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『相棒』『科捜研』『DOCTORS』……テレビ朝日、磐石の布陣が光る秋ドラマ徹底検証!【その2】

aibo10.jpgテレビ朝日系『相棒season10』公式サイトより

 ドラマをゆっくりと見る時間すらない多忙なあなたの代わりに、「日刊サイゾー」が連ドラを見まくるカインド企画”秋の連ドラ初回レビュー”。

 前編では、瞬間最高視聴率25.5%を叩き出したキムタクの祭典『南極大陸』(TBS系)や、大島優子が「あたしなんかバージンなんだから!」と叫ぶ『私が恋愛できない理由』(フジテレビ系)などバラエティー豊かな10作品を紹介。そして後編も、やや地味目な作品は多いものの良作ぞろいの予感♪

 はたして放送前からキケンな香りがしていた『妖怪人間ベム』(日本テレビ系)や、超人気シリーズ『相棒』(テレビ朝日系)の初回はどんな様子だったのか。10月18~28日スタートの11作品を、今回も5点満点の5段階評点付きで解説します(以下、放送日時順。視聴率はビデオリサーチ調べ・関東地区)。

■『謎解きはディナーのあとで』
(フジテレビ系 火曜21:00~/平均視聴率18.1%)

 北川景子演じる令嬢にして刑事の麗子が、櫻井翔演じるお抱えの執事に捜査情報をダダ漏れさせて、一緒に殺人事件を解決していく1話完結もの。

 北川景子でディナーといえば、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)や、『SMAP×SMAP』(同)で騒動となった彼女の不思議な食べ方。あの光景再び!? と思いきや、劇中でステーキ等のごちそうを前にしても、不自然なほど一口も食わず仕舞い(ちなみに2話では、何か小さなものを一口だけ食べるシーンと、捜査のためにからしを舐めるシーンがあるものの、相変わらずフルコースや、朝食のホットケーキは口に運ばず)。これは”食事シーンNG女優”確定か!?

 初回から殺され役が『勇者ヨシヒコと魔王の城』(テレビ東京系)の好演も記憶に新しい木南晴夏という豪華さ。犯人は、木南と浮気していた男の彼女であったが、その殺害動機が「浮気相手(木南)が美人じゃなかったから」という、なんとも成仏できなさそうな悲惨な話であった。

★評価 [3点]

■『ビターシュガー』
(NHK 火曜22:55~/平均視聴率3.8%)

 りょう、和久井映見、鈴木砂羽演じるアラフォー女性3人を中心としたヒューマン・ドラマ。

 30分ドラマのためか、初回は登場人物の背景紹介のみで終了。初回からはそんな予感はまったく感じ取れなかったが、番組サイトによると今後ドロ沼の展開が待っているとか。

 りょう演じる「結婚できない映画ライター」というキャラが妙にリアルで息苦しくなった(なぜなら、映画ライターや演劇ライターには、実際に独身のおばさんが多いから)。

★評価 [3点]

■『深夜食堂2』
(TBS系 木曜24:55~/平均視聴率2.5%)

 ヤクザやオカマなどさまざまな想いを抱えた人々が集う深夜食堂を舞台に、人情味溢れる大人のストーリーが展開。

 小林薫の渋い声や、安田成美の優しい方言に癒やされていると自然とまぶたが……いい意味で眠くなるα波系ドラマ。初回は、フライパンでタコさんウインナーを焼く「ジュ~」という音が心地よく、寝がけに見るには最高だった。

 まあ、好きな人は好きだろう。

★評価 [3点]

■『相棒season10』
(テレビ朝日系 水曜21:00~/平均視聴率19.7%)

 毎度高視聴率の大人気シリーズ10作目。初回はゲストに戸田菜穂と大沢樹生を迎え、2時間スペシャルを放送した。

 大沢の悪人演技がお見事。刑事訴訟と民事訴訟の違いを理解していないと分かりづらいストーリーではあったが、ドラマ全体に安定感がみなぎっていた。

 初回はいつにも増して画が地味だったためか、2時間見終わった後に、終始グレーの画面を見せ続けさせられたような感覚に陥った。この地味さで高視聴率を取れるのだから、視聴者はノリだけでドラマを選んでいないのだと改めて関心させられる。

★評価 [4点]

■木曜ミステリー『科捜研の女』
(テレビ朝日系 木曜21:00~/平均視聴率17.1%)

 沢口靖子にとって、リッツパーティー主催者役と同じくらいのアタリ役となっている法医学研究員役。1999年に第1シリーズが始まり、今回で『相棒』を超える11シリーズ目となる。

 一般人では分かりづらい科学調査も、テロップや、沢口による「表皮常在菌を調べてみる! 皮膚の表面にいる菌で、人によって構成が違うの。その構成を分析すれば、個人を特定できるかもしれない! それから、化膿菌も調べてみる!」というような丁寧な説明ゼリフで分かったような気にしてくれるので、ストレスなく見ることができる。

 2011年からキャストに加わった風間トオルが最高。演技ももちろんだが、とても49歳とは思えない若々しい姿と、黒さも魅力的。風間トオル見たさにこのドラマを見てもいいくらいだ。

★評価 [4点]

■金曜ドラマ『専業主婦探偵~私はシャドウ』

(TBS系 金曜22:00~ /平均視聴率12.6%)

 漫画『私はシャドウ』(集英社)を深田恭子主演でドラマ化。専業主婦が突然探偵として働くという設定は、同クールの栗山千明主演『秘密諜報員 エリカ』(読売テレビ系)と被ったものの、主役のキャラが正反対。見比べてみるのも面白いかもしれない。

