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大学サッカーの重鎮が告発! 「Jリーグはブラック企業」の真意とは?

「11人の群れ」より

「11人の群れ」というサイトに掲載された流通経済大学サッカー部・中野雄二監督のインタビューが、指導者界隈で「よくぞ言った」と話題になっている。

 中野監督といえば、数多くのタイトルを流経大にもたらし、浦和レッズの宇賀神友弥や、若くして日本代表にも選出された川崎フロンターレの守田英正など、多くのJリーガーも輩出している。

 そんな中野監督が、「Jリーグはブラック企業だ」とバッサリと切り捨てているのだ。特に警鐘を鳴らしているのは、Jリーグの拡大路線について(https://www.j-football-e.net/2019/07/22/nakano-yuji-4/)。

 実はJ3がスタートした当時、筆者は「相次ぐ“元Jリーガー”逮捕に見る、大卒“低年俸”選手『3年以内に放出』の現実」(参照記事)と題し、「今まではプロになれる枠は限られていたが、チーム数が増えることで簡単にJリーガーになれてしまう。JFAやJリーグが何か手を打たないと、大変なことになる」と言及していたのだが、中野監督も同様の声を上げている。

 中野監督いわく、J3があることで、大学生もJリーガーというブランドに夢を見てJ3チームに入る。今季ブレイクした大分トリニータの藤本憲明のように、J3からJ1に上がり、活躍できる選手も、1000人に1人はいるからだ。

 しかし、それは10年に1人いるかいないかの可能性だし、大分はもともとJ1を経験しているというバックボーンもある。地域クラブからスタートしたJ2やJ3チームにとって、J1は夢のまた夢。たとえば、茨城県にはJ1強豪の鹿島アントラーズとJ2の水戸ホーリーホックという2つのクラブがあるが、地域にも行政にも「水戸をJ1に」などという気概はない。茨城全体の人口や経済力から致し方ない部分もある。

 そういった実情を大学生は見てみないふりをし、月給10万円でも契約してしまう。プロの金額とはとてもいえないし、生活できるはずもない。そして、月給10万円の価値しか見いだされていない選手だから、すぐにクビを切られてしまう。

 であるならば、就職して社会人としてサッカーを続けるほうが収入も安定する。中野監督自身も「サッカーに関わりたくて教員になった」と語っているように、本来は収入面も考慮してチームと契約するのが、社会に出るということでもある。

 だが、そういった厳しい言葉よりも、Jリーグが用意したJ3という甘い言葉に選手たちは惑わされてしまう。だからこそ、中野監督は「Jリーグはブラック企業だ」と日本サッカー協会の田嶋幸三会長に訴えたのだろう。

 この状況を、Jリーグ側はどのように思っているのだろうか? サッカー関係者に訊くと「なんとも思ってないでしょうね。だって、これって、J3の創設が決まった時から言われていることですよ」と苦笑い。やはり、Jリーグはブラック企業のようだ。

(文=TV Journal編集部)

最終更新:2019/07/26 18:00
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