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【元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第79回】

大相撲の「八百長」をのさばらせてきた大マスコミ・司法の責を問う

shincho0214.jpg「週刊新潮」2月17日号中吊り

●第79回(2月8日~2月14日発売号より)

第1位
「八百長裁判『巨額賠償』で週刊誌を萎縮させた『司法』の暗愚」(「週刊新潮」2月17日号)

第2位
「小向美奈子にまた『逮捕状』!」(「週刊文春」2月17日号)

第3位
「交際2年!『SMAP』稲垣吾郎『スレンダー美女とお泊まり愛』撮った!」(「フライデー」2月25日号)

 4月に東京都知事選が行われる。石原慎太郎氏の4選出馬か、蓮舫、東国原、舛添氏らも取り沙汰されている。

 今週のポスト「シリーズ 天下の極論」に石原氏の持論が載っている。いつもの「日本はアメリカの妾」論から、日本の現状を「これは平和の毒です。あまりにも長く緊張感のない時代が続いたために、国家としての我欲が張り、社会が堕落してしまったのです」と嘆く。

 「無駄に爆発するエネルギーさえ失ってしまった」日本の若者と韓国の若者を比べ、彼の国の若者が人生に対して積極的なのは”徴兵制”があるためだとして、日本の若者にも「自分の生命、存在が脅かされる経験」をさせるために、「高校を卒業した年齢の子供は、1年間か2年間、軍隊か警察か消防に入る義務を課すべき」だと説く。

 こうした考えを持つ人物が、首都の顔であり続けることがいいのかどうか、私も都民の一人として、じっくり考えてみたい。

 さて、今週の第3位は「SMAP」稲垣吾郎の熱愛をスクープ撮した「フライデー」の記事。

 菅野美穂との破局から2年ほど経った稲垣が、「昨年末まで大手芸能プロダクションに所属」していたロングヘアのスレンダー美女と、1月中旬、目黒区の焼き肉店でデートした後、別々にタクシーに乗って、稲垣のマンションへ「お泊まり愛」したという。

 翌週も、件の美女が稲垣のマンション近くでタクシーを降り、反対側の路地で佇む彼女を、稲垣がわざわざクルマで迎えに行き、すぐ前のマンションの駐車場に消えていった。

 芸能プロ関係者が、「二人とも真剣で、すでにお互いの両親にも紹介済み」だと話している。

 オフの日なのだろう。彼女と別れた後、稲垣がゴルフの打ちっ放しで汗を流すショットもあるから、じっくり張り込み取材を続けていたことがわかる。

 やや人気に翳りが出てきた「SMAP」とはいえ、「嵐」など人気グループがいるジャニーズ事務所の嫌がる記事をやるには、ある程度の覚悟がいったはずだ。

 芸能活動をこれから再開するという彼女の名前や、事務所のコメントがないのを、何らかの事務所側とのやり取りの「痕跡」と見るのは穿ちすぎだろうか。

 第2位は、ワイドショーなどがフィリピン・マニラまで追いかけて、バカ騒ぎをしているが、そのきっかけをつくった「小向美奈子に逮捕状が出た」とスクープした「文春」の記事。

 新聞、テレビでこの件が報道されたのは8日の火曜日。「文春」が発売されたのは9日、水曜日だが、校了は7日の月曜日、たぶん夕方だろう。おそらく他のメディアは、「文春」の新聞広告を事前に入手して事件を知り、あわてて取材に走ったはずだ。

 だが、ちょい気になるのは、記事中で全国紙社会部記者が、小向が付き合っていたイラン人が所属している覚せい剤密売組織が、警視庁に摘発され、小向に逮捕状が出されたと話していることだ。それだけ知っていれば、自分のところの紙面で書けばよかったと思うのだが、ブン屋サンのやることは不可解である。ちなみに「文春」の誌面に載っている「覚せい剤密売9容疑者逮捕」という記事は朝日新聞である。

 ともあれ、小向は09年に覚せい剤取締で逮捕され、現在執行猶予中だ。再犯となれば実刑もありうる。ストリッパーとして注目され、ようやくタレント活動も再開の目処が立ったところだった。

