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ダイヤモンドの「ヤクザと共生」記事は暴力団礼賛? 地元・神戸や専門家の声は……

diamond1124くだんの記事(ダイヤモンドオンラインより)

 ダイヤモンドオンラインが掲載した「ヤクザと共生する街、神戸市民の意外な『山口組観』」という記事に「暴力団礼賛ではないか」と批判が集まっている。

 記事は、10月末に閑静な住宅地で知られる神戸市灘区にある神社で、六代目山口組総本部の関係者たちがハロウィンの行事として子どもたちにお菓子を配ったというもの。

 昨年は組織分裂の騒動で中断となったものだが、住民はこの行事の復活を歓迎し「山口組のおかげで地元に暴走族が減った」とする声まで掲載、社会悪に認定されている暴力団のイメージ回復に力を貸しているようにも見えるものだった。

 これにはネット上で「悪いヤツがちょっと良いことしたら良いヤツに見えるってだけの話」「抗争しているのに子どもたちを集めて、もし事故があったらどうするんだよ」「その配ったお菓子も犯罪で得た金で買ったもの」などと辛辣な声があった。

 ただ、五代目山口組若頭の宅見勝に単独インタビューするなど30年以上にわたってヤクザを取材、『山口組式最強心理戦術 山口組のレジェンドたちが教えるビジネス・恋愛テクニック』(サイゾー)の著者でもある週刊実話の元編集長、下村勝二氏は「書いてあることは全部正解じゃないですか」と記事の内容を「事実」だとした。

「周辺の住民に取材するなど、ちゃんと取材して書いていますしね。ただ、警察にしてみれば、こんな記事を書かれると困るでしょう。さすがに褒めすぎ、と言いたくなるのもわかりますが。要は、山口組関係者は総本部一帯の地域では悪さをしていないということなんです。周辺住民は定例会などで全国の組長が集まり、その周辺にマスコミも来るので大変だとは思いますが、それ以外のときは記事にあるとおりの心境なのでは」(下村氏)

 1995年の阪神・淡路大震災で山口組が炊き出しをおこなったほか、オムツ、ミルク、生理用品まで配り、総本部敷地内の井戸水を自由に使わせ、住民を救済したことはマスコミも好意的に報じていた。

 しかし、暴力団排除の風潮が高まった最近では今年4月、熊本大地震の際に神戸山口組が被災者救援活動をしても「世間と警察の批判をかわすため」との批判的な見方が強かった。ただ、下村氏は「神戸だけは総本部があるがゆえの特別な事情もある」という。

「山口組は地域の住民に対して、ものすごく気を使っています。以前は住民と冠婚葬祭での付き合いも普通に行われていたぐらいで、組員が道で唾を吐いたり、立ち小便などすれば、きっちりケジメ(処分)をとられるんです。昔、三代目の田岡一雄組長の頃、スーパーマーケットの店員が、山口組の消費しているものを調べようと組のゴミ箱をあさっていたのを組員が見つけ、総本部に連れ込み詰問したことがあったそうです。店員が事情を説明すると田岡の妻、文子姐が『なんて仕事熱心!』と感激して、それ以降はそのスーパーでものを買うように組員たちに指示したという話。私自身がそのスーパーの関係者から聞いたものです。そういう話があるので、神戸では山口組総本部は今も、『戦後に不良外国人から大衆を守っていた任侠』のままなんです。もしドンパチが神戸で起きれば意識も変わるかもしれませんが」(同)

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