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【おたぽる】

信仰だけではない“楽しめる場”としての神社へ──宮司も期待を寄せる神田明神の新スポット「明神カフェ」

信仰だけではない楽しめる場としての神社へ──宮司も期待を寄せる神田明神の新スポット「明神カフェ」の画像1

 4月14日、神田明神の鳥居の横にオープンした「明神カフェ」。さまざまなアニメとのコラボイベントやメニューを打ち出す「ビストロエンターテイメント」は「聖地・秋葉原」の新たなスポットとして、魅力と課題とを提示しようとしている……。

 数年前の大みそかの朝、私は神田明神の祭務所の裏にいた。

 その前日、私はコミックマーケット3日目の取材のために、東京ビッグサイトの中で団子のように揉まれていた。ふいに、パンツのポケットに入れていたiPhoneのバイブレーションを太ももで感じた。電話の主は、エクスアーツ・ジャパン株式会社の和田昌之だった。

「取材に来てくれませんか……」

 少し申し訳なさそうな口調だった。さまざまなマンガ・アニメイベントのプロデューサーや、グッズ制作などを手がける和田は、それまでも何かと私に取材を依頼してきていた。

「神田明神の境内に、海洋堂コラボの縁起物フィギュアのガチャガチャが設置されたり、新しいコラボグッズの物販スペースが登場するんですよ」

 いつからかと聞くと、さらに申し訳なさそうな声が聞こえてきた。

「明日の9時からなんです……」

 私はすぐさま快諾した。その年のコミケは珍しく30日が最終日であった。たいていのオタクは3日間の疲れを癒やしながら、戦利品の観賞に忙しい日だろう。それでも、疲れ知らずでガチャガチャを回したりグッズを買いにやってくるのは、どんな人々なのだろうかと興味が湧いたからだ。

 きっと、熱心な人々は早くから集まっているに違いない。そう思った私は、朝8時半には、もう現地に到着していた。スペースが設置されたのは、祭務所の裏。男坂の階段を昇りきったところであった。のぼりはあったものの、どこか寂しそうな感じはあった。けれども、徐々に人は集まり始めていた。午前9時前になると、ささやかながら行列ができていた。

 時間になると、10台あまり並んだガチャガチャの前で、みな何度もガチャガチャを回し、グッズを買い求めていた。列はさほど長いものではなかったが、その後もやってくる人が途切れることはなかった。

 私も、ガチャガチャ回してみることにした。何しろフィギュアメーカーとして、生み出す製品の質では定評のある海洋堂とのコラボである。いったい、どんなフィギュアが入っているのか気になったからだ。出てきた巫女さんのフィギュアの質は満足いくものだった。ただ、そこに一緒に封入されていたおみくじは「大凶」だった。もちろん、おみくじは吉凶の部分よりもそこに記されている言葉が重要なのはわかっている。とはいえ、一年の締めくくりの日に「大凶」を引いてしまうのは、よい気分ではなかった。ちょうど様子を見にやってきた権禰宜(ごんねぎ)の岸川雅範氏に「今年は今日までですから……」と、微妙な顔で慰められた。

 その日、私は取材がなくても神田明神に参拝しなければならない理由があった。まだ、師走の大祓の形代を納めていなかったのだ。きっと、しばらく参拝もせずに、神様をないがしろにしていたことの戒めが、先のおみくじなのだろうと思った。

 和田に大祓の形代を納めたか尋ねると、こんな返事が返ってきた。

「え、ごめんなさい。まだ、それがなんなのか勉強していないんです……」

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