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新連載!【元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第1回】

「フライデー」の”百聞は一見にしかず”強硬グラビア

IMG_0286_fixed.jpg「フライデー」は変われるか?

部数低迷が叫ばれ、その存在意義が問われども、テレビや大手新聞が”書けない”真実を暴く週刊誌ジャーナリズム──。毎週発売される各週刊誌の中から、伝説の編集長・元木昌彦が選りすぐりのスクープ大賞を認定!!

●第1回(6月9日~6月15日発売号より)

第1位
「スクープ公開!小向美奈子『問題ステージ』」
(「フライデー」6月26日号)

第2位
「足利事件冤罪を作った『警察官・検事・裁判官』の実名」
(「週刊現代」6月27日号)

第3位
「今朝も販売店から配られずに棄てられた『部数水増し』の動かぬ証拠」
(「週刊新潮」6月18日号)


 どうも、週刊誌の宣教師こと、元木昌彦です。今週から、発売される週刊誌の中から厳選した、素晴らしいスクープ、絶対必読の3本を選んでお届けします。

 まず、今週の第3位は、新聞社の最大のタブー「押し紙問題」に斬り込んだ「週刊新潮」。押し紙とは、新聞社が部数を水増しするために販売店に送りつけ、読者に配られないまま破棄される新聞のこと。どこの新聞社も、3割から5割の押し紙があるといわれてきたが、なかなかその実態がわからなかった。

 今回の押し紙問題の記事は連載の2回目だが、案の定、1回目が出た後、読売、朝日、毎日から抗議文を送ってきたと書いてある。ならばと、週刊誌界ナンバーワンの剛腕「新潮」が、動かぬ証拠をお見せしようと、追跡した目撃証拠をこれでもかと披瀝している。今月始めからは、押し紙を回収して回っているトラックを追跡して、リサイクル業者へ運んでいくところを確認。さすがに「新潮」だが、第1回目は、黒薮哲哉氏が筆者になっていたのに、今回はどこにも名前がない。まさか、この間の「朝日新聞阪神支局襲撃犯の告白」大誤報事件のときのように、書き手とゴタゴタしたんじゃないだろうね。

 第2位は、編集長が交替したばかりの「週刊現代」。

 1990年5月に起きた栃木県の幼女殺害事件で逮捕され、当時のずさんなDNA鑑定を拠り所に、無期懲役にされ服役していた菅谷利和氏が、最新のDNAの再鑑定で、着衣に付着していた体液が一致しないことがわかり、釈放されたのは6月4日。多くのメディアが菅谷氏をインタビューしたが、「なぜ自白したのか」と尋ねられた菅谷氏は警察の取り調べの苛烈さを、ときには涙を浮かべて話していた。

 先月から始まった裁判員制度は、こうした警察や検察による「自白の強要」や、罪を認めるまでは釈放しない「人質司法」を改革することが期待されている。

 菅谷さんを有罪に追い込んだ警察官、検事、裁判官は、一体どのような人間なのだろうか。「あいつらのツラが見たくないか?」というのが、週刊誌ジャーナリズムの原点でもあるのだが、今回の「現代」はそれを実行した。もちろん、こうした実名公表することに対しての賛否はあるだろう。また、菅谷さんは”無罪”が確定したわけではない。

 かつての小野悦男事件(http://yabusaka.moo.jp/onoetuo.htm)のケースを頭に入れながらも、週刊誌がこうした問題提起をしていくことは、重要な役割のひとつである。ちなみに今週の「週刊朝日」でも同じような記事(「この冤罪は氷山の一角だ 足利事件「釈放」までの軌跡)をやっているが、タイトルが現代に比べて弱い。

 さて、この実名公表によって、裁判員制度に対しても大きな一石を投じた。なぜなら、民間人である6人の裁判員は、被告に死刑判決を下しても、判決に署名することもなければ氏名を公表されることもないのだが、人を裁く側が透明人間のような存在でいいのだろうか?

 そして、第1回目の栄えある第1位は、表紙共々、「フライデー」に決定! 「フライデー」も今週から編集長が代わった。その編集長が決意を込めて表紙に「フライデーは変わります!」とだけ特筆大書したのだ。

 この手法は、私が「週刊現代」の編集長になったとき使った手だが、インパクトはある。

 気になる記事だが、元タレントの小向美奈子がストリップの老舗・東京の「浅草ロック座」25周年特別興業に出演。この話題は多くの週刊誌が取り上げていたが、「フラッシュ」はイラストの掲載にとどまり、ほかの週刊誌でも活字中心のレポートだったが、こんなものは活字でいくら説明されても百聞は一見にしかず。

 写真週刊誌ここにあり。こちとら長くストリップは見ていないが、隠微な照明の中で、美しい裸体が怪しくくねる。

 写真を掲載したことで、劇場側が「無断で撮った」と怒って、法的手段を検討していると報じられているが、気にしない気にしない。

 表現の自由というほど大げさなものではない。興行側は、話題を作って客を呼ぼうとする。雑誌は、それを撮って紹介することで話題を増幅させ、客が客を呼ぶ。「お互い、ウインウインの関係なら、目くじら立てないで」と、元「フライデー」の編集長は思ってしまうのだ(笑)。

 久々の写真誌らしいスクープに乾杯!

motokikinnei.jpg撮影/佃太平

●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、年講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

【著書】
編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)ほか

競馬必勝放浪記

馬券だけが競馬じゃなくて。

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最終更新:2009/11/02 20:49

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