い、その後に記者クラブ用の公式記者会見が行われる。フリーランスのサッカーライターたちは記者クラブ用の記者会見への出席を許されており、監督も記者も座った状態で質疑応答含めた会見が進んでいく。


 そんな記者会見場が、先日行われた2016年J1リーグファーストステージ第6節、横浜F・マリノス×浦和レッズ戦後にザワついていた。

 というのも、その前に行われたスカパー!のフラッシュインタビュー時に、浦和レッズのミハイロ・ペトロビッチ監督が、F・マリノスの11人全員が自陣に下がり、ボールを奪いに来ない戦術を「(資金力がないために、そういった戦術をとるしかない)ヴァンフォーレ甲府と戦っているようだった」と揶揄したのだ。これを聞いた記者たちは「明日の見出しは決まったな」と盛り上がっていた。

 その勢いそのままにペトロビッチ監督は、公式記者会見でも「片方のチームだけではサッカーはできない」「F・マリノスの監督にリスペクトはあるが、彼は最近、(欧州で守備的で攻撃の芸術性がないといわれる)モウリーニョ(監督)の試合を見すぎたのではないだろうか?」と、F・マリノスのエリク・モンバエルツ監督を暗に批判した。これに戸惑いを見せたのは、モンバエルツ監督本人だ。記者から批判を伝え聞くと、苦笑いを浮かべながら「守備的にやろうとしたわけではないが、浦和レッズの攻撃に、守備的にならざるを得なかった」と弁明した。

 なぜペトロビッチ監督は、モンバエルツ監督の戦術を公の場で批判したのか? 取材していたサッカーライターに聞いた。

「内容では勝りながらも0-0。『浦和レッズ、勝ち点1しか取れず』とだけ報道されるのが嫌だったのでしょう。でも、ペトロビッチ監督が言っていることは、もっともでもあります。この日の日産スタジアムは、今季初となる3万人超えで、4万人近い観客が詰めかけた。にもかかわらず、あの試合内容では……と感じた人は少なくないはず。選手総年俸約7億円という、Jリーグで5本の指に入るF・マリノスが、2億円しかないヴァンフォーレ甲府と同じ戦術を選択するなんて、世界強豪リーグでは考えられません。Jリーグの魅力を高めるためにも、お金のあるクラブは内容の充実したサッカーを見せるべきです」

 日産自動車という大型スポンサーを持つF・マリノスが、まさか三菱自動車がスポンサーのクラブに小バカにされてしまうとは。日産自動車の経営陣は、忸怩たる思いをしているに違いない。
(文=TV Journal編集部)

最終更新:2016/04/12 21:00
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