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独占インタビュー

「よくわからないヤツと思われたい」ピン芸人・中山功太 R-1王者の矜持

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「あの舞台でぶっ飛んだことをしてハマるタイプじゃないと思ったんで、”幅広く”ということを意識しました。とくに営業で全国を回らせてもらったのが大きくて、そこで老若男女にウケるネタを見つけたんです」――そのネタ、「時報」で『R-1ぐらんぷり2009』を制した中山功太。そんな”フレーズ王子”が初めてリリースしたDVD『オオサカファンタスティックベストコンサート』で見せた、テレビとは違う一面を語ってもらい、「来年のR-1には出場するのか」を直撃した。

――今回のDVDでは、R-1で優勝したネタの「時報」や、テレビでもよく拝見する「DJモンブラン」「対義語」だけでなく、難解と思えるようなコントも収録されていますが。

「『時報』や『対義語』は、『エンタの神様』(日本テレビ)のスタッフの方が気に入ってくださったということでもそうだと思うんですけど、幅広い年齢層に届くわかりやすいネタなんです。もちろん、そういったネタも好きですけど、どこかでそうじゃない僕のことを見せたいし、知ってほしいという部分があった。テレビではなかなか披露することのなかった濃いキャラのコントや、観る側の感性に任せるようなネタを観てもらって、『中山功太ってよくわからないヤツだな』って思ってほしいんです。そういった意味では、今回のDVDのタイトルに”ベスト”と入ってますけど、バランスよくネタを選んだつもりですね」

――ネタの幅広さは中山さんの魅力のひとつだと思います。

「自分にとって”コレ”というネタが定まってないだけなんですよ。あるあるネタもあれば、キャラものもあれば、不条理なネタもある……だからこそ『自分には代表ネタがないなぁ』という思いがあって、それがイヤだった。でも、段々とそれが気持ちよくなって、今ではこのままずっと定まらずに10年、20年やっていけたらなと思ってますね。なんなら、最近また芸風が変わっていって、単独ライブでは、ほとんどアドリブで30分近くネタをやったりしてますから。そのときは時間が延びてしまって、終電がなくなるから途中でお客さんが帰ってしまうという事態になりましたけどね(笑)」

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――「DJモンブラン」などで見られるような「他者へのイヤらしい目線」も、中山さんのネタのなかでは大きな要素になっていると思いますが、そこを意識してネタを作ることはあるんでしょうか?

「友近のほうが5億倍イヤらしいですけどね(笑)。ただ、どうしても街の声が気になって、おっさんが変なことを言ってたら携帯にメモるようにはしてます。コントでそのまま使うこともありますからね。芸人からパクるのはご法度だけど、素人さんならいいだろうって(笑)。この前も(大阪の)十三でロケをしてたら、ロングヘアのおっさんが上半身裸にブラジャーをしてて……あれは見せブラなんでしょうね。僕が『男性ですか? 女性ですか?』って、そのおっさんに聞いたら『いや、私はすべてを超越したスーパーセックスです』って(笑)。これはかなり強烈でしたね。でも、困ったこともあって、先輩と笑いについて真面目な話をしてるときに、『ネタにされそうやから、オマエの前でしゃべるのイヤやわ』って言われたりもするんです。『それはありませんよ!』って必死に否定しましたけど(笑)。他人だけじゃなくて、もっと自分もイジっていってバランスをとらないといけないな、とは思ってますね」

――金持ちの家庭に育って、他の人と違う環境にいたことが中山さんの「モノの見方」に影響してる、ということはありますか?

「金持ち……はあまり関係ないと思うんですけど、運動神経がないというコンプレックスは影響してるかもわかりませんね。運動が本当にできなかったんで、なんとかギャグやおしゃべりで太刀打ちしないと仲間はずれにされますから。それで、誰かを笑わせようと必死になった。その一方で、サッカー部や野球部の目立ってる人らの楽しそうな感じを穿った目で見てて、『キミら明るくやってるけど、何が面白いねん』っていうのは正直思ってましたね」

――DVDの特典映像に収録されたドキュメント風VTRでは、「来年のR-1に出場するのか?」がひとつのテーマになっていましたが、実際のところ、2連覇をめざして「R-1」に出るご予定は?

「正直迷ってて、一度は出んとこうとも思ったんですよ。だけど今は、年末に単独ライブがあるんで、そこで優勝できそうなネタができたら、出ようと思ってます。できなかったら、土下座して『すいません! できませんでした』って言って辞退しようと思ってます(笑)」
(取材・文=パイプ克夫)

なかやま・こうた
1980年6月24日生まれ。大阪府出身。「R-1ぐらんぷり2009」で優勝。『あほやねん!すきやねん!』(NHK大阪)『マヨブラジオ』(読売テレビ)などにレギュラー出演中。出演舞台をDVD化した『放課後アゲイン』、初の著書『中山功太ネタ全集』が好評発売中。

オオサカファンタスティックベストコンサート

2009年5月31日に京橋花月で行われたベストネタばかりの単独ライブ「オオサカファンタスティックベストコンサート」を中心に、DVD用に収録したVTR企画や過去のブリッジVTRから厳選したネタなど、中山功太のベストDVDが遂に完成!!
価格:3,990円
販売元:よしもとアール・アンド・シー

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最終更新:2018/12/10 19:22
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