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ネット上で「甘えるな!」の大合唱! 潜入レポート!

「都はサービスが悪い!?」年越し派遣村は”ゆとりオヤジ”たちの巣窟だった!

nagatsuma.jpg長妻厚労相もビックリ!?

 年末年始に住居がない失業者に食事と住居を提供する「官製派遣村」。今年度は約6,000万円の予算が税金から投入されているが、ネット上では「ほんとに困っている人たちに利用されているのか?」「仕事を探しているように見えない」という声が後を絶たない。中には「なぜか『憲法9条改正阻止!』の旗を持った輩がうろうろしていた。”プロ市民”の活動費に血税を使うのか」と疑問視する声すらある。

 東京都による「派遣村」は、昨年末12月28日から今年1月3日までの期限で「国立オリンピック記念青少年総合センター」(渋谷区)に開設され、約860人が入所。閉鎖日以降も行き先が決まらない約680人全員が、3日に都の予算でカプセルホテルに一泊した後、4日から大田区の「なぎさ寮」へ移動。10日現在で約400人が残っているという。

 実際に現地で入居者の声を拾ってみると、思わず脱力してしまう声が少なくない。ガッチリした健康そうな50代の男性は、今回参加した理由を「夫婦喧嘩して女房から追い出された」とあっけらかんと答えてくれた。

「俺が全然仕事を探さないから、いい加減ブチ切れたんだろう。遂に『出てけ!』と言われた(笑)。どこへ行けばいいんだと言い返したら『派遣村行きな!』と。ふてくされて飛び出したら、追いかけても来てくれない。だから仕方なく来た。小遣いももらったし、女房に土産買って明日(7日)あたり帰るよ」と実に”前向き”だ。

 「小遣い」とは、就職活動のための交通費や食事代として、6日に都から1人当たりに支給された約2万円の「活動費」のこと。今年度は約600人に1,200万円以上が支払われている。領収書が必要というのが建前だが、「交通費に使った分は領収書が不要なので全部電車賃で報告する」(別の40代男性)というパターンが多いのが実状。それどころか、多くの入居者が「活動費」をもらった直後に万札を握り締めて派遣村近くの売店へ殺到し、酒やたばこ、スポーツ新聞を買うための行列ができたと、一部メディアが報じて物議を醸した。

 さらに、2万円を受給しながら約150人が行方不明になっていることも10日付けの産経新聞が報じている。活動費の2万円は一時的に都が支出し、最終的には厚労省が補てんする仕組み。今回の「行方不明」だけで約300万円の税金が消えた計算だ。

 現地で取材をしていたある記者が吐き捨てるようにつぶやく。

「履歴書や印鑑を買うお金すらない人たちへの当然の支援というのが支援団体の労組の言い分。履歴書を買わずにビールを買っているのだからバラ撒きもいいところ。現政権が支持母体の労働団体におもねっていると言われても仕方ない」

 これについて長妻厚生労働大臣は、記者会見で「一部の人の不正で全体に迷惑がかかるのは残念」とコメントしたが、全体の約2割に当たる150人が「一部」で済むかどうかは判断が分かれるところだ。

 また、ある20代の若い利用者は、派遣村を知った理由を「荒川の河川敷にいたら知らない人が近寄ってきて『渋谷へ行こうよ』と誘ってくれた」と意外な事実を教えてくれた。

「親切な人だと思ってついて来た。話しているうちに、『思ったより人が集まらなくて困っている。500人が目標なのだが、まだ200くらいしか集まってない。”仲間”を必死でかき集めているところだ』と教えてくれた。そこではじめて運動家だと知ったが、政治には関心ないし、とにかく寝床が欲しかった。その人とは年明けにも会ったけど、『最初はどうなるかと思ったが最終的に800人以上集められてホッとしているよ』と誇らしげでしたね」

 入居者には前述の2万円とは別に500円程度の弁当も二食支給され、就職活動支援のために最寄り駅までのシャトルバスが1時間おきに運営された。まさに至れり尽くせり。入居者はさぞかしご満悦かと思いきや、現地では不平不満が常に渦巻いていたという。

 30代の入居者は「渋谷センターの入居期限が4日だったのだが、その後の行き先を見つけられない人が700人近くいた。400人分は都がカプセルホテルを用意したが、予算の関係で全員は入りきらないため、残りは大田区の『なぎさ寮』へ移動すると報告があった。僕個人はラッキーだと思ったが、ほとんどの連中は『なんで全員をホテルに泊めないんだ!』と暴れだして、結局全員が泊まれることになった。いくらなんでもわがまますぎる。あれじゃゴネ得です」と呆れ気味に言う。その場にいた別の入居者もこう語る。

「みんな殺気立っていて怖かった。ゴミ箱をひっくりかえして暴れる奴がいたり、完全な暴動でしたよ。説明にあたった都の職員が殴られたときは、『こりゃ大変なことになった。ニュースになって派遣村が世論から叩かれるぞ』と仲間うちで不安になっていたら、翌日の新聞に『都の対応が不十分』とか『入居者に不安が広がっている』とか書いてある。正直びっくりした」

 どうやら入居者の多くがこうした”サービス”を当然の権利だと勘違いしているのは間違いなさそうだが、さらに深刻なのは「真剣に就職活動に取り組んでいる入居者がほとんどいない」(前出の記者)という指摘だ。

 都によれば、年末年始の約1週間で就労相談に訪れた入所者はわずか1割。このことについて現地で数人に聞くと「あんたらは他人事だから仕事を選ぶなとか勝手なことをいうが、こちらも選ぶ権利はある」「仕事よりもまず生活保護。生活基盤が安定しないと仕事もできない」と罵倒されてしまった。

 食事と寝床を提供され、現金まで貰いながら「都は”サービス”が悪い!」(ある入居者)と勘違いする”ゆとりオヤジ”たち。はたして現政府は、新年度予算でどれだけの金額を彼らのために計上するつもりなのだろうか。
(文=浮島さとし)

派遣村―何が問われているのか

血税のムダ使い?

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最終更新:2010/01/14 16:58
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