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早くも「漢」が立ち上がった――老舗同人誌即売会・ガタケット存続の危機を救え!

R0011920-1.jpgあのガタケットが危ないって!?

 新潟県で1983年以来続く、全国でも指折りの老舗同人誌即売会・ガタケットが存続の危機に陥っている。新潟県は、全国でも珍しい自治体の主催による「にいがたマンガ大賞」が行われており、応募作の表現の豊かさは全国的にも注目を集めている。新潟にそうした豊かな文化が育った背景に、主催団体にも名を連ねるガタケットの存在があることは間違いない。また、イベントを運営するガタケット事務局代表の坂田文彦氏(マンガ大賞実行委員会の副会長でもある)は、同人誌即売会の唯一の全国組織である「全国同人誌即売会連絡会」の発起人にも名を連ね、同会の連絡先はガタケット事務局になっている。

 筆者も拙著『マンガ論争』(マイクロマガジン社)シリーズの共著者・永山薫氏と共に何度か訪問しているし、坂田氏にも幾度も取材を行っている。理念もあり、地域に根ざしたイベントであることは間違いないし、坂田氏の冷めることのない熱気にも触れている。そんなガタケットが存続の危機とは! 「寝耳に水」とは、まさにこういうこと。さっそく、坂田氏に話を聞くことに。

 いきなり携帯に電話して取材を試みた筆者に、坂田氏は丁寧に対応してくれた。やはり、もっとも気になるのは、危機に至った経緯だ。

 坂田氏によれば、原因は2007年の新潟県中越沖地震までさかのぼるという。この地震に加え水害があったことで、この年のガタケット来場者は減少した。さらに、2つの災害から立ち直っていない08年には、リーマンショックによって新潟県内の経済状況もかなり悪化した。このことはいまだに尾を引いていて、上越・中越地域からの来場者が、ごっそりと減ってしまったのだという。

 リーマンショックによって、それまで無借金経営だったガタケットは、銀行からの借り入れを行う。そこに追い打ちをかけるように襲ったのが、昨年の東日本大震災だ。直接的な被害はなかったものの、震災直後の3月21日に予定されていた「ガタケット114」は中止となる。これによって、資金繰りがかなり困難になったという。ガタケットは例年、年6回の開催だ。うち、ひとつが中止になるということは、実質、2カ月分の運転資金が吹き飛んでしまうといってよい。

 こうした状況の中で、坂田氏は公式サイトに「サークルの皆さんヘ」と題した文章を発表。この中で、坂田氏は「ここ数年の参加サークル数でこのまま推移していくとなると、ガタケットの運営維持は向こう1年以内に行き詰まります」と記す。これに加え、例年のスケジュールならば5月半ばから5月末に予定されていた開催日が、会場の都合で4月29日にせざるを得なかったことも述べている。翌30日は、東京で大規模な同人誌即売会が開催される予定もあり、参加サークル数は危うい。そうした状況を述べた上で坂田氏は「事ここに至り、参加者の皆さんのお力添えをお願いしなければならない状況となり、ガタケットの深刻な現状をありのままにお伝えさせて頂く事としました。もし皆さんが今後のガタケットの存続を願い、ご協力を頂けるのであれば、不都合の多い日程である事は十二分に承知していますが、どうか『ガタケット121』へのサークル参加をお願い致します」と呼びかける。

 坂田氏は。ガタケットの危機的状況を、公にした理由を次のように語る。

「ガタケットもコミックマーケットと同じく古い歴史を持ち、運営スタッフ、サークル、一般参加者が一体になって作ってきたイベントです。ですから、運営状況が深刻になっていることは伝えなくてはならないと判断したんです。新潟市にも、こうした発表を行っても市に不都合はないか確認した上での発表です。参加者と一緒になって、これからどうすべきかを考えたいと思っています」

 この危機に、いち早く立ち上がったのが同人誌専門印刷会社「有限会社ねこのしっぽ」の内田朋紀社長だ。内田氏は、即座にTwitterで「ねこのしっぽを利用したことがあるお客様でこれから4/29開催のガタケット121にサークル参加をしたいと考えている方は当社経由で参加申込をして頂けましたら即売会参加費を当社が負担します。2600円と微々たる支援ですが是非よろしくお願いします」とツイートした。内田氏は話す。

「(坂田氏は)“お気持ちだけいただきます”とおっしゃいましたが、何かしら支援したいと思っています。ガタケットは首都圏でも少なくなった、誰でも気軽に足を運ぶことができるオールジャンルの同人誌即売会です。今回だけでなく、今後も支援をしていかなければならないと思いますが、せっかくの機会ですので多くの参加者に足を運んでほしいと思っています」

 詳細は3月30日に同社サイトに公開された。ちなみに、過去に利用したことがある人ならば、今回は同社へ同人誌の印刷を申し込まなくてもよい。なんとも太っ腹な支援だ。

 新潟に豊かな漫画文化の土壌を育てたガタケットは、さまざまな点で魅力の尽きないイベントだ(コスプレイヤーにストッキング着用必須の規制がない点も含む)。直接参加が難しい人には、委託参加(同人誌の販売を運営に委託すること)という方法もある。でも、ぜひ一度は訪れて昼の儀式(正午になるとアニメ『宇宙大帝ゴッドシグマ』のテーマ曲が流れ、サビの部分で、参加者が拍手で音頭を取る)も味わってほしいぞ。
(取材・文=昼間たかし)

●ガタケット公式サイト
<http://gataket.com/>

●有限会社ねこのしっぽ
<http://www.shippo.co.jp/neko/> 

第13回にいがたマンガ大賞作品集

こりゃ、一大事!

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最終更新:2013/09/06 15:51
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