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トヨタが排ガス規制に反対? “エコ”という利権と矛盾(前編)

 世界的にエコロジーへの関心が高まる中で、国内でもCSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)の一環として、環境活動を積極的に行う企業が増えている。「環境報告書の発行頻度」や「温室効果ガス削減への取り組み」さらには「取り組み内容の信頼性・透明性」などを調査した、トーマツ審査評価機構が実施する「環境格付け(2006年度版)」において最高位「AAA」を受けたトヨタ自動車は、年間1000億円以上もの費用を環境関連の対策や事業に投じているという。

 大手を中心に多くの企業が環境活動に乗り出す理由について、京都大学大学院経済学研究科准教授の諸富徹氏は、このように解説する。

「昨今、企業に対する消費者の目がよりいっそうの厳しさを増す中、大量生産・大量消費・大量廃棄による利己主義的な経営では誰からも共感を得られません。そこで、企業側としては、環境活動によって消費者に、地球や人間、社会との“共生”を広くアピールすることで、イメージアップにつなげようという考えなのです。また、企業のリスクマネジメントとして、環境への配慮を求める声も少なくない。例えば、ずさんな廃棄物処理を続けている会社には、常に土壌・水質などの環境汚染のリスクがあります。そのリスクが現実となった場合、企業の信用は一気に低下し、株価にも多大な影響が及びます。そのため、環境リスクをしっかり管理すべきだという株主からの要請も増えています。さらに、ムダな廃棄物を出さない生産体制(ゼロ・エミッション)を構築することで、経営体質の向上を図るというメリットもあります」

 現在、国内では約1000社ほどの企業が、各社の環境への取り組みをまとめた「環境報告書」を作成・公表しているが、特に高い評価を得ているのが、「世界一の環境経営」を掲げる大手精密機器メーカーのリコーだ。同社の07年度(07年4月~08年3月)決算発表によると、売上高は前年同期比7・3%増の2兆2199億8900万円、14期連続の増収となった。

「同社では、環境保全の成果と利益を同時に生み出すために、省エネルギー化などの目標を各事業所ごとに設定し、達成に向けて取り組んでいます。その努力の結果が、好調な業績に結び付いているのでしょう。トヨタや積水ハウスなどもゼロ・エミッションを追求し、安定的な経営基盤を確立しています。また、最近では、ブランド価値向上のために、長期的な視点に立って環境対策に投資をする企業も増えています。今や環境活動は、企業の業績を大きく左右する事業戦略のひとつと言えるでしょう」(船井総合研究所経営コンサルタント・黒川智玄氏)

アメリカでは規制反対 トヨタの二枚舌ぶり

 だが、環境活動と利益追求の両立にはズレがあることも事実だ。トヨタを例にとると、同社は、ハイブリッドカー・プリウスをはじめとしたエコ自動車を開発。また、環境啓蒙番組『素敵な宇宙船地球号』(テレビ朝日系)へのスポンサードや環境をテーマにしたwebマガジン『あしたのハーモニー』を配信するなど、〝地球に優しい企業〟というイメージが世間一般に広く浸透しているが、企業戦略には矛盾が生じているようだ。

「国内では大々的に報じられませんが、アメリカでは、GMやフォードなどの自動車メーカーと共に排気ガス規制に反発し、環境保護団体から猛抗議を受けています。さらに富士スピードウェイという自前のサーキットを持ち、F1に参戦していることから、“エコ偽善者”と揶揄する声もあります。また、大手家電メーカーの松下電器産業も09年度までに約30万トンのCO2削減を明言しているほか、環境キャンペーン『エコアイディア』を全国各地において展開する一方で、環境破壊のスポーツといわれるゴルフの現役高校生プロ・石川遼と所属契約を結び、今年9月にはトーナメントを主催。しかも、同社はトヨタのF1チームスポンサーにもなっています(苦笑)」(全国紙経済部記者)
(大崎量平/後編へ続く)

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最終更新:2008/06/23 15:31
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