日刊サイゾー トップ > その他  > 『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』を見る
【おたぽる】

【劇場アニメレビュー】再発進した『ヤマト』で福井晴敏節が唸る!?  『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』

1702_yamato.jpg『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』公式サイトより。

 20世紀を代表する伝説的SFアニメーション・シリーズ『宇宙戦艦ヤマト』、そのTV版第1作(1974~75年)を21世紀に蘇らせた『宇宙戦艦ヤマト2199』(2012~13年)シリーズは、おおむね好評をもって迎え入れられた印象がある。 

 問題は、その後をどうするか? であった。 20世紀のTV版第1作を再編集した映画『宇宙戦艦ヤマト』(77年)のヒット(これにより空前の第一次アニメブームが巻き起こった)を受けて製作された続編映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(78年)と、そのテレビ版ともいえる『宇宙戦艦ヤマト2』(78~79年)。両者は設定の相違もさながら、主人公・古代進らヤマト・クルーが最終的にどうなるかといったラストが大きく異なる。

 結果としてヤマト・シリーズはテレビ『2』を正編としてシリーズを続行していくが、おかげで『さらば』は黒歴史扱いされてしまい、そのラストに涙していた当時のファンたちは激昂。また『さらば』の結末は当時の大人たちの間で「軍国主義復活への懸念」「いや、これは特攻賛美ではなくロマンなのだ」などなどと、右へ左への大議論を巻き起こしていったことも、つい昨日のことのように思い浮かべてしまう。

 そして『宇宙戦艦ヤマト2199』シリーズの続編『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』が前回と同じ全7章で製作されることになったわけだが、総監督が前シリーズの出渕裕から羽原信義にバトンタッチ。またシリーズ構成を、作家で『機動戦士ガンダムUC』シリーズ(10~14年)の原作も担った福井晴敏が担当。『ガンダム』も『ヤマト』も手掛けるとは何ともうらやましい御仁ではあるが、2月25日から2週間限定で上映が開始される『第一章 嚆矢篇』の冒頭、いきなり福井節ともいえる設定に仰天してしまった。

 ヤマト・シリーズのお約束ともいえる「無限に広がる大宇宙…」に始まるナレーションを、今回は強大な敵・帝星ガトランティスのズォーダー大帝が、いかにも荘厳なる巨悪の声で唱えているのだ。

 それどころか、最後に彼はつぶやく。

「だから、愛が必要だ」

「愛」とはヤマト・シリーズのキモでもあり、良くも悪くも「愛」を旗印(もしくは免罪符)に、古代進らヤマト・クルーは敵と戦い続けていったわけだが、ここでは何と敵の側から「愛」が語られる。

 つまり今回は敵味方の双方から、それぞれの「愛」(「正義」と呼んでも差し支えないかもしれない)が唱えられ、それゆえの熾烈な戦いが繰り広げられていくことが予想されるのだ。

 設定としては、前作の敵であったガミラス帝国と地球は連合を結び、この第1章の段階ですでにガトランティスの猛攻に立ち向かっている。

『さらば』のときは“白色彗星”のイメージが強烈だったガトランティスではあるが、ここではまだその全貌をあらわしていないのが無気味と言えば無気味でもある。

 また、『2199』では最終的に使用を戒められた波動砲だが、それをパワーアップさせた二連装波動砲を装備する新鋭艦アンドロメダは、今回かなり人間の好戦的な悪しき業を背負った存在として映え渡りそうな予感もする。

 アンドロメダというところでどうしてもこだわりたくなるのが、今回のヤマト艦長である。

12
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

水原解雇に間に合わなかった週刊誌スクープ

今週の注目記事・1「水原一平“賭博解雇”『疑...…
写真
イチオシ記事

さや香、今年の『M-1』への出場を示唆

 21日、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「賞レース2本目やっちまった芸人」の完結編が放送された。この企画は、『M-1グランプリ』(同)、『キ...…
写真