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崩壊してゆく”世界最大のカジノ” マカオ──その裏道を歩く(前編)

casino01_01.jpg隆盛を極めたマカオも、分水嶺にたどり着きつつあるのか。

 7月15日付の『日経ビジネスオンライン』に「不動産バブルはじけるカジノ都市と砂漠都市」なる記事が公開された。これまでカジノにより急成長を遂げてきた中国特別行政区マカオだが、ここに来てその発展にストップがかかった格好だ。

 99年にマカオがポルトガルから中国に返還された約3年後、02年のカジノ産業の外資参入を転機に、この観光立国でカジノが主要産業となった。今やその収入はラスベガスを上回り、世界最大のカジノと言われるまで急成長。税収の約7割がカジノ収益から計上されている。

「かつてのマカオは”帝王”と呼ばれた実業家のスタンレー・ホーがカジノ経営を独占。中国の特別行政区となり、外資参入を認めたことで利権が分散しましたが、同一族の影響力は今でも甚大です。ホーには4人の奥さんと17人の子どもがおり、娘や息子がカジノからゼネコン、船舶会社などを経営し、一代で巨大財閥を築き上げました」(現地コーディネーター)

 外資参入により、街も活性化。マカオ人の雇用にもつながっている。それでも、カジノ収益の約4割が同一族の所有するカジノから生まれている。巨大な利権は今もって残るが、外資の多くは同一族と共同経営。だが、外貨獲得によって最大の恩恵を受けたのは実はマカオ市民だった。

「失業率は3%台で、企業にはマカオ人を何割雇うという規定がある。さらに、教育と国民保険が16歳までタダ。65歳以上も無料で、癌の治療費も無料です」(前出・コーディネーター)

casino01_02.jpg貧富の差は拡大してゆく

 日本人がマカオに訪れると、誰もが気づくことがある。日本車の保有率である。日本以上に日本車率が高く、平均年収200万円の所得であっても「頭金ナシで購入できるので、自然と壊れにくい日本車が好まれています」という。

 石原都知事の号令の下、日本でも東京や沖縄でカジノ構想が立ち上がり、曲折を経て立ち消えになった。カジノ構想の反対派は、犯罪率の増加や風紀の乱れを指摘する声が多数を占めたが、マカオでは正反対の現象が見られている。犯罪率は低下の一途で、経済成長とともに市民の生活も安定。有り金を使い果たした外国人観光客が公園で一夜を明かすまで治安は改善された。

 古いアパートには泥棒よけの鉄格子が窓に設けられているが、これも当時の名残。現在は犯罪と無縁な町づくりが進んでいるという。あえて問題を列挙すれば、中国人の密入国者の増加と若者の大学離れ、そしてカジノへの依存体質だろうか。

「マカオの好景気は中国全土に伝わり、中国人の密入国者や、マカオで失業してオーバーステイとなった不法滞在者も確かにいます。それよりも、一般企業の大卒初任給よりディーラーの月給のほうが高いので、他産業の空洞化が不安視されています。カジノだけでなく、歴史遺産やグルメといった魅力を世界にもっと発信しなければなりません」(前出・コーディネーター)

 冒頭の『日経ビジネスオンライン』では、”世界最大規模のカジノを運営する米国カジノ大手ラスベガス・サンズが11月11日、投資家向け四半期レポートの中で「マカオに建設中のカジノホテルを中心とする大型リゾート計画を凍結する」と発表。その後、建設労働者など1万1,000人を解雇すると報道され地元を驚かせた”と報じられるなど、決して明るい材料ばかりではない。だが、物価は日本の3割程度。この物価水準のまま成長が伴えば、より魅力的な観光地であり続けるだろう。
(後編へつづく/取材・文=加藤慶/studioKEIF)

協力/マカオ観光局・マカオ航空

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石原都知事の夢

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最終更新:2009/07/19 15:00
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