 覚せい剤犯の再犯率は5割を超えるという。そういえば、最近、本を出したのりピーこと酒井法子は大丈夫なのだろうか。

 八百長問題に早くけりをつけたい相撲協会だが、そうは問屋が卸しそうにない。これまで、八百長はない、聞いたことさえもないと言い張ってきたのだから、「ポスト」「現代」の怒りもヒートアップするばかりだ。

 「ポスト」が30年も八百長を追及し続けてきたと「本家」を誇れば、「現代」は、うちは59年4月12日号の創刊号で「八百長はやめてくれ」という記事を掲載しているから、52年になるぞと胸を張る。

 「現代」は、なにしろ八百長の記事で相撲協会などから訴えられ、総額4,785万円を払えという判決が確定し、その上、昨年の11月27日号で、記事取り消し広告まで掲載したから、はらわたが煮えくりかえっている。

 今週号では、「本誌は相撲協会理事長と八百長力士を『詐欺罪』で警視庁に告訴する」と、巻頭で告知し、先の裁判で提出した「八百長を証明する『陳述書』」、「朝青龍と北の湖親方の法廷証言」も公開している。記事中には、朝青龍と北の湖の「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りのないことを誓います」という宣誓書への署名まで載っている。

 八百長関連では、群を抜く怒りとページ数だが、今週は、「新潮」の記事に軍配をあげたい。以前から裁判所攻撃では定評があった「新潮」だが、八百長裁判で最高裁までが出した高額賠償判決は、裁判官の世間知のなさを明るみに出したばかりでなく、週刊誌を萎縮させた「愚行」であったことは間違いない。

「八百長を知っていて書かない、正確に言えば、相撲協会が恐くて書けない大マスコミ。八百長が相撲界で放置されてきた一因は、ここにあろう」(「新潮」)

 この問題を取り上げるのは週刊誌だけだと思われていたのに、その足を引っ張ったのが司法だったのだ。

 私も名誉毀損で訴えられ、法廷に出たことがあるが、私が裁判官から受けた第一印象は、「週刊誌は悪」だという先入観を持っている人間だというものだった。

 週刊誌は嘘ばかり書く。国技といわれ、裸一貫で頑張っている相撲取りを侮辱するような記事は許さん。そうした”偏見”から出されたのが、5,000万円近い賠償金の支払いと、行き過ぎた「記事取り消し」広告の掲載である。

 しかも、権力ベッタリの大新聞は、「現代」への一審判決が出たとき、「取材は杜撰」と斬って捨てたのだ。それがいまは、八百長は昔からあったのではないかと、世迷い言を連日書いている。

 相撲協会とメディアの癒着を、私の経験から話してみたい。「フライデー」編集長のときは、若貴全盛時代だった。今からは信じられないが、館の前には多くのダフ屋がいて、法外な値段で呼びかけていた。

 「フライデー」は記者席に入れないため、仕方なく、高額なカネを出してダフ屋からチケットを買うこともあった。ようやく入っても、遠くからではいい写真を撮ることができないため、通路で、観客の邪魔にならないように写真を撮っていた。

 毎号毎号、若貴の写真を掲載していると、相撲協会から何度か撮影をやめるよう申し入れがあった。だが、その代わりに席を用意してくれるわけではないから、何とか算段して、見つからないよう用心して写真を撮っていた。だが、相撲協会の人間が寄ってきて、カメラマンが問答無用で外に放り出されてしまうことが何度かあった。

 後で調べてみると、協会にご注進していたのは、新聞やテレビの記者たちだったことがわかった。

 体制にベッタリと寄り添い、自分たちだけの特権に胡座をかき、他のメディアを排斥する体質が、八百長問題だけでなく、大相撲改革を遅らせてきた大きな元凶の一つだということに、裁判所だけではなく、新聞、テレビの人間も気付くべきだ。
(文=元木昌彦)

八百長―相撲協会一刀両断

元大鳴門親方はこの本の出版直後に謎の”病死”。

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最終更新:2011/02/14 21:00

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