日刊サイゾー トップ > 芸能 > お笑い  > 『爆笑問題のツーショット』に見る、太田光の”3種類のボケ”とは?

『爆笑問題のツーショット』に見る、太田光の”3種類のボケ”とは?

baku2shot01.jpg

 2011年1月26日、DVD『2011年度版 漫才 爆笑問題のツーショット~2010年総決算~』が発売される。2010年のニュースや出来事を題材にして、爆笑問題の2人が長い漫才をノンストップで演じている。彼らはここ数年、テレビの仕事で多忙を極めているが、漫才の腕はいまだに衰えていない。田中が話題を振って、太田がちょっかいを出すようにボケを挟んでいくスタイルは健在だ。このDVDを見れば、2010年の1年間をじっくり振り返りながら彼らの漫才を堪能することができる。

 それにしても、爆笑問題の漫才はなぜこんなに面白いのだろうか? デビュー以来20年以上にわたるキャリアの中で、彼らはほぼ一貫して時事ネタ中心の漫才を貫いている。これだけ時代を経ても、その魅力が色あせないのはなぜなのだろうか? その大きな理由としては、太田の繰り出すボケが実に多彩であるということが挙げられる。

 爆笑問題の漫才における太田のボケには、大きく分けて3つの種類がある。それは、「シンプルボケ」「毒舌ボケ」「ナンセンスボケ」の3つだ。ひとつひとつ順番に解説していこう。

 シンプルボケとは、文字通り単純でオーソドックスなギャグのこと。これは、彼らの漫才において最も基本的なものだ。田中が時事ネタの話題を振ると、手始めに太田はシンプルボケを繰り出す。そこで様子を見ながら、次の展開を探っていくのである。いわば、シンプルボケとは、ボクシングでいうところのジャブ。観客との間合いを測り、漫才を組み立てる基盤となるものだ。

 毒舌ボケとは、ちょっとした批判や皮肉が交じったボケ方のこと。これは、爆笑問題の漫才の特色として、世間にもよく知られているところだ。太田は、ときに大胆に世相に斬り込んで、悪口すれすれの危ないジョークをかます。毒舌ボケが発動されると、田中はそれに激しく反応し、強烈なツッコミで対抗しようとする。シンプルボケが続く中で不意に毒舌ボケが挟まれることで、緊張感が高まり、大きな笑いが起こる。シンプルボケをジャブだとすれば、毒舌ボケはストレートやフックにあたる。決め技として通用する威力のある一撃だ。

 最後に、爆笑問題の漫才を語る上で忘れてはならないのが、ナンセンスボケである。ナンセンスボケとは、意味不明で不可思議なギャグのこと。どちらかというと、太田は「毒舌ボケ」の芸人だというイメージが強い。だが、実はナンセンスボケこそが、彼らの漫才の隠し味になっているのだ。

 ナンセンスボケの世界に入るとき、太田のしゃべりは急加速する。田中の話に口を挟むだけという関係性を捨てて、このときだけは太田が前面に出てくる。意味不明な設定にどんどん意味のない内容を付け足して、ナンセンスの世界を広げて笑いを増幅させていく。田中は何とかそれに食らいつきながら、ナンセンスの暴走を阻止しようとする。ナンセンスボケこそは、彼らの最終兵器。最もスリリングで、最も大きな笑いが起こるパートだ。ボクシングでいえば、ぐらついた相手にKOを狙ってパンチをたたみかけるラッシュにあたるだろう。

 このように、爆笑問題の漫才ではボケが三層構造になっているので、見る者は心地よい緊張感を保ったまま、彼らの作り出す笑いの世界に身をゆだねることができる。3種類のボケによる多彩なコンビネーションが、彼らの漫才を奥深いものにしているのだ。
(文=お笑い評論家・ラリー遠田)

2011年度版 漫才 爆笑問題のツーショット~2010年総決算~

漫才のど真ん中。

amazon_associate_logo.jpg

【関連記事】
爆笑問題・太田光 誤解を恐れない「なんちゃってインテリ」
「タイタン」敏腕”愛妻”社長・太田光代が描く新時代のエンタテインメント
現役ディレクターが吼える「テレビバラエティは死んだか」

最終更新:2018/12/07 18:28
こんな記事も読まれています

『爆笑問題のツーショット』に見る、太田光の”3種類のボケ”とは?のページです。日刊サイゾー芸能最新情報のほか、ジャニーズ/AKB48/アイドル/タレント/お笑い芸人のゴシップや芸能界の裏話・噂をお届けします。その他スポーツニュース、サブカルチャーネタ、連載コラムドラマレビューインタビュー中韓など社会系の話題も充実。芸能人のニュースまとめなら日刊サイゾーへ!

ページ上部へ戻る

人気連載すべて見る

元木昌彦の『週刊誌スクープ大賞』

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"元木昌彦による週刊誌レビュー

“元アウトローのカリスマ”瓜田純士、かく語りき

“元アウトローのカリスマ”瓜田純士の最新情報をお届け! 嫁・麗子も時々登場。

トンデモ海外ニュース

世界中のびっくり珍事件をお届け。世界はやっぱり広かった!

深読みCINEMAコラム『パンドラ映画館』

最新作・話題作から珠玉の掘り出しモノまで、毎週1本必観の映画作品を徹底レビュー

じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

マンガレビューブログ管理人じゃまおくんが、世の中に埋もれる過去の名作マンガを発掘!

トップページへ
注目記事
  • facebook
  • twitter
  • googleplus
  • feed
イチオシ企画

【キング・オブ・アウトロー】瓜田純士、かく語りき

“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士が森羅万象を斬る不定期連載
写真
特集

ジャニー喜多川氏逝去で、ジャニーズ事務所はどうなる⁉

ジャニーさん死去でジャニーズ事務所がいよいよヤバい!?
写真
人気連載

高良健吾主演のR18作

 初恋の相手にもう一度逢ってみたい、そう思う...…
写真
インタビュー

前田日明×瓜田純士、断絶の真相

 かつてはいがみ合っていた時期もあるが、10年ぶりに再会し、すっかり打ち解けた前田日明...…
写真