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リーマン破綻とGS焼け太り その差を生んだものとは?

hPaulson.jpgゴールドマン・サックスの元会長でもある、
アメリカの第74代財務長官、ヘンリー・ポールソン。
共和党とGSが大好き?

 9月15日、サブプライム問題で経営危機に陥っていた米証券4位のリーマン・ブラザーズが、経営破綻に追い込まれた。翌朝の東京株式市場においても3年2カ月ぶりの安値を記録するなど、その影響は世界各地に波及。「地獄の釜のフタが開いた」とまでいわれる世界経済の悪化をもたらしたこのリーマン破綻だが、きっかけは米国当局の公的支援の見送りだった。

 その2日前の13日。ウォール街からほど近いニューヨーク連邦銀行にポールソン財務長官や金融機関トップなどが集い、リーマン救済策に対する会議が持たれた。この会議でリーマン支援が明言されることがリーマンにとっての頼みの綱だったが、各金融機関による支援の前提条件となったのは、米国政府がリーマンに公的資金を投入することによる、資本力の増強。米国政府は9月に連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)など2社の救済に踏み切っており、金融関係者は「リーマンも同様に救われる」と期待していた。しかしポールソン財務長官は、「納税者への説明が付かないので、政府はリーマンを特別扱いはしない」と発言し、さっさとワシントンに帰ってしまう。これによって金融業界は、「リーマンは政府に見捨てられた」と判断したのである。

 この米国政府の判断は、恣意的と言わざるを得ない。リーマン破綻の直前にはファニーメイを救済するという「特別扱い」をしているからだ。さらにそれを裏付けるのが、リーマン破綻の翌日の、米国保険最大手AIGの救済だ。この日米国政府は、リーマン同様経営危機に陥ったAIGに対して、公的資金を使って救済を行った。ポールソン財務長官は「AIGを助けなければ、市場は取り返しのつかない事態になる」と、”リーマン切り捨て発言”の舌の根も乾かないうちに、「特別扱い」をし、結果AIGは命脈を保った。この差を米国事情に詳しい金融業界関係者は、「政治力の差に尽きる」と断言する。

「AIGは、昔から政府に対するロビー活動を熱心にやっており、ホワイトハウスとの距離は近い。それを象徴するのが、1990年代に日本の保険市場の開放を求めた『日米保険交渉』。ここでAIGは、外資系企業のみに成長分野の医療保険などを扱わせるよう米国政府に圧力をかけさせ、日本は強引に押し切られる形で逆規制を余儀なくされた。このような政治力の差が、リーマンとAIGに対する救済の天と地の差に出たというわけだ」

 同じく公的資金によって救済されたファニーメイも住宅安定供給という米政府の意をくんだ事業を行っており、政府関係者も多く天下りをしているなど、政権との関係は深い。AIGとファニーメイが共に救済されたのは、決して偶然ではない。

 さらに、政府との近さで、破綻を免れるどころか、この金融危機下で”焼け太り”すらしているのが、米証券最大手のゴールドマン・サックス(GS)だ。リーマンショック冷めやらぬ9月21日、米国当局はGSに対し、証券会社から銀行持ち株会社への移行を承認した。当局は「証券会社を銀行並みの当局管理下に置くことで、金融危機の深刻化を防ぐ」と主張するが、前述の関係者は「規制強化なんて嘘っぱち。証券会社は、サブプライム問題に伴う証券化ビジネスの崩壊で利益を出せなくなっているが、銀行業務が可能になったことにより安定した利益を得られる預金業務などが可能になり、良好な収益基盤を得た」と主張するのだ。

 ポールソン財務長官は、GSの元会長であり、共和党政権との近さは指摘するまでもない。さらに、米大統領選で民主党の大統領候補となっているオバマ候補の経済顧問を務めているルービン元財務長官も、GSの共同会長であった過去を持つ。つまり、大統領選がどちらに転んでも、GSの優位性は揺るがないというわけだ。今後さらに続くであろう金融危機でも、当局の”お友達”だけが援助を受けることになるのは間違いなさそうだ。 
(隅田哲太/「サイゾー」11月号より)

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最終更新:2008/10/27 12:00

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