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現代人の愛のかたち? 甘酸っぱさとほろ苦さが交際する恋愛映画

dakitai_main.jpg「抱きたいカンケイ」(C)2011 DW Studios L.L.C. All Rights Reserved.

 今週公開される2本の恋愛映画は、一方がコミカルで他方がシリアス、味わいはまるで異なるが、いずれも現代の愛のかたちを端的に切り取った作品だ。

 まず1本目は、ナタリー・ポートマンとアシュトン・カッチャーが共演した恋愛コメディー『抱きたいカンケイ』(4月22日公開)。病院勤務医のエマ(ポートマン)とテレビ番組アシスタントのアダム(カッチャー)は、10代のころに出会い、その後偶然の再会を重ねてきたものの、顔見知り程度の仲。ところがある日、ふたりは一線を越えて肉体関係を持ってしまう。仕事が多忙を極め、自称「恋愛アレルギー」でもあるエマは、面倒な束縛や嫉妬を抜きにしたセックス・フレンドの関係をアダムに提案。メールで相手を呼び出してはあわただしく抱き合うという付き合いを順調に続けるが、やがてそれぞれの感情に変化が訪れて……。 

 『レオン』(94)の美少女の印象が強いポートマンも、今やすっかり大人の演技派女優になり、『ブラック・スワン』(5月11日公開)では第83回アカデミー賞主演女優賞を獲得。従来はシリアスな役どころが多かった彼女だが、今作ではコメディエンヌぶりを発揮。優秀なのに鈍くさいところもあり、恋愛は苦手なのにセックスは大好きという、少々イタいが愛らしいキャラクターをさわやかに演じている。

 対するカッチャーは、この手のラブコメはお手のものといったところ。ポートマンとの掛け合いも楽しいが、オクテな同僚ルーシー(レイク・ベル)と急接近する場面などでも、爆笑の中の甘さと切ない演技が印象に残る。

 これとは対照的に、4月23日に公開される『ブルーバレンタイン』(R15+指定)では、あるカップルの恋愛と結婚生活が切々と描かれる。高校を中退し塗装の仕事に就いたディーンと、苦学の末に資格を取って病院で忙しく働くシンディは、娘のフランキーと3人暮らし。夫婦は互いに不満を抱えているが、平穏な日常を壊すことを恐れ口に出せない。出会ったころは若く、互いに相手に夢中で、夢と希望に満ちていた。消えてしまいそうな愛を取り戻そうと、ディーンはある行動に出るが……。

 シンディ役のミシェル・ウィリアムズは、本作での胸に迫る演技で今年のアカデミー主演女優賞にノミネートされ、ポートマンと競い合った。ディーン役のライアン・ゴズリングは、『ラースと、その彼女』(07)でラブドールを恋人にする青年を演じており、優しいがナイーブで社会にうまく適合できない男がハマリ役。

 よき夫、よき親であることに充足する男と、そんな相手に満たされぬ思いを募らせる女。昔なら男女逆の例が多かっただろうが、昨今はこうしたカップルも少なくないのでは。既婚者や長年交際している相手がいる人が見ると、身につまされる部分も多々ありそうだ。

 甘酸っぱいレモンケーキのような『抱きたいカンケイ』と、ほろ苦いビターチョコレートにも似た『ブルーバレンタイン』。好みの味を選ぶもよし、食べ比べるのももちろんアリだろう。
(文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉)

「抱きたいカンケイ」作品情報
<http://eiga.com/movie/55795/>

「ブルーバレンタイン」作品情報
<http://eiga.com/movie/55894/>

レオン 完全版 [Blu-ray]

かわいかったな。

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最終更新:2013/09/13 19:01
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