 近ごろ、痩せたと話題の深キョン。以前のような爆弾娘感も薄れ、変装姿も美しい。”バカな主婦”というキャラクターも合っていて楽しく見られる。

 初回は、深キョンの愛犬・メロンパンナちゃんが出演。初回で愛犬を登場させるあたりも深キョンらしく、深キョンワールド全開のドラマといってもいいだろう。

★評価 [4点]

■金曜ナイトドラマ『11人もいる!』
(テレビ朝日系 金曜23:15~/平均視聴率11.4%)

 宮藤官九郎が脚本を手掛けるホーム・コメディー。大家族という題材も、田辺誠一と光浦靖子が夫婦役といったキャスティングも面白く、さらに広末涼子演じる死んだはずの元ストリッパーの姿が末っ子にだけ見えるというSF要素も加わり、みどころの多い作品。

 長男役は、昨年の『オールスター感謝祭』(TBS系)の女っぽい仕草からゲイ疑惑がささやかれるようになった神木隆之介。ゲイバーで働き出す展開に、クドカンの小意地悪さが垣間見れて良かった。

 ただ、光浦によるお料理コーナーはいらないような……。末っ子役の加藤清史郎くんが、相変わらず黒い。

★評価 [4点]

■『妖怪人間ベム』
(日本テレビ系 土曜21:00~/平均視聴率18.9%)

 1969年まで放送されていた超有名テレビアニメを実写化。脚本は、大野智主演『怪物くん』(日本テレビ系)と同じ人物が担当。

 もはや、ベム役の亀梨和也がどうとか、そういう問題ではない。ドラマ全体が、「はやく人間になりたい」という有名フレーズにがんじがらめになっている印象。アニメ版とは違い、「そんなに人間になりたいなら、日雇いでも何でもいいから働けよ」というツッコミが付きまとうせいか、感情移入するのはなかなか難しい。

 ただ、社会不適応者の父親のせいで、草などを食べて暮らす貧乏一家の話として見ると、各シーンが急にグッとくる。

 戦闘シーンは、妖怪というよりも着ぐるみショーテイスト。子ども向けの特撮ドラマとして見れば違和感は薄れるかもしれない。

★評価 [2点]

■『僕とスターの99日』
(フジテレビ系 日曜21:00~/平均視聴率10.2%)

 しがない警備員と、韓国人の人気女優の恋愛を描くラブコメ。

 「こ、これは……」という言葉しか出てこない脚本。また登場人物たちに魅力がなく、誰にも感情移入したくない。西島秀俊、キム・テヒ、佐々木蔵之介、要潤など、味のある名優たちを起用しているのに、なぜこんなに内容のない茶番に仕上がってしまったのだろうか。

 もはやフジが韓流等にしばられるあまりこうなった”裏事情ドラマ”であって欲しい。救いは、キム・テヒの超絶なかわいさだろう。

★評価 [1点]

■木曜ドラマ9『ランナウェイ~愛する君のために』
(TBS系 木曜21:00~/平均視聴率12.5%)

 市原隼人、塚本高史、KAT-TUNの上田竜也、菅田将暉演じる脱獄犯が、逃亡を繰り返しながら北九州から東京を目指すロードムービー的ドラマ。

 とにかく俳優陣と制作スタッフの気合いがひしひしと伝わってくる作品。渡哲也が脇役に徹している点も、作品に深みを与えている。

 初回は”冤罪””娘の病気””幼児虐待””目の見えない彼女”など、重いキーワードが幾重にも重なっていったが、音楽や編集の効果でなるべく気楽に見られるようにしてくれている点がありがたい。

★評価 [4点]

■『DOCTORS~最強の名医~』
(テレビ朝日系 木曜21:00~/平均視聴率13.7%)

 沢村一樹演じる名医が、患者の命を軽視しているダメ病院に、一石を投じるストーリー。

 とにかくキャラクターで魅せるドラマ。主人公が漫画のヒーローの如く魅力的に描かれており、また各医者のダメっぷりや、登場人物一人ひとりの心の動きも丁寧過ぎるほど丁寧に描かれている。

 高嶋政伸の絵に描いたような悪役っぷりにワクワク。沢村と高嶋の今後の対決に、期待感を持たせる初回であった。老若男女が安心して楽しめる秀作。

★評価 [5点]

■フライデードラマNEO『怪盗ロワイヤル』
(TBS系 金曜24:20~/平均視聴率4.2%)

 同名のオンラインゲームのドラマ化。松坂桃李、大政絢、福士誠治、2PMのチャンソン演じる4人の怪盗が、お宝を奪い合うストーリー。

 同クールには、同じく携帯電話用ゲームを題材とした『”ドラマ”私のホストちゃん~しちにんのホスト~』(テレビ朝日系)もあるが、携帯電話ゲームの普及以上に、おそらく携帯電話ゲーム業界が好調で、スポンサードしやすいという事情があるのだろう。

 深い放送時間に対して内容が幼稚気味な点はやや気になるが、今後のチャンソンの活躍次第で化けそうな予感も。初回なのに、意外にも峰竜太のショットから始まりビックリ。

★評価 [2点]

 2回に分けてお送りした”秋の連ドラ初回レビュー”。5点満点は『ここが噂のエル・パラシオ』(テレビ東京系)と、『DOCTORS~最強の名医~』(テレビ朝日系)の2作品という結果になりました。では、また冬ドラマが始まるころに、みなさんとお会いしましょう。さよなら、さよなら。
(文=林タモツ)

相棒 season9 DVD-BOX I

水谷&ミッチーの溝は埋まるのか。

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最終更新:2013/09/10 16:37